モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

墨と岩が切り取る新鮮

2020-02-10 22:33:01 | 小学生 絵画

どうもアサヒです。
大竹先生に引き続き、小学生クラスの一月カリキュラムのご紹介です!
本当のイカ、真鯛、金目鯛、エビを描いた迫力満点の作品たちです。
教室に入ってまずモチーフを設置するのですが、なんとまあ鮮魚の生臭いこと。画材ばかりの教室の中に、明らかに異質な海の香りが広がります。生徒のみんなも入ってきてすぐに「くっさ!!」「生臭い」「先生臭い」(俺は関係ないでしょ!)と顔をしかめていました。窓は換気のためと、鮮魚の新鮮さのために全開にしていたので寒く、上着を着たまま描き、匂いで気分が悪くなったら外の空気を吸いにいってもいいよ、という不穏な形で始まった今回のカリキュラムでしたが……。

描き始めて10分ほどで、みんな時々「くさーい」と冗談めかして言うものの、真剣に目の前の海鮮物を捉えていました。抜群の集中力で、思い思いのディテールを追求し、墨で輪郭を描き、透明水彩と顔彩で着彩します。真鯛の鱗を一枚一枚描いたり、金目鯛の目の中の光を追求したり、尾びれと背びれ、胸びれの少し透き通った感じや、鱗の反射で各部の色が異なっている感じを色で表現しようと試みたり、イカの吸盤の色、外套膜の構造など、挙げ出したらキリがないほど細やかな部分まで描き込まれています。
やはり本物のモチーフの影響は凄まじい。普段の生活の中で、こんなに生の魚やイカをじっくりと観察する機会はないものです。出てくるのはお刺身や開き、サクの状態になったものばかり。だからこそ、彼彼女らの好奇心をここまで引きつけ、完成度の高い作品たちに仕上がっているのでしょう。
これは私のエゴですが、食べることと同じように、絵を描くことで今回モチーフになった魚たちも、生徒と私たちのこれからの糧として、報われるような気がしてなりません。貴重な体験をありがとうございました。ごちそうさまでした。
また一番匂いでやられたのは私だったと思います。下階のココイチのカレーの匂いと相まって、なんとなく私は後日シーフードカレーをいただきました。重ねてお礼申し上げます。ごちそうさまでした。

 

コメント
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