たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

化学物質過敏症 <元社員が検査業務で化学物質過敏症に>のNHKニュースに懐かしい顔を発見

2018-07-03 | 企業活動 コンプライアンス 公正取引

180702 化学物質過敏症 <元社員が検査業務で化学物質過敏症に>のNHKニュースに懐かしい顔を発見

 

今朝少し寒さを感じて、4時少し過ぎに目覚めました。ふとW杯サッカーの試合はどうなったかなと思いましたが、外を見ると朝焼けが見事で、久しぶりに美しい紅色に染まる山肌を見て感激でした。とはいえ、起きて写真を撮るほどの元気はなく、横になったまましばらく佇み、再び寝てしまいました。

 

6時前に起き出し、関口知宏のNHK中国36,000km最長片道ルートの鉄道旅を最終回を見ました。関口さんは母親の西田佐知子さんの面影よりは父親の関口宏の外観に近い印象ですが、両者の華麗さとは少し違う彼独特のセンスが魅力的です。最終回が終わったら、こんどはヨーロッパ・オランダの鉄道の旅が始まり、これも面白いです。

 

そんなわけで、サッカーの試合の行方は多少気にしつつも、NHK地上デジタルニュースを見たときには、結果だけ分かり、ベスト8を逃したとのことで、残念と思ったら、ウェブニュースで、最初2点をとってリードした途端に同点に追いつかれ、延長間際に逆転されたと言うことで、惜しい試合の流れでした。試合を見ていた人たちは興奮し、がっかりしたでしょうね。でも素晴らしい試合だったわけです、格上チーム相手によく頑張ったと褒めたいですね。

 

さて、昨夜のローカルニュースを見ていて、花王の和歌山工場で化学物質過敏症被害を受けた労働者が訴えた判決を報じるものでしたので、和歌山地裁か、だれが担当したのかと興味本位に見ていたら、東京地裁なんですね。それで担当弁護士はと見ると、神山美智子さんと中下裕子さんでした。後若手の弁護士がいましたが、私の知らない方でした。

 

神山さんは東京弁護士会で、50年以上「食の安全」を中心に公害環境・消費者問題に取り組んできた先達ですね。穏やかでユーモアがあり、他方で信念を貫く強靱な意志をもち、この分野で先進的な取り組みをしてきたリーダーの一人と言っても良いでしょう。学ぶことの多い人でした。

 

中下さんは私とあまり変わらない世代で、化学物質問題に積極的に取り組み、日弁連のこのテーマのシンポでも実行委員長をされたと思いますし、関連する団体の代表として引っ張る積極的で前向きな方ですね。

 

その二人が手がけた大企業花王を相手に訴訟して、勝訴的な判決を獲得したのはさすがといってよいでしょう。

 

NHKのウェブ記事元社員が検査業務で化学物質過敏症に「花王」に賠償命令では<大手日用品メーカー「花王」の工場に勤務していた元社員が、有害な化学物質を取り扱い、体にまひやけいれんなどの健康被害が出たと訴えた裁判で、東京地方裁判所は「元社員は大量の化学物質にさらされて化学物質過敏症を発症したと認められる」として、花王におよそ2000万円の賠償を命じました。>と化学物質過敏症被害を認定しています。

 

この種の事件で、損害賠償額も大きい方ではないでしょうか。

 

請求内容は記事によると

<昭和60年から平成24年にかけて花王の和歌山工場に勤務していた元社員は、クロロホルムやメタノールなど、有害な化学物質を使って検査を行う業務に当たり、体にまひやけいれんなどが出て、化学物質過敏症にかかったとして会社に4700万円余りの賠償を求めました。>

 

昭和60年当時はまだ化学物質の有害性に一般的にはまだ十分着目されていなかった時代なので、多少は理解できますが、平成24年まで、同様の状態で検査を継続していたなんて、花王が環境配慮をうたってきたことに反する対応です。

 

判決では、<東京地方裁判所の梅本圭一郎裁判長は「元社員は大量の化学物質にさらされて化学物質過敏症を発症したと認められる。会社は排気装置の設置や保護マスクの支給など、作業に当たる人の健康被害を防ぐ措置を怠ったため、元社員が化学物質過敏症にかかった」と指摘し、花王に対し、およそ2000万円の賠償を命じました。>

 

私が化学物質過敏症問題を手がけた20年前は、裁判所はもちろん、社会的にもこの用語を認める段階になかったと状況でした。化学工業メーカーなどの強い政治力もあって、わが国では、厚労省も容易に認めない状況でした。「化学物質」という言葉を使わせない「シックハウス症候群」といった造語で、ホルムアルデヒドなど一定の化学物質の閾値を超える場合に認める裁判例が2000年代から次第に増えていった記憶です。

 

私が化学物質過敏症問題から離れてすでに10年を経過しましたが、この東京地裁の判決を見て、少し裁判例をフォローすると、判決で化学物質過敏症を認める事例は徐々に出てきたようです。ただ、非常に限定的ですし、損害認定額も極めて少額です。

 

その意味では今回の東京地裁の判決は、事実認定を詳細にチェックしないと分かりませんが、検討しがいのあるこの種事件の金字塔かもしれません。

 

今日はこれから和歌山にでかけ、帰りは遅くなるので、ブログを早めに書き上げました。

また明日。