置田 油彩
秋の涼しさが待ち遠しいです、ナツメです。本日は水曜大人クラスより、置田さんの二枚を一緒にご紹介します。よく映画などのポスターを元に描かれており、今回も映画のメインビジュアルから一枚、雑誌から一枚ずつ女性像を選ばれました。置田さんは早描きで、どちらかと言うと薄めに油絵具を重ねて描くタイプです。
まずは左の作品。映画のポスターを元に、二人の女性を描きました。顔のパーツの角度や位置の差によって、ちょっとした顔の向きの違いを正確に表現されています。どうしたら正面から見た時の顔や体の立体感を出せるか絵の具を作りながら試行錯誤されていましたが、様々な色相から色を選び立体感の伴った肌になりました。映画のポスターを参考にされただけに、二人がどんなキャラクターなのかという人物像まで描こうとする意欲が伝わってきます。
そして二枚目の右の作品は、雑誌に載っているモデルさんを参考にされています。気品を纏いながらもどこか物憂げでアンニュイな表情に感じるのは背景のトーンの影響も大いにあるでしょう。薄手のセーターに編み込まれた細かな金色の糸やアクセサリーの模様一つ一つも非常によく観察して描かれました。モデルだからこそ、身につけているものを粗雑に描写してしまうと途端に全体が安っぽく見えてしまいます。これだけの上品さを感じる作品になったのは面倒くさがらずに積み重ねた成果です!
二枚を並べて見てみると、静と動、暖色と寒色といったような対比があり、それぞれを単体で見た時とは受ける印象も変わりますね。続けて女性を描いたため、次回は少年に挑戦するそうです。