鳥海山関連の本はもちろん鳥海山をキーワードに探すわけですが、今回は探すときの盲点でした。何せカテゴリーが常時検索条件としているものと全く別のところにあったのですから。神保町の古書街を歩いてもたまにしかいかない者にとっては目当ての本を探すのは難しいですし、万が一あったとしても非常に高価なものとなります。これが、インターネットの場合、思いもよらないものが思いもよらない価格で出てきます。
〇〇OFFの場合は、ISBN、バーコードのないものは基本買取しませんし、稀に買い取ることもあり、店頭に捨て値で出ることもあるようですけれど期待はできません。後は「日本の古本屋」というサイト、Amazonnにもたまに希少本が出ますが恐ろしい値段が付けられていることがほとんどです。
今回手に入れた本の筆頭が何度も紹介している橋本賢助「鳥海登山案内」、原本です。拝借したコピーは原書かなり劣化していて文字の判読が困難な個所がいくつもありました。特に、公卿の官職、公卿名が記載されているところはこちらに詳しい知識がないもので文字の判読が出来ないところが多々あります。大物忌神社の宝物のところにそれが出てくるのです。どうでもいいと思う方もいらっしゃるでしょうが、調べているとそうはいかなくなるのです。現在暇を見ながら(暇なんですけど)PCで閲覧できるようにコピーをPDFに変換し、それを文字化している最中ですがこれでだいぶ精度が上がります。(PDFを文字にするのはGoogle Driveを使用すると無料で出来ます。)
現在入手できるどの登山案内よりも読みごたえがありますし面白いです。頁数にしてわずか116頁、それでも中身は今まで読んだ鳥海山について書かれたどの本よりも優れています。
もう一冊が斎藤重一「鳥海山」、この本も幻の本です。出版社の「なんば書房」がまず検索しても出てきません。ずっと調べていた破方口が当然誰もが知っている場所の様に何度も登場してきます。また、地名の読み、秋田の方がよく御田は「おだ」だといいますが、同じ秋田の斎藤さんは「おた」であるとはっきり表示しています。康新道も"やすしんどう"と"し"を一つ省略して言うのだと思っていたらちゃんと"やすししんどう"とルビが振ってありました。
何よりもこの本がすごいのが「鳥海山の自然をまもるとりくみ」の章でのその思いの強さです。冒頭でもスノーモービルの自然におよぼす悪影響について述べていますがこの本が出版されてからかなりの時が立つというのに自然保護が以前より良くなっていると思われないのはどうしたことでしょう。
そうそう、もう一冊、「史跡鳥海山 -国指定史跡鳥海山文化財調査報告書-」平成26年に由利本荘市、にかほ市、遊佐町が共同で編集・発行したものですが探しても見つからず、もしやと思い遊佐町に問い合わせてみたらなんとありました。しかも価格はびっくりするほど安い。
個人では調べようのないことが沢山記載されています。ただし、書かれていることがすべて間違いないかといえばそれはありません。