モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

一生ものの経験

2023-12-05 22:00:07 | 小学生 絵画


寧々花 6年 / 琉羽空 6年 / 由彩佳 5年

サヤカです。わたしの小学生の油絵紹介も、今回で4回目となります。7月から始まったこのカリキュラム、未完成残り2人となりました。年内に紹介できることを祈ります。

寧々花ー芦ノ湖にある箱根神社の水中鳥居だそうですが、優しいタッチと水面に浮かぶ真っ赤な鳥居が印象的な作品です。とても丁寧に背景の森林の着色を行っていました。その頑張りが伝わってくるクオリティです。黄緑、深緑、黄色、茶色など様々な色を使い、とっても表情豊か!画面の多くを森林が占めていますが、単調な印象にならない工夫がされています。鳥居はしっかり光と影を描くことで立体感が生まれ、存在感たっぷりに仕上がっています。湖の水面も、鳥居の影が表現されていたり、手前から奥にかけて濃淡がつけられていたりと丁寧に描かれ、穏やかな水面が想像できますね。

琉羽空ー動物、人物、背景、全てのモチーフが魅力的で目を惹く作品ですね。見どころとなるポイントが多々ありますが、全体的に黄色を入れることでまとまりが生まれています。動物を描くと庇護欲が出て、自分が守ってあげる弱い存在として可愛らしくなってしまうことが多いのですが、琉羽空は相棒として、対等に扱っています。自信のない人間は、助けることで自分の存在意義を見出しますが、穏やかな彼はそういうことで自分を満足させることはありません。世界にある全ての物を平等に扱う、つまりそれが明るい窓も、タイル張りの床も、同じ調子で描くという制作姿勢に表れているのです。

由彩佳ーこちらを見るなんとも愛らしい表情が堪らない!縦長で重心が低めという犬の顔の特徴をよく掴んで、リアルな表情が描けています。バランスを取るのも上手ですが、何よりワンちゃんの表情が可愛らしく、由彩佳が動物に対して持っている愛情が伝わってきます。また、コントラストが上手く効いていて、軽やかで明快な印象を生みました。それが犬が持つパワフルな生命力とマッチし、まとまりの良い作品になりました。強いハイライトや影を入れることを、怖がったり、嫌がったりする子は多いですが、由彩佳の作品のように、むしろ画面にまとまりを生む役割になるんですよ!なかなか思い切れない気持ちもわかりますが、油絵は何度でも重ねられのでぜひ一度チャレンジしてみてください。

年内で一足先にミオスを卒業する琉羽空のお母様から、とても有難いメールをいただきました。ミオスで創造性、想像力を伸ばし、先輩方の作品からの刺激を受け、作品作りの楽しさを知り、ミオスでの経験が一生の宝物になったとお話ししてくださいました。一生ものの経験に携われたことをいちスタッフとして、大変嬉しく思います。

3人とも、高学年ということで技術を身につけ、完成度が高く、なおかつそれぞれの個性が伝わってくる素晴らしい作品を完成させました!これからも3人の成長を楽しみにしています。

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