180719 西日本豪雨考その2 <水上バイクで来たヒーロー 15時間かけ120人救う>などを読みながら
今日もなにかと雑務が重なり、いつの間にか6時を過ぎ、用があって7時前に出ないといけないので、30分でブログを書き上げないといけません。どうなるか、水上バイク並のスピードで?仕上げることにしたいと思います。
水上バイクをイメージすると、若い人ならかっこいいと思うかもしれませんが、私はどうも苦手です。たしか30年くらい前でしょうか、東京湾の荒川河口左岸で、当時、自然海岸を模倣した公園作りをしていました。私は荒川を下って東京湾というより東京港を周遊するカヌーのパドリングを楽しんでいました。
そのとき見た風景は、水上バイクのスリリングな、アクロバット的な航行でした。砂浜では子供たちも遊んでいたと思いますが、とても危険に感じました。私は幸い、水上バイクが身近に迫ってくるという経験をしたことがありませんが、もしカヌーなりカヤックの近くまで猛スピードで迫られると、その波の影響もあって、カヌーだと転覆するリスクも大きいと思います。
だいたい音も相当な騒音をまきちらしますね。そういったことで、当時から水上バイクについては、川であったり、海辺であったり、さまざまな場所で衝突があって、他の水遊びに興じる人、あるいは漁民も含めて問題視してきたと思います。むろんすべての乗り手が問題と言うことではないと思いますが、あのスピードと回転力などは運動神経を競う、あるいは誇示したい人にとっては魅力的な乗り物なのでしょう。
ともかくわたしにとっては厄介な、問題の多い乗り物と映ってきました。しかし、それも乗り手次第であって、私の偏見にみちた考えを訂正しないといけない状況が当然ながら現れました。
朝日記事<水上バイクで来たヒーロー 15時間かけ120人救う>は、まさに若者の主体的で能動的な活動が、水上バイクという格好の乗り物を使って多くの人を短時間に救うという快挙を成し遂げたというのです。
漂流物がたくさんあり、浸水家屋に近づくのは、どのような乗り物でも簡単ではありません。むろん水上バイクでも相当の腕前でないとかえって危険でしょう。でも果敢に彼らは冠水した中に閉じ込められた多くの人を救い出したのですから、素晴らしいです。
その代償の被害も受けたようですが、感謝のことばで生きがいを感じたようです。
<水上バイクは傷だらけになった。燃料は何度も補充した。必死に救助を続け、最後は全身がつって動けなくなった。後日、避難所で炊き出しのボランティアをしていると、救助した高齢者から次々と感謝の声をかけられた。「それだけで、やってよかったと思った」>
ところで、この情報の前に、毎日が<西日本豪雨「見捨てたりしない」命救う無名のボート>と中年男性チームの活躍を報じていました。この後の続報がなかったので、名前も顔も知られないまま、救いの神となったようです。これもすてきですね。しかも手こぎボートではなかなかはかどらなかったと思いますが、中年チームもやるなと思った次第です。
とはいえ、やはり本職の活躍こそ、必要ですね。
毎日記事<茶一色、懸命の救助=孤立の病院、患者らボートで-西日本豪雨・岡山県倉敷市上空>は、大量の孤立者を救助しています。日本中、どこでも冠水は起こりえるとの前提で、体制を整備する必要があるでしょう。
今回は、冠水時の救助方法について、3つの記事を取り上げました。最後は自衛隊や消防の大型ボートの活躍ですが、個人のボランティア的な活動も大事です。それをなんらかの形で応援できる制度が可能か少し考えてみたいと思います。
そもそも水上バイクがどのようなところでも航行可能かというと、通常は先に挙げたように問題があるため、各地でさまざまな規制をしています。たとえば<河川利用について 木曽川上流河川事務所>もその一つ。あるいは琵琶湖でしたら、<プレジャーボートの航行規制について>と。
でも災害時の冠水地帯ではどうでしょう。はっきりした規制対象とならないように思います。といって誰でも入っていっていいかというと、場合によっては公的な救助に支障を来すこともあるでしょう。今回はたまたまうまくいったのですが、それが大勢となって錯綜したら、かえって公的救援を阻害するかもしれません。
といって、まったくだめというのもどうかと思います。とりわけ冠水当初は、公的な救済も間に合わないと思われます。ある種、暫定的な救済措置としてこういった水上バイクやてこ後ボートの利用を促すことも意味があるように思うのです。
昔、たとえば、荒川下流域、あるいは江戸川の低地部分は、洪水が頻発し、その対処として、○塚と土地の名前が残るほど、少し高台に家を建てたり、その軒には洪水時に利用する船をかけておいたそうです。堤防工事だけで洪水対策が可能とは思えません。洪水をある程度前提にして、対処するさまざまな施策を考える時期ではないかと思うのです。
時間となりました。30分はすぐですね。今日はこれにておしまい。また明日。