27日のブログで『パラレルワールド』の本を読み始めたと言いましたが、それがとてもぶ厚くて、字がぎっしりでとてもすぐには読み終えそうも無いので(笑)、先に別の本をご紹介します。
こちらの方は、私にとって今(宇宙のことよりも!?)最も切実で興味のあるテーマである「住まい」の話です。
『日本人はどう住まうべきか?』(日経 B P 社)
養老孟司さんと隈研吾さんによる対談です。
養老孟司さんは解剖学や「虫取り」の研究で有名な方ですが、ものの見方や考え方がとてもユニークで、私はとても尊敬しています。何かに行き詰まった時など、この人の本を読むといつもほっとします。
また、隈研吾さんは、たまたま知ったのですが、つい最近披露された「新歌舞伎座」の設計(建て替え)を担当された方で、世界的な建築家です。
このお二人は同じ学校(中、高、大学)の先輩、後輩として、またなぜかお互いにウマの合うところが多いそうで、この対談も双方共になかなかに話がはずんで随所で盛り上がり、読んでいてとても楽しかったです。
この本の帯には、
都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。
21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。
という問いが掲げられています。
私も実を言うと「自分個人の住まいをこれからどうするか?」という具体的な答以上に、もっと大きな視野や深い視点から眺めて、「どういうふうに考えたら、そしてどこにどういう住まい方をするのが、幸せになるコツなのだろう?」ということを知りたくなったのが、この本を読みたく思った理由です。
それは、何度もこれまで話したことですが、私自身が阪神淡路大震災の経験から感じたことでもあるのです。
そして「衣・食・住」と俗に言われますが、中でも最も基本になるのは「住」では無いかと、その時につくづく思ったのです。
結論から先に言いますと、お二人は「だましだまし」や「ともだおれ」の思想、そして「参勤交代のススメ」などを提案しておられます。
詳細は本を読んでいただくとして、この「だましだまし」(なだめすかしつつ暮らす)の知恵については、田辺聖子さんもよくおっしゃっておられたことを思い出しました。
「参勤交代」というのは、言わば「二地域定住」のように、田舎と都会を往還して暮らすというような考え方です。
そのようなお二人の考え方の中でも私にとって最もチャレンジだと感じたのは、「ともだおれ」の思想です。
これはほんとうに人と人との関わり方、仕事でも何でもそうですが、要するに一生を通じての付き合い方のその根本になるものだと思いました。
隈研吾さんには『負ける建築』という著書もあるそうですが、ぜひこの本も読んでみたくなりました。
要するに「ともだおれ」の思想というのは、自分だけが得をしようとか、そういったことでは無く、また建築においても、環境や風土に「打ち勝つ」とか克服するのでは無く、むしろ「負ける」方がいいのだという彼の考え方は、見事な発想の転換です。
自然と「共存共栄」というよりも、自然に上手に「負ける」(もともと勝てっこ無いのだから、、)という彼の建築のあり方を知って、新鮮な驚きと同時に大きな示唆を得ました。
もしかしたら人生においても同じことかもしれませんね♪
勝たなければ、成功しなければ、うまくやらねば、、、OOに「負けたくない」というような、そういう発想では無く、「そうか、負けていいんだ!」と、何だか心が安らかになりました。
それは負けたことをしぶしぶ認めるとか、夢をあきらめるというような、そういう消極的なことでは決して無く、もっと積極的な「負ける」(勝とうとしない)なのですね。
また、養老孟司さんは、ラオスがお好きだそうですが、そういうラオスやブータンのようなあり方を、今後の日本がしていけるといいなと思いました。
最後に隈研吾さんの言葉をご紹介します。
『人間は死ぬんだから、生きてるうちは笑うしかないんです』
「住まい方のヒント」を得るつもりで読んだ本ですが、素晴らしい「生き方のヒント」を得ることが出来、読み終えて勇気と元気が出ました。
お二人に感謝です。
こちらの方は、私にとって今(宇宙のことよりも!?)最も切実で興味のあるテーマである「住まい」の話です。
『日本人はどう住まうべきか?』(日経 B P 社)
養老孟司さんと隈研吾さんによる対談です。
養老孟司さんは解剖学や「虫取り」の研究で有名な方ですが、ものの見方や考え方がとてもユニークで、私はとても尊敬しています。何かに行き詰まった時など、この人の本を読むといつもほっとします。
また、隈研吾さんは、たまたま知ったのですが、つい最近披露された「新歌舞伎座」の設計(建て替え)を担当された方で、世界的な建築家です。
このお二人は同じ学校(中、高、大学)の先輩、後輩として、またなぜかお互いにウマの合うところが多いそうで、この対談も双方共になかなかに話がはずんで随所で盛り上がり、読んでいてとても楽しかったです。
この本の帯には、
都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。
21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せだろう。
という問いが掲げられています。
私も実を言うと「自分個人の住まいをこれからどうするか?」という具体的な答以上に、もっと大きな視野や深い視点から眺めて、「どういうふうに考えたら、そしてどこにどういう住まい方をするのが、幸せになるコツなのだろう?」ということを知りたくなったのが、この本を読みたく思った理由です。
それは、何度もこれまで話したことですが、私自身が阪神淡路大震災の経験から感じたことでもあるのです。
そして「衣・食・住」と俗に言われますが、中でも最も基本になるのは「住」では無いかと、その時につくづく思ったのです。
結論から先に言いますと、お二人は「だましだまし」や「ともだおれ」の思想、そして「参勤交代のススメ」などを提案しておられます。
詳細は本を読んでいただくとして、この「だましだまし」(なだめすかしつつ暮らす)の知恵については、田辺聖子さんもよくおっしゃっておられたことを思い出しました。
「参勤交代」というのは、言わば「二地域定住」のように、田舎と都会を往還して暮らすというような考え方です。
そのようなお二人の考え方の中でも私にとって最もチャレンジだと感じたのは、「ともだおれ」の思想です。
これはほんとうに人と人との関わり方、仕事でも何でもそうですが、要するに一生を通じての付き合い方のその根本になるものだと思いました。
隈研吾さんには『負ける建築』という著書もあるそうですが、ぜひこの本も読んでみたくなりました。
要するに「ともだおれ」の思想というのは、自分だけが得をしようとか、そういったことでは無く、また建築においても、環境や風土に「打ち勝つ」とか克服するのでは無く、むしろ「負ける」方がいいのだという彼の考え方は、見事な発想の転換です。
自然と「共存共栄」というよりも、自然に上手に「負ける」(もともと勝てっこ無いのだから、、)という彼の建築のあり方を知って、新鮮な驚きと同時に大きな示唆を得ました。
もしかしたら人生においても同じことかもしれませんね♪
勝たなければ、成功しなければ、うまくやらねば、、、OOに「負けたくない」というような、そういう発想では無く、「そうか、負けていいんだ!」と、何だか心が安らかになりました。
それは負けたことをしぶしぶ認めるとか、夢をあきらめるというような、そういう消極的なことでは決して無く、もっと積極的な「負ける」(勝とうとしない)なのですね。
また、養老孟司さんは、ラオスがお好きだそうですが、そういうラオスやブータンのようなあり方を、今後の日本がしていけるといいなと思いました。
最後に隈研吾さんの言葉をご紹介します。
『人間は死ぬんだから、生きてるうちは笑うしかないんです』
「住まい方のヒント」を得るつもりで読んだ本ですが、素晴らしい「生き方のヒント」を得ることが出来、読み終えて勇気と元気が出ました。
お二人に感謝です。