63ページの薄い本です。
でも、その中に原発労働者の置かれている実態が書かれています。
原子力発電所で働く人には、放射線管理手帳(放管手帳)が交付されることになっています。
この手帳は、放射線作業に従事する人の「安全管理に必要な事項を記録」することになっていて、個人が管理することになっています。
ですから、建前上は、自分がどのくらいの被爆をしているか(したか)、健康面で問題は無いか、自分で確かめられるようになっています。
しかし、実際は会社が管理している場合が多く、退職時にも本人に返却されないことが多い。(労災申請などに、証拠が無く不利になる。)
しかし、もっと問題なのは、原発労働者が、無権利状態に置かれているということだ。
それは、放管手帳が電離放射線障害防止規則にも労働安全衛生法にも定めのない、まったく根拠のない手帳であり、被爆労働者にとっていかなる利益ももたらさず、何の保障にもならないものだということだ。
その、放管手帳さえ交付されない日雇い労働者もいる。
被爆した場合、すぐに異常が現れない、
晩発障害があり、離職後の健康管理が大事になる。
しかし、安衛法に定めのある
健康管理手帳を持たない原発労働者は、国費でどこにいても健康診断を受けられるという権利が与えられていない。
何の権利も保障もされず、命をすり減らして働く被爆労働者によって原発は運転されている。
この本は、現在販売されていないようです。
図書館で蔵書されていると思います。