昨日夕方、何気なくテレビのスイッチを入れたら、大写しになったのが「光る君へ」で前日放送された一条天皇の崩御のシーン。
頭丸めても美しいひとは美しいよなぁとまたうっとりしていると、そのうち演じていた塩野さんのインタビューが始まりました。
夕食の準備も一段落したところだったので、ついそのまま観てしまいましたけど、こういうのって引き寄せって言うのかしらね。全然知らなかったし、普段は
そんな時間にテレビをつけることはほとんどないんだもの。
そんなふうに興味のあることや好きなものに関する情報が思いがけずふと手に、または目に入ることがたまにあります。心にそういうものを捕まえるネットが
あるのかもしれない。
さて今も傍らにコーヒーの入ったマグカップを置いてこの記事を書いていますが、昨日夕方ふと思い出したのが珈琲専門店のこと。
70年代後半の、私が高校生時代に珈琲専門店のブームがありました。全国的なものかどうかまでは覚えていませんが、名古屋市内のそうしたお店を紹介する本を
持っていた記憶があります。
今よく見かけるカフェのチェーン店とは違って、落ち着いた雰囲気。でもいかにも昭和の喫茶店というのとも違っていたように思います。
小学校中学校の同級生で別の高校に通っていた子から、何かの折に連絡をもらってそうした珈琲専門店に行くようになりました。家からバス停で5つほど
離れた隣の区にその店はあって、バス代の節約のために歩いて行ったこともしばしば。20分くらいで着くのでいい運動でしたね。自転車に乗れなかったのが
大きな理由でもありますが。
それほど頻繁にではないものの通うようになった理由が、そこでアルバイトをしていた人にほのかな恋心を抱いたから。今思うとそんな頃が青春真っ只中でした。
もちろん恋が実ることも告白することもなくその人は辞めてしまったけれど、その後もたまにその店を訪れていました。コーヒーをブラックで飲むように
なったのはそんな頃から。
そのお店で好きだったのが、サイフォン式で淹れたアメリカンとアイスココア、そしてチーズトースト。
ココアをアイスで飲むなんて、その時まで考えたこともなかったのですが、シェイカーにココアパウダーと牛乳と氷を入れてシェイクして、上にホイップ
クリームを絞り出して。マイルドでとてもおいしくてびっくりしたことを思い出します。
そしてチーズトースト。今のようなスライスチーズはまだなかったか覚えていませんが、昔からあるプロセスチーズをスライスしたものをパンの上にのせて
そこへマヨネーズを細く絞りだしてからオーブントースターで焼いたもの。
当時市販のマヨネーズには細く絞り出すことが出来なかったし、焼けたマヨネーズの香ばしさにこれまたびっくり。プロセスチーズも焼くとこんなに味わいが
変わるんだ。
その後しばらくして買いました、オーブントースター。そして家でもよくやりましたね、チーズトースト。
実はマヨネーズにはあまりよくない思い出があって、それまでそんなに好きではなかったんですがここで開眼した感じ。でも今でもそれほどマヨネーズは
使わないんです。
昨日の晩ごはんに鶏むね肉のマヨパン粉焼きを作っていて、このチーズトーストのことをふと思い出した、というわけ。
うちの子どもたちもパンにスライスチーズとハムをのせてマヨネーズをかけてトーストしていました。息子はハムチーズマヨと呼んでいましたね。
ちなみにカットしたプロセスチーズをのせてトーストしたものを食べると、チーズがよく歯の裏側にくっついたような。あれはあまりうれしくはなかったな。
でも書いているうちに食べたくなってきました。とろけるチーズでもなくスライスチーズでもない、あの味が忘れられないのです。