
みなさんこんにちは。千野紗織です。
今日は私の描いている作品のことを少しお話していきたいと思います。
私は赤尾先生と同じく日本画を勉強していて、上の作品も日本画です。(基本的な日本画の描き方については赤尾先生が説明しているので1月18日の記事をご覧ください♪)真ん中の黄色のガーベラのところは金箔がはってあったり、左下の方にも銀箔を貼って酸化させたりしているので、実際に見ると、見る角度によってキラキラして見えて面白いと思います。金箔や、銀箔だけではなく、岩絵の具、という日本画を描くにあたっての基本的な材料も、もともと水晶や、ラピスラズリなど、宝石を細かく砕いたものを使っているので、種類や、荒さなどによって輝いて見えます。しかし、「ぎらぎら」という感じはなく、全体的にはしっとりと落ち着いた雰囲気になるところが日本画の魅力だと思っています。
・・・・でも、写真で見る限りこれが油絵か日本画か、区別つけづらいですよね??現代では、使用する画材だけで日本画と油絵を分けているだけに過ぎず、日本画家でも抽象をかく作家は沢山います。これが、明治以前だと、目に見えるものの奥にある本質を描き出す為に作家が自分で試行錯誤して形を洗練し、一本の線に精神を込めて描く・・・というのが日本画の考え方でした。(&日本画という名称はまだありませんでした。)しかし、明治以降になると、西洋の文化がどっと押し寄せ、洋画(油絵)が本格的に導入されました。基本的には、目に見えるままに描くことで自然の本質にせまる・・・という西洋的なものの見方はコレまでの日本画とはまったく異なるもので、日本画と洋画は対立していました。ここで、洋画という違ったジャンルの絵が入ってくることで、今まで日本で描かれていた絵画が「日本画」と呼ばれるようになりました。そして、日本画は、洋画に刺激され、洋画的表現を試してみたり、技法を吸収しながら現在の姿になっていったのです・・・!(長いですね;)
しかし、こんなに語っておきながら、私も大学に入るまではほとんど日本画のことを知りませんでした。
今までずっと好きで絵を描いていましたが、「美大で何を学びたいか!?」と考えた時に、日本人なのに日本独自の絵画を知らないなんて、おかしいくないか??というところで引っかかり、実際作品を色々みて、あのキラキラしっとり輝く絵肌に惚れ、実技試験の方法が日本画科が一番好きだった(超写実)、という、必然のような、偶然のような理由で日本画を学ぶ事を決めました。前よりはちょっと日本画のことが解り、ますますその魅力にとりつかれています。そして、ちょっとでも多くの人に日本画のことを知って欲しい!と思う日々です。