野中 油彩
今夜は雪になりそうですね、大竹です。
今回ご紹介させて頂くのは野中さんの油彩の作品です。花飾りの付いた帽子をちょこんと被ったブラウンヘアの可愛らしい女の子、野中さんにとってはお孫さんのように思える年頃でしょうか。赤味の強い頬が子供らしさを感じさせます。小学生の時、いつも顔が真っ赤なのであだ名が「りんごちゃん」だった女の子の事を思い出しました。この頬の膨らみも何度か描いては修正、描いては修正を繰り返して幼児の丸い輪郭に近づけていきました。フワッとした柔らかそうな髪の毛の質感もよく表現されていますね。俯きながら微笑する姿が見る人の想像を掻き立てます。
しかし今回は、メインの少女以上に背景作りに悩まれていたように見えました。最初はもう少し無機質な、コンクリートのようなグレーだったのですが、青味を足して全体に少し彩りをプラスされていました。これにより少女の服の赤や、光の色がより綺麗に見えてきます。特にだんだんと薄くなっていく光のグラデーションは見事です。何度も手直ししていると、どうしてもそこばかりに集中して部分的に見てしまいがちですが、野中さんはしっかりと全体の色合いのバランスを見る事が出来ていますね。現在制作中の人物画はまたガラリと雰囲気の変わったものになりそうで、今から楽しみにしております。