鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

万年雪の融水で作る素麺は最高

2019年07月26日 | 鳥海山

これも河原宿での一コマ

素麺の上に乗っているのは鰻の蒲焼、ほぐしたもの。

我々はこれを「ウナソーメン」と呼んだ。

冷たい雪解け水で洗うと下界で食べるのとは比べ物にならないほどうまい。

素麺というものはある程度食べると飽きてしまうものだけど、このウナソーメンはあっという間に無くなった。

素麺にしたのは湯で時間が短くて済むから。この後の回は蕎麦を茹でてみた。

期待にたがわず、茹でてよかった。

この時、雪渓の雪融けの流れの対岸にいたグループ、こちらを見て歓声をあげた、「わー、美味しそう!」

もちろんご馳走しました。

 

おまけ

もっと上に行けば鳥海薊の群落が。

鳥海山の高山植物もポジでかなりあるので、現在スキャン中。

百名山にとらわれて、ただ山頂を踏むことにのみ夢中になっている方には絶対に見ることのできない高山植物の群落も登山ガイドにのっていないところにあります。

その場所は自分で見つけるのがいいでしょう。


続・河原宿

2019年07月15日 | 鳥海山

今日も暑い暑い、鳥海山は半分雲の中。

少しづつ古い写真をスキャンし始めている。

河原宿までは、今でこそ車道終点はかなり上の方になり、全舗装となっているがン十年前は終点はもうちょっと下でかなりの距離が未舗装だった。

とはいえ、それ以前は、自分が初めて歩いたころは湯ノ台鉱泉から鳳来山目指し、横堂を通って東物見、西物見を経由、やっと滝ノ小屋までたどり着いた。

その頃は横堂はまだ建物は残っていた。知人は同守がいた頃も知っていた。何せその人は御浜の小屋で囲炉裏に這松を燃やしていたのを知っていたくらいだから。

滝の小屋から先、八丁坂、真夏の百花繚乱、

どうです、登りたくなりますね。花の名前全部言えますか。

河原宿の小屋の前は日光黄萓の大群落、写真はその一部。

笹の勢いに負けてだいぶ少なくなってきたが、今はどうだろう。

知り合いが一時エンジン草刈り機でかなりの範囲笹を刈り払い、その翌年は息を吹き返したが、

古い地図を見ると、そのあたり、昔は国鉄のキャンプ地となっていた記憶がある。

たまにキャンプしようとする者がいたが、今は鳥海山すべてキャンプ禁止である。

とある年、河原宿の小屋に泊まっていたら夕方、中年の男が若い女性を伴いやってきて小屋の管理人にキャンプ地を尋ねた。

もちろん管理人はキャンプ禁止である旨伝えたが、男は鼻で笑って去っていった。

その夜、ものすごい豪雨。

夜半、小屋の戸を激しくたたく音。

さっきの男が、「泊めてくれ、俺は大丈夫なんだが、彼女が怖いからどうしても小屋に泊まりたいというもんだから。」

これは男ではないね、こういう人は山に来てはいけません。

営業していたころの河原宿小屋の内部です。

写真奥が神様を飾ってあるところと管理人の常駐所、売店もありました。

小屋の右手にはお風呂もあり(水は前の川から汲んでくる。)ひと風呂浴びながら見る夕方の景色は最高でした。

発電機もあったけれど、照明は灯油ランプ。昼はランプのほや磨き。

吊るしたランプの下に何本かのビニールひもの束。

これがあると先に下を通った人の頭がビニールひもに触れて頭を直接ランプにぶつけなくて済むのだそうです。

こういう小さい小屋でもう一度ゆっくりしたいものです。


河原宿でのんびりしたいな~

2019年07月13日 | 鳥海山

古いEPSONのスキャナーでポジフィルムをスキャンしてみたが調子悪くてなかなかスキャンできない。

少しばかりスキャンしてみた。

この川の前にあった河原宿の小屋は東日本大震災を口実に閉鎖されてしまった、

実際のところは採算が取れないためらしいが。

箸王子神社といって由緒ある神社なんだけれど。

※ 本来の箸王子神社は横堂らしい。古い箸王子神社の写真を見ると横堂のようだ。

湯の台口を登る登山者にとっては絶好の一服場所でありました。

この写真の場所からもう少し歩くとそこの雪解け水はもっと冷たい。

一昔前はみんなそこでビールを冷やし、そうめんを茹でてのんびりしたものだった。

帰るころには酔いもさめるなんて言って。

今はやりませんよ、絶対。

そこには

 そう、青の栂桜(アオノツガザクラ)が群生しているんです。見事ですよ。

もう一つ、鳥海山で好きな花がこれ、

雛薄雪草 ヒナウスユキソウ、ホソバだかミヤマだか、どっちでもいいですけど、

この花、河原宿には咲きません。

象潟口、御浜を過ぎて扇子森までいかないと見ることはできません、しかも七月の末だけ。

鳥海山ではそこ一か所しか咲かないと思います。

若し鳥海山でほかに咲いている場所がありましたらお教えください。


山頂を目指すのもいいですけど、あちこち花や景色をゆっくりと目に焼き付けて歩くのもいいものです。