武蔵野美大学工芸工業デザイン学科1年生のひとみです。本年も残り3日となりました。私はついこの前大学に進学した気がするのに、もう1年生が終わることに驚いています。(美大はほぼ12月で授業が終了し、1月から長い春休みとなります。)年末ブログのテーマ『自分の学校で受講している授業や課題などの紹介』ということで、1年生の授業のお話をします。
私の所属する工芸工業デザイン学科では、1年生のうちは自分の取りたい授業を選択することができます。沢山の素材に自分の手で触れたいと思い、クラフトコース(ものづくり)をメインに履修しました。金属、木工、ガラス、そして陶磁と様々な素材に触れましたが、実際触れてみると重さ、硬さ、見ただけでは分からない『差』を感じます。鍛金では打力に加え、思った以上に振動に耐える力が大切であったり、木工は繊維の方向を意識し切ったりカンナをかける必要があったり、ガラスは時間との戦いであり、陶磁は粘土への均一な力加減の意識が重要であったりと、体験することで日常生活で使っているものへの見方が変わり、「なぜこの製品はこの素材なんだろう?」とよく見て考えることが増えました。新しい視点を身に着け、それにより素材の可能性を大いに学ぶことができた1年だと思います。そして他学科の授業では油絵を取りました。デザイン学科とは違って自分の発想を重視するファイン学科のやり方に触れることで、視点の違い、そして絵に落とし込むことの難しさを痛感できました。この1年でデザインとファインの両方に触れられたことで視野が広げることができたと思います。
私が中高生の頃は素材への関心が薄く、デッサンなども同じ質感に描きあげてしまう、なんてことがよくありましたし、今教えてる学生クラスの生徒達も全てが同じに浅い見方をする子が多いです。素材というものへの理解がいかに大事であるか知った今は、質感の違いの重要性を力説できるようになりました。
また、油絵科の教授に教わることで、小手先のテクニックだけではない内面の表現方法を、自信を持ってミオスの生徒に伝えられるようになったと感じています。
是非来年は今まで挑戦しなかった画材・素材に触れる機会を提供・提案させて頂ければと思います。私も大学で学んだ技術そして視点を活かして、皆さんの制作のお手伝いをしていきます。来年もよろしくお願いします。