鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

古い絵葉書に見る鳥海山の高山植物

2020年09月30日 | 鳥海山

 遊佐の高橋写真製造と各葉下に書いてあります。

  

 封筒の裏には鳥海山参拝紀念のスタンプが押してあります。今では大物忌神社発行のもの以外はすべて登山記念になっています。こういうところにも時の流れを感じます。

 "はくさんいちげさう"の群落を見ると鳥海山の高山植物のシーズンが始まったなと思います。

 このころまで、残された写真、絵図はすべて蕨岡登拝口からのものでした。もちろん湯ノ台口はまだありません。

 "ひなざくら" 目にする期間は結構短いです。これも春の雪溶けの象徴です。

 "つりがねにんじん" 滝の小屋の先、盛夏の八丁坂のつりがねにんじんは見事です。

 山頂周辺の"いわききやう"の紫は岩袋とともにきれいな紫です。

 "てふかいふすま" 清吉新道の南物見から先、藪漕ぎをして無名の滝にでてその先行者岳に向かう尾根は鳥海衾で足の踏み場もないほどだそうです。現在は廃道で歩くことは不可能です。それでいいのでしょう。


鳥海山をめぐる人々 検察官

2020年09月29日 | 鳥海山

 おのれのつらが曲がっているのに鏡を責めて何になる

                       俚諺

 ゴーゴリの検察官冒頭にあります。何せこのブログのタイトルからしてゴーゴリ由来ですから。

 なぜ、検察官が出てくるかといえば、ある秋の日大清水の小屋で出会った方が検察官ご夫婦だったからなのです。今からもう三十年近い昔の話なのでもう書いてもいいでしょう、ということで。

 例年の大清水の避難小屋での夜の酒盛りの真っ最中、階下に誰かがやってきた物音が。トイレに降りて行った仲間の一人がその方たちと意気投合し、二階に誘ってきました。やってきたのは子供連れのご一家。みんなで飲みかわしながら話を聞くと、鳥海山に上るのではなく、休日には家族でこういったところへ泊りがけでドライブしている由。旦那さんは口数も少ない人でしたが奥さんはよく語ります。転勤族なものだから長い付き合いの友達ができない、それならば逆に多くの人と知り合おうとしているとのことでした。

 その時の宴会の様子です。いつもごちそうはすき焼き。その前に昼食は知り合いの焼肉屋さんから肉ともみだれ、つけだれを買ってきて焼肉三昧。家庭での焼肉とは全く違う本格的焼肉店の香り、焼肉、ラーメンってホント市販のものではお店の味は再現できません。

 で、何の職業なさっているんですか?と誰かが聞いたところ

 「はい、旦那は検察官やってますの。」続けて

 「皆さん何かあったら訪ねてきてください、事件があってもいいようにしてあげますから。」

 そばで旦那さんは何も聞こえていなかったのかニコニコ。名刺もいただきましたがいまはすでにありません。その検事さんもすでに退職し子供さんも社会人となっている、そんな月日が流れましたから。(今は弁護士さんをやっているようです。ああ、あれは弁護士側の見方で言ったわけか、と納得したりして。)

 

 その時は、えーっ、検察官てそんなことできるんかい!などと思ってしまいました。これをもし検察の方が見たとしたら嘘、嘘です、信じないでください。もう、ん十年も前の話ですから、作り話です。

 検事さんのお奥さんからはその後何年か年賀状をいただいていました。これも遠い話です。


秋の日、仲よさそうな二人を見ると気持ちが穏やかになります。

2020年09月27日 | 鳥海山

 いつのまにか秋、という一日。鳥海山のとある場所で見かけた二人。

 みているだけで伝わってくるものがあります。

 またある日、往来もなくなり静かになった午後の登山道で

 夏の終りの日にも一休みする人の姿が。なぜだかカメラを向けたくなり、撮影してしまいました。

 こんな夫婦になりたかったんだけどなあ。


押し買いにご注意

2020年09月23日 | 兎糞録

 押し買い、訪問しての強制買取、こんなド田舎にもその波は及んできます。

 実際電話をかけてくるのは女性です。男がいきなり電話かけてくると警戒して断りますからね。

 我が家でも家人が(半分ボケ始めたようなのだ)電話を取り、ハイハイ着物ありますよ。何日の何時ころなら家にいますよ、と答えたようなのです。しかし、後日本人はなんと回答したか覚えていない。

 母親の残した着物が桐の箪笥の中にごっそりあるんですけど、売るわけないでしょ。人にあげることはあっても知らない業者に売るなんてありえない。

 早速消費者センターに電話しました。断りの電話を入れようにも電話番号を聞いていない。こういう業者は電話番号を言わないんだそうです。電話で口頭で、売買契約になんるのかな、と思って聞いてみたら「なりません。」何をいくつ、いくらで売るかも答えていないのでなりません、との回答。もしやってきたら「お売りするものはありません。」と答えること。遠くから足を運んでいるんだと凄まれたら「おかえりください。」

 はい、ここで立ち去らないときは警察を呼びましょう。刑法130条不退去罪が適用されます。相手も馬鹿ではないですから引き下がらざるを得ません。

 そう、明日やってくる予定でして、明日せっかくの休みなのにこんなものの相手をせにゃならんんか、と思い憂鬱になっておりました。もめごとは嫌ですもんね、不在にしていたらしつこく電話も来るだろうし、つら拝んではっきり言ってやろうと思っていたら、先ほどまた電話がありました。

 「先日お電話で訪問をお約束しておりました株式会社エコロジーの凸凹と申します、明日の、」ときましたね。

 電話がくりゃこれ幸い「はい、お断りの電話を入れようと思っていたのですが、電話番号も聞いていませんし、そもそも着物は私が母親から受け継いだもので家人のものではありません。それは私とともに相続人の姉にすべて渡しました。」

 これで向こうはこれ以上何もすることができません。ざまーみろ。そうか、前の日に再度電話して再確認しておかないと向こうも無駄足になるものね。でも今日家にいて電話を取ったのが幸い、電話にでなければ明日来ていたかもね。

 そう、エコロジーという会社でした。電話を掛けた相手が悪かった、エロジジーだった。はい、おあとがよろしいようで。

 ちなみに検索すると出てきます、悪評が。仙台の業者、電話もかけてみましたが一切通じない。でも電話かけるならこちらを非通知にしないといけませんね。皆さんもご用心、ご用心。