最近というか、年々料理が手の込んでいないものになっています。
子ども時代は本で読んだ未知の料理にすごく憧れましたね。「あしながおじさん」なんかそんな料理がめじろ押しで、当時は謎の食べ物がいったいどんな味なのか、想像するだけで
楽しかったものでした。
大人になるにつれ、そうした憧れの食べ物を自分で作ってみたいと思うようになり、スパイスやハーブなどから揃えたりして、出来るだけプロの味に近づきたいと努力したり。
単に食いしん坊なだけなんだけど、母親になったら手作りのクッキーやケーキを焼いたり、簡単なおやつを作ったりもしていました。
それが今ではお菓子やパン作りはほとんどやらなくなりましたね。特にふたり暮らしになって消費する人が少なくなってから。
日々の料理は作るけれど、味つけなどもごくごくシンプル。調味料もほぼ定番のものしか置いていません。ハーブなんか結局使い切れなくて場所ふさぎになるだけから。
今や冷蔵庫のドアポケットは隙間だらけになって、マヨネーズやケチャップが立っていられなくなっています。それはそれでちょっと厄介なんだけど。
年に一度くらいしか作らない料理も、2年に一度くらいになったり。私の場合、コロッケがそうですね。畑でジャガイモ作ったのに、結局今年はそのジャガイモがコロッケになることは
ありませんでした。
自分で作るコロッケは肉屋さんとかレストランで食べるそれとは違うおいしさなんだけれど、なにしろ手間がかかるんだもの。
そのコロッケ同様、いやもっと作らなくなっていたのがグラタン。
家族が多いときには一度にオーブンで焼けなかったということもあるけど、なんだかちょっと面倒くさいと思う料理ではあったんです。
が、急に食べたくなったんですね。これが。
畑で採った、ちょっとよれっとした小松菜が結構ありまして。寒さに遭って苦みも強めだし、ちょっとこってりした料理なら合うかも、と考えたらグラタンが浮かんだ、というわけ。
シチューに使おうかなと買ってあった生クリームもあったので、昨日久しぶりに作ってみたのがこちら。
もっとたっぷりチーズがのせたかったな、こうして見ると。でも脂肪分を考えるとこれくらいでOKでしょう。
具は鶏もも肉と小松菜とカボチャ。カボチャも4分の1カットのものの半分が残っていたので、残務処理として加えました。
鶏もも肉は予め塩コショウで下味をつけて、ゆでた小松菜とレンチンカボチャとソテーして。小松菜をゆでたのは、収穫後時間が経って水分量が減っていて、生のままだと焦げつき
そうになるから。
写真を見て、ホワイトソースがやけに白いと思った人もいるかもしれませんね。そう、白いんです。ホワイトソースだから当然だけれど、これ米粉と牛乳で作ったものだから。
息子が小麦と運動からのアレルギーではないか、というアナフィラキシーショックを起こしたことがあり、当時は小麦を使わないようにそれは気を遣って料理をしていました。
結局小麦疑惑はグレーのままなんですが、その後も我が家では小麦粉より米粉を使うことが多いです。早くからグルテンフリーをやっていたってことですね。
てんぷら粉などはやっぱり小麦のほうがいいなとも思いますが、クリームシチューなどはずっとルーなど使わず、米粉と牛乳、仕上げに生クリームで作っています。
ホワイトソースを米粉で作るのは初めてだったけれど、かなり適当にやっても出来ましたよ。牛乳200ccに大さじ2くらいの米粉を入れてよく混ぜてレンチン加熱。600ワットで
まず1分。よく混ぜて追加で30秒。それでもとろみが足らないような気がしたので米粉を1さじ追加してさらに30秒加熱。加熱のつどよくよく混ぜるのが大事で、うっかりとろみに
むらが出来てしまうところでした。
ソースが出来たら具と容器に入れてピザ用チーズをのせてオーブントースターで。途中チーズの焦げる幸せな匂いも漂ってきました。
写真のグラタンはこれで二人分。二人分としては少々多めだったけれど、ぺろりと食べちゃった。
ホワイトソースを作ったのもグラタン皿もどちらも耐熱ガラス製。ホワイトソースはマグタイプの計量カップで牛乳を量ってそこへ米粉を混ぜてレンチンまで済ませてしまえて、
とても便利。グラタン皿に使ったのはポリプロピレン製のふたがついていて、食品保存にも使えるもの。かなり昔に買ったものですが本当に間に合う道具だなと思います。
米粉を使ったホワイトソースやシチューは、バターを使わない分脂肪をカットできるところもいい。生クリームは使いますが100cc入りのもので充分なので、私のような高脂血症でも
あまり罪悪感なく食べられます。おいしく出来たから、冬の間にもう1回くらい作ろうかな。