鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

鳥海山の地名 御峯口、破方口

2023年01月31日 | 鳥海山

 山の地名も面白いもので、出来上がった名前にあとから適当な由来が付け加えられますが最初は見た目で名付けられます。

 鳥海山の名前についても諸説山ほどありますが、大昔は北山きたやま飽海ケ嶽あくみがたけ鳳鳥海山ほうてうかいさん北仙ほくせんたけ、北の山等の名前で呼ばれていました。ここで取り上げるのは鳥海山そのものの呼び名ではなく、その中の地名です。
 
 御峯口、破方口、ともに七五三掛連嶺即ち外輪山のうちのそれぞれ一つですが今は地図にも載っていないし知る人もいません。破方口は誤って記載されていますがまずは御峯口について。
 前回引用させていただいた地図に破方口は載っていますが御峯口は載っていません。
 
 清吉新道を開鑿した斎藤清吉さん、池昭さんのお弟子さんでわたしの大先輩の方は「清吉さんが お峯口と言っていた」ことを教えてくれましたがその御峯口がどこを指すのか具体的に場所を書いてあるものがありません。御峯口の名前が登場するのは次の通りです。
 
 太田宣賢「鳥海山登山案内記」には

 「伏拜既に塵寰にあらず〇御峯の如きは人をして羽化登仙の感あらしむ〇行者嶽の岩頭は役の小角が道路を通したる紀念として自其像を刻たるものなりと傳ふ風雨蝕して古香高し此より左折鐵梯に緣り千歲が谷(せんざいがたに)に下れば陰崖幽暗人をして悚然として毛髮を竪立せしむ」

 とあります。七五三掛連嶺を歩き伏拝と行者岳の中間であることがわかります。
 
 ※ 千蛇谷は近年の呼び名、江戸時代には千載ヶ谷、千歲ヶ谷と呼ばれていました。おそらく仏教からくるものではないでしょうか。のちには仙者ヶ谷とも書かれるようになりました。古の噴火で大蛇が流れた、といったのを形容して千蛇谷と名付けたのではないことがわかります。
 
 また橋本賢助「鳥海登山案内記」には次のように書かれています。

「山中第二の高點たる七高山を始め 、行者嶽・伏拜嶽・文殊嶽・御峰(おみね)等は皆此外輪山を形成する山々である。先づ七高山の頂から火口原を見下せば、新山との間に出來た雪田が分水嶺となって、東北に下るのが破方口(はほうぐち)、西北即ち左方に降下したのが仙者谷である。」


 今度は位置関係がわからなくなってしまいます。しかしながら御峯口は一つの山であることがわかります。後半、破方口が谷であるかのように誤って書かれています。姉崎岩蔵「鳥海山史」は橋本賢助の丸写しですのでこの破方口については過ちをそのまま引き継いでいます。

 ついで斎藤清吉さんが書いたものには何か所か御峯口が登場します。


  • 薊坂の急坂を登り、お峯口から七高山を経て新山(頂 上)に着いたら六時半だった。
  • 外輪の御峯口の下百メートルの所に、這松が少し頭を 顕している所があるので、そこで大休止。
  • 鳥海君は、御峯口から単独行動で、外輪の道を西に降 りて行った。 

 薊坂を登りきると伏拝ですからやはり御峯口は伏拝の先、行者岳の手前のどこかであるようです。

 破方口については何度も書いていますが続きは次回。

 
 

山の遭難

2023年01月29日 | 鳥海山

 これはあくまで冗談話です。まじめに取らないでください。


「大変です、遭難者です。」

「男か?女か?」

「男です。」

「おーい、だれか行くやついねーかー。」

 

「また遭難者です。」

「男か、女かー」

「はい、今度は若い女のひとです。」

「ウォーっ、俺が行くー!」

「いや俺が先だーっ!」

 

「また遭難者です。今度も女の人です。」

「よしみんな行くぞーっ!」

「あのー、おばあちゃんです」

「待て、一服してからだ。」


 といったことは絶対にありませんのでご安心を。遭難対策はしっかりして登りましょう。


昔のラッパ吹きは今も夢を見る

2023年01月29日 | Jazz

 昔はトランペットでトリプルC(ツェー)を出してみたり、でも演奏する才能は全くなかったようで、いまでは歯も壊れ再起不能の Chet Baker もどきです。そんな日に見つけたのがこれ、

 なんとなく本物に見えます。

 ウオーターキー、1番スライドトリガー、3番スライドトリガー、フィンガーフックすべて完備。これで僅か12cmしかありません。


鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更案の概要

2023年01月28日 | 鳥海山

 平成20年の環境省の資料に「鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更案の概要」というものがあります。

 ホームページ上の資料で発行元も日付もない状態で閲覧可能な状態になっているのですが、URLを見ると
https://www.env.go.jp/press/files/jp/10170.pdf となっているので環境省のものということがわかります。そこでhttps://www.env.go.jp に飛んで調べると概要が判明します。

 面白いですね、大清水の避難小屋は撤去されています。仙ヶ洞に避難小屋があったとは初耳です。ソブ谷地野営場も出ていますね。

 「蕨岡口鳳来山線 : 駒止から鳳来山までの登山道として整備する」と計画にありました。旧登拝道でしょうか、ソブ谷地経由の道でしょうか。旧登拝道が整備されるといいですね。


西ノコマイ

2023年01月27日 | 鳥海山

国土地理院に問い合わせた結果このようになりました。


 国土地理院1/25000地形図より

 遊佐町に何度問い合わせても一切返事なし。国土地理院が問合せした結果従来の「南ノコマイ」の記載は「西ノコマイ」が正しいと再申請。ただし文字を「西河前」と歴史的に使用されない文字で申請。読み方は「ニシノコマイ」であると。


 国土地理院に「西河前」では読めないでしょう、百宅には(ももやけ)と仮名が降ってあるのでこちらにも仮名を振ってくださいと投稿した結果仮名がフラれるようになりました。


 「山と高原地図鳥海山」は昭文社が執筆者の斎藤さんを通じて遊佐町に照会した結果「~ノコマイ」の表記が正しいとの回答あり、次回より「西ノコマイ」「中ノコマイ」「南ノコマイ」と記載されるそうです。遊佐町は個人の問合せには一切回答しませんが肩書があれば回答するということが判明しました。