上野駅、又その周辺は東北育ちの人にとっては格別の思いのある場所なのではないでしょうか。
先日、文春オンラインの記事を見ていたら「廃駅となった博物館動物園駅に潜入した――京成上野駅からわずか0.9kmの“非日常空間”」という記事がありました。
京成電鉄の「博物館動物園駅」のは廃駅なのですが、初めて東京へ行った時は現役の駅でした。上野のどこかに西洋建築の駅があったなあ、とずっと記憶の片隅に引っかかっていて、上野へ行ったときに探し当て、二、三度訪れたことがあります。
京成電鉄がこの駅舎を残した理由は文春オンラインの記事に詳細がありますが、文化遺産として保護保存していく企業の姿勢は立派なものです。
同記事によれば、「東京都選定歴史的建造物の指定を受けて、京成電鉄は一般公開を想定した改修を実施した。といっても、なるべく現状を維持し、新たに取り付けた施設は防火用設備とLED照明程度だ。整備したところは地下1階のきっぷ売り場前まで。ここまでは定期的な清掃を実施している 」とのことですが、歴史的価値のある施設をこういった形で残すのが街にも建物にも一番いいのではないでしょうか。京成電鉄は「地域貢献のため、文化的な催しに限って使用を許可する方針」だそうです。
いろんなところを見ると、若い人が中心となって何かを行うとか、イベント屋を利用してお祭り騒ぎを行うだとか、一時的人寄せの行事だけが行われ、過ぎれば施設は放置され、だれも顧みることもないという状況の方が多いようです。
観光のために施設を残し、それで客寄せ、地元に銭を落とさせよう、などという発想では文化、文化財の保護・保存などできないと思います。過去にそういう半端な取り組みを行ったところが現在どうなっているか、そういうイベントを行った当人たちも、又そこへつり込まれていった人々にもなんの記憶も残さず現在に至っているのではないでしょうか。賑やかなのは商店街だけで結構です。
駅舎の扉です。
たまたま、解放されているときにも行きました。
入り口入ったところのドーム型天井です。
左に見える変なオブジェは逆さ兎らしいです。気持ち悪いし、邪魔ですね。「きっぷうりば」とひらがなで書いてあるのがまたいいです。
黒田記念館側より見たところ。小さな国会議事堂のようです。
これは上野ではありませんが、商業施設の中の一店舗ではなく、ごく普通に街の中にこういう店舗があるというのはいいですね。