
さて、今日は日曜クラス、内海さんの作品をご紹介します。大画面の抽象画は流石に大迫力。
いつも「その時の気分で・・・・」とおっしゃる内海さん。今回は途中でラフスケッチをしてみたり、別のものを描いてみたり、じっくり悩みながらの完成です。
右下から左上にかけて幾種もの線と色がせめぎ合う様に重なって、どんどん上へと広がっていくようです。ダイナミックな線の動きや混沌とした表現が、絵の中に引き込まれるような迫力を生み出していますね。このどっしりと中央に配置された四角、「箱」のようにも思えますが・・・・。皆さんは何に見えますか?クラス内でも議論が交わされ書き始めの段階では「色からして・・・・卵?」なんて意見もありました。

こちらは制作過程です。(左→右)
最初の段階からあったこの四角のモチーフ、次の段階では一度塗りつぶされ、上に色を重ねてから布で拭き取ってあります。この段階を経たことで、切り取られた異空間だったこの部分が、画面としっとり馴染んできました。せっかく描いた細かい模様のような表現も一度消えてしまいましたが、仕上がりには空のように爽やかな水色や赤が入ったことにより、また画面が明るい印象になっていきました。一度の授業の間に絵をぐいぐい完成へと昇華させていく、内海さんの勢いは流石です。
この作品のように動きのある構図や有機的な形によって感情や精神的なものを表現した「抒情的抽象」は、「熱い抽象」とも呼ばれるそうですよ。作品に関して多くを語らないクールな内海さんですが、心の中は思いの他、熱いパワーで満ち溢れていそうです!