鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

本は向こうからここにいるよ、と呼びかけてくる。

2020年12月29日 | 兎糞録

 皆さんもそんな経験はないですか。

 年末の買い出しに出かけたついで志のない本屋〇〇OFFに寄ったときです。別の本を探していたのですが100円、200円本のコーナーの前を通ると本が向こうから、おれはここにいるぞおっ、と呼びかけてきました。

 二十年ほど前に出版された本ですが現在はほぼ入手不可能。たまに見かけることがあっても売価は五~六千円。この人の書いた本の中にはうちの親の生家の名前も多々出てくるので見かけたときは手に入れるようにしていました。これが210円とは。

 読みかけの本も未読の本も山ほどあるというのに、しかも今年何千冊か粗大ごみとして処分したというのに、本を購入する病気は治りそうもありません。

 CDも同じ経験があります。中古CDの棚から、おーい、おれを聴いてくれ、と呼びかけられた経験、ないですか。ありますよね。

 新宿南口にかつてあったJAZZの中古CDショップ。名前は忘れてしまいましたが(オザワだったか?)そこの棚から一枚のCDが呼びかけてきました。初めていった東京のJAZZ専門の中古CDショップ、田舎者は其処ら中JAZZのCDが並んでいるのにただただ驚くばかりだったのですが確かに向こうから呼びかけてきました。

 そういえば昔、先輩から「ほんとに読みたい本、読むべき本は向こうから存在を呼び掛けてくるんだよ。」と言われたことがありました。

 今日は何回目の経験だったでしょうか。ネット購入では滅多にないですからね、こういうことは。


日本酒・だんご

2020年12月29日 | 兎糞録

 年の瀬になるとなぜか日本酒が飲みたくなります。そこで今日は日本酒を買い出しに。

 白露垂珠(はくろすいしゅ)、鶴岡市の酒ですが、以前アルバイトしていたところの若いお兄ちゃんんが自分の兄がこの酒造元竹の露で杜氏をしているんだとよく自慢していたものでした。当時のアルバイト先の長は正月は仕事を始める前にみんなに御神酒として飲むように勧めるものでした。大変厳しい人で、社員はみなピリピリしていましたが信頼はしていたようです。何故かっていうと、何か事が起こっても責任は自分が負うという人でしたから。俗にいうケツを拭く人でしたからね。今はそういう人はいませんね。責任は人に押し付けるお偉いさんばかり。これじゃ誰もついては來ません。

 ついでに日本酒で思い出しましたが、我々の一つ前の世代でしょうか。工場なんかでは上がり酒といって勤務が終わると湯飲み茶碗に一杯日本酒を飲んで締めたそうです。そのころの新入社員の一日の最後の仕事は茶碗を準備して並べることだったと言っていました。今もどこかに上がり酒の習慣が残っているのでしょうか。

 当時の会社の社長は二言目には「伊達や酔狂で商売をやってんじゃない!」とか「商いとは利を求めてやるもんだ!商法を読め!」と言っていた人ですが、定時を過ぎるとピタッと仕事の話は終わります。飲みに行けば「酒の席で仕事の話は止めなさい。」。ある日、社長と誰かが会社の裏にある飲み屋に定時になる前に飲みに行きました。しばらくすると電話かかってきて「君、今からのみに来い。」「社長、まだ勤務時間です。」「いいから、仕事は誰かに任せて来い。」

 結局飲みには行きましたけど、そんな時代もあったのですね。この社長、桜の季節になると花見を予定していた日より開花が早くなると、花見の幹事に「君、これからやれ」。幹事は大慌て。嚴しいけれど、やることはやる人でしたね。決算時利益が見込まれると、法人税払うよりは従業員に還元しろ、といって臨時賞与を出したものです。だから賞与は年四回。そのあとの社長は真逆。法人税をたくさん払った方がいい、社員にくれると癖になる。社員旅行は取引先から嫉妬されるからやめなさい、などと、これではだれもついてきません。

 いやいや、日本酒が脱線してしまいました。甘いお団子でも食べましょう。

 子供のころは「だんご」といえば「黄な粉だんご」しか知りませんでした。餡団子、みたらし団子なんて売っていなかったですね、今と違って。だんご専門の店もあったくらいです。写真の団子は柔らかくておいしいですよ。三~四人前で540円。フルーツサンドはこうしてみる高いですね。

 

 そういえば酒を買ったところでこんなものを売っていました。

 鳥海山・飛島ジオパークって結局これかよ。まあ、まじめに地質調査などに取り組んでいる人もいるんでしょうけれど究極は鳥海山・飛島を利用した、格好つけたいい方で地域活性化の切り札、早い話が金儲けの道具。ジオパークの審査機関だって金儲け、ISOと同じですね。今年のジオパークの審査で新聞が報道したのは観光地を巡る審査員たちと誘導者。審査するほうも楽だわ、こりゃ。ジオパークだって経費ばかりかかって儲けにならなければ自治体は継続するはずがありません。

 「鳥海山は、人間社会の思惑とは無関係に、ただ聳えているだけであり地域活性化の切り札ではない。」との一文に共感する人は少なからずおります。


大物忌神社吹浦口之宮に年の暮れのご挨拶

2020年12月26日 | 鳥海山

 来年はお世話になりますと、吹浦の大物忌神社まで。

 拝殿まで登って行ったら雪になりました。拝殿から登廊(のぼりろう)で繋がれた玉垣の中、東側、写真では右に屋根が少し見えているのが大物忌神社本殿です。一般の人はそこまで入っていくことはできません。西側、左手に見えるのが摂社月山神社(つきやまじんじゃ)本殿です。

 両神社とも造りも大きさも同じ一間社流造です。

 玉垣越しに撮影したものですが屋根の曲線が見事ですね。蕨岡大物忌神社の高床造りの豪壮な建築と比べてみると名前は同じ大物忌神社でも両口之宮の性格もかなり違うのではないかと思われます。

 帰りに熊手と今は河原宿に存在しない箸王子神社の御朱印をいただいてきました。もちろん有料です。

 

 七合目河原宿箸王子神社となっていますけど、現在は河原宿参篭所は廃止。箸王子神社は吹浦に遷座しているとのことです。

 

 ところで、山好きの方ならご存じでしょうけれど、甲斐駒ヶ岳七丈小屋のHPは素晴らしいですね。山への取り組みも素晴らしいです。

 甲斐駒ヶ岳も信仰の山ですが、地元の方々の信仰を大事にしている様子も七丈小屋で紹介しているのが動画サイトでみることができます。

 また、七丈小屋のHPでオンライン販売の甲斐駒ヶ岳ロックグラスはいいですね。そのページ下には興味深い誕生までのエピソードへのリンクもあります。大変面白いのでぜひご一読ください。

 それに比べると、大物忌神社のHPは、評価は差し控えます。一度訪問すれば二度は。

 甲斐駒ヶ岳、もう一度登ってみたい山の一番目です。

 

 


竹ジョンバ、ジョンジョロ連

2020年12月25日 | 兎糞録

 雪も溶けてしまいましたが雪で道路が白くなると子供のころの雪遊びを思い出します。

 子供のころ、男の子は竹スキー、あるいはミカンの箱の底に竹スキーを打ちつけた橇を親に作ってもらい滑って遊んでいました。段ボール箱じゃないですよ、そのころは林檎も蜜柑も木の箱でした。

 で、女の子は、これが画像も残っていないのですが、インターネット上にも見つけることができませんでしたが、竹ジョンバというものをはいて凍った道路を滑るものでした。現存しているものはあるのでしょうか。

 どんなものかといえば、まず太めの竹を足のサイズより大きめに切ります。それを半割にして丸い側に鼻緒をつけたものです。

 

 ……探してみたら、あるものですね、一件だけありました。竹下駄で検索したら出てきました。

(写真は「あかつき太郎之町家日記」様より了承をいただいて掲載しております。)

 竹下駄という名称であかつき太郎の町家日記さんで紹介されていました。これをこっちの地方では"竹ジョンバ"と呼んでいたのです。男の子は履きません。女の子が数人でこれを履いて肩に手をかけ連らなって道路を滑り歩くのです。それをジョンジョロ連と呼ぶというのは当時滑っていたおばさんから聞きました。(当時おばさんでなくて、今おばさんで当時は少女です。※注:「当時は女の子」と書くと、女の子はいくつになっても女の子なの、と言われるんです、私とそう年の違わない"女の子"から。)

 もう六十年にもなろうとする昔の事なので記憶にある人も少ないようですし、格好悪いと思ったものはなかったことにしようとするためか、記録はどこにも見つかりません。こういう身近なものの記録こそ残っていてほしいものです。


来年は鳥海山中でこれで豆挽いて珈琲を飲みましょう

2020年12月23日 | 鳥海山

 DAISOに寄ったらこんなものが。

 コーヒーミルは電動1台、なぜか手動も2台あるけれど、山へもっていくには大きすぎる。もちろん電動は山では使えません。小さいのがDAISOにあるとは聞いていたけれど、たまたまあったので買ってしまいました。

 外へ遊びに行くときは挽いた豆を持って行ってたのですが、いくら密封していてもなぜかばらけてしまう。なら今度はいっそ豆でもっていこうなどと考えたのであります。山でガリガリ挽いてドリップ、至福のひと時ですねえ。昔は山では必ず酒、でも今は酒気帯び運転になるから日帰りの時は山で酒を飲むのを止めましょう。あ、ミル本体はこんなものです。

 上のつまみを緩めるとハンドルはスライドして収納の邪魔になりません。

 

 ヤフオク、メルカリを見たら結構高値で売っているんですね。準転売でしょうか。メルカリだと送料、これだと安くて630円でしょうか、それに出品手数料10%が販売価格に含まれるので通常の売価で売っては赤字ですしね。箱代、梱包材入れて1,300円で出品してトントンといったところでしょうか。ヤフオクだって会員なら出品手数料は8.8%、送料落札者負担、ということはいくら儲けようとしているかはわかりますね。いらないから売るのか、転売して利鞘を稼ごうとしているのか、現行商品の販売はすぐにわかります。

 

 まだ数台販売してましたがさすがに転売して稼ごうとは思いませんでした。