海江田 油彩
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、海江田さんの油彩作品です。『大きな木の下の家族の絵』はアトリエを退会する前、最後の作品として制作されていました。4月に開催されていた春陽展にも入選されていたそうで、もしかしたら目にされた方もいらっしゃるかもしれませんね。(会期中にブログでご紹介できず、申し訳ありません!)
真ん中の大きな木が家を貫く様に立っています。(場所は武蔵小杉との事。)原色に近い、鮮やかなイエローやグリーン、ピンクが目を惹きます。色使いから、エルマーのぼうけんのライオンと少年の表紙を思い出しました。どこか児童書の様な、温かみを感じさせるタッチも海江田さんならではの作風ですね。葉っぱを1枚1枚形をしっかり描いている分、他の建物や人はシンプルに仕上げています。そのバランスも丁度良く、大人から子供まで楽しめる1枚だと思います。
草木に囲まれた3人家族の背景、遠くの空には高層ビルが微かにシルエットを浮かび上がらせています。都会の中のオアシスで喧騒から離れ、家族でノンビリしているのでしょうか。周りを囲む緑が、優しく家族を見守っているかのよう。生き生きとした木々も、まだ小さい子供の成長を暗示しているかのよう。
また、絵の中でマゼンダが効果的に使われている事にも注目です。葉っぱの中やお母さんのスカート、後ろの店の壁にも使われています。赤ではなくピンクや紫に近いマゼンダが入る事で、垢抜けたオシャレな配色になっていますね。アクセントとしてぴったりな配置・配色だと思います。
これからも、絵画制作を楽しんでいって頂けたらと思います。どこかの展示会で出会えるかもしれませんね!