初めて矢島口から登った時は、中島台林道も未舗装だった。一人で車を走らせながら、道を間違ったんじゃないだろかと思いながら。
9月、この時も休日にもかかわらず、誰とも会うことなく山頂まで行った。
舎利坂の鎖をつたいながら七高山へ。
帰りは康新道を歩いてみようと足を踏み入れた。
再度下りに利用した時は整備されていたが、その時は七高山直下は荒れており崖伝いに岩にへばりつきながら降った。足元の安全を確保するのに夢中で景色なんかまるで目に入らない。でも、岩に張り付くように群生する鳥海衾、岩袋の群生は見事だった。
足元が安全と思えるところまできてほっとして山頂を振り返ってみると、そこには今まで見たことのない鳥海山の姿があった。
この景色を過ぎると崖沿いのなだらかな道となる。途中地面に丸い穴が開いていてなんだろうと思って傍によってみると、その穴から風が吹きあがってくる。崖沿いにのぞき込むと、なんとその穴の下は崖がえぐれている。道理で風が来るわけだ。今もあるだろうか、もしかして崩落してしまっているかもしれない。
そこを過ぎれば道は右へ、ほぼ等高線沿いになだらかに七ツ釜上部の康新道分岐へとたどり着く。あとは祓川まで休むことなく降る。
康新道は降りに歩くのがいいような気がする。足に自身のある方は歩いてみてください。自分は大きい病気もやっているのでもう無理だろうなあ、でもいつか。