180708 豪雨災害 <豪雨 死者67人に 岐阜、京都、高知でも犠牲>などを読みながら
九州から中国、四国、さらには近畿から中部と中部以西の日本が豪雨災害に見舞われました。
とはいえ、気象レーダーの画像で見ると、まさに「線状降水帯」の大きな帯線が横たわっている範囲内でほぼ起こっているようです。
そこから離れている和歌山県、少なくとも当地では、特段ひどい降雨量といったこともなく、調べていませんが累積降雨量もさほど多くないと思われます。というのは紀ノ川は、台風シーズンなど豪雨があると、河川敷が冠水し、破堤や溢水を避けるため、流入する支流の樋門が閉ざされ、支流の流域は冠水するといった事態が起こりますが、今回はずっと紀ノ川の流れは穏やかとまではいえなくても、ま、安心してみておれる状態でした。
しかし、TVニュースで見る限り、いままで冠水被災にあったことがないようなところが各地で被災していますね。
午後の毎日ウェブ情報<豪雨死者67人に 岐阜、京都、高知でも犠牲>だと、死者数が67人とまた増えていますし、雨脚が落ち着いてきたとはいえ、今後も危険な状況と思われます。
上記記事では<活発な梅雨前線による西日本豪雨で8日、被害の大きい岡山、広島、愛媛の各県などでは警察や自衛隊が安否不明者の捜索を続けた。京都府と岐阜、高知両県で初めて犠牲者が確認され、死者は計67人となった。気象庁は、岐阜県に加え愛媛、高知両県に大雨の特別警報を出し、土砂災害への警戒を呼び掛けている。>
列島の半分が豪雨災害に見舞われた状況ですね。<政府は8日、災害対策基本法に基づき、非常災害対策本部を設置した。>ということで、災害の名称もこれだけ被害が拡大すると決めるのが大変でしょうね。
ところで、TVのある番組で、政治家でしたか、公共事業が減り、防災対策が遅れていることを指摘されていた方がいたかと思います。はたして従来型の護岸工事や堤防高の嵩上げとか、あるいは山林の治山事業の強化とかのハード対策がどの程度有効かは、もう少し丁寧に今回の被災状況を検証した上で、とるべき対策を将来に向けて検討するべきではないかと思うのです。むろん、まずは冠水した中で取り残された被災者や避難生活で困っている方々への支援や救済措置が先決ですね。
今回の豪雨で、私が割合多く目にしたのが倉敷市真備町の洪水被害状況でした。
毎日記事でも<西日本豪雨51人死亡 心肺停止1人、不明76人 倉敷・真備町、4分の1水没>などで取り上げられていますが、昨日段階で、町の4分の1が水没したというのですから、これは大事ですね。
倉敷はなんどか訪れたことがありますが、真備町という地名は初めて聞く名前です。ただ高梁川は名前だけ聞いたことがあり、メインの川ですね。こういった地方都市の主流河川が各地で氾濫していたように思います。近くでは福山市の芦田川とか、愛媛県ではこういった被害はあまり聞かないのですが、<西予市内を流れる肱川(ひじかわ)が氾濫>とか、ほんとに多くの河川が豪雨に対応できない状況にありますね。
この高梁川については記事で<岡山県倉敷市真備町地区では7日朝、1級河川・高梁川の支流の小田川の堤防の決壊が確認された。川の北側の広範囲で建物が2階まで浸水、真備町地区の約4分の1にあたる12・5平方キロが水没した。多数の住人らが建物内に取り残され、救助要請が消防に殺到。ヘリやボートで順次救出され、消防や警察が夜を徹して救助を続けているが、被害の全体像は分かってない。>と支流の堤防が決壊したことで浸水がひろがったようです。
ところで、最近は東南海トラフ地震による津波対策のため、防災対応が次第に意識化されつつあるように思いますが、こういった豪雨については必ずしも防災対応について啓発活動も意識も深まっているとは思えません。
今回の豪雨では、大雨特別警報の発令が頻発されました。
ライブドアのウェブ情報では<歴史的大雨、8府県に特別警報が発令 土砂災害には最大限の警戒を>ということで、合計8府県に発令されたのでしょうね。
実際の降水量もあきらかに尋常ではありません。<7日(土)5時までの72時間雨量で、高知県魚梁瀬(ヤナセ)で1150.0mmを超えたのを筆頭に、広い範囲で600mmを超えるなど、各地で記録的な大雨となっています。▼7日5時までの72時間降水量 魚梁瀬(高知) 1150.0mm(※一部期間欠測あり) 繁藤(高知) 798.5mm 大栃(高知) 793.0mm 本山(高知) 718.0mm ひるがの(岐阜) 734.0mm>
この異常気象の要因について毎日の7月6日記事では<大雨広範囲になったメカニズム…「線状降水帯」も多発>として、<大雨を降らせるメカニズム
西日本から北日本の広い範囲に及んだ大雨は、本州付近に停滞した梅雨前線に、南から暖かく湿った空気が継続的に流れ込むことで発生した。専門家によると、激しい雨を降らせる積乱雲が一列に連なる「線状降水帯」も多発しているという。>と気象庁の解説のような言及があります。
また専門家の意見として、<坪木和久・名古屋大教授(気象学)によると、福岡、大分両県で大きな被害が出た昨年の九州北部豪雨では、太平洋高気圧の西縁が今回より西だったため、大雨は九州北部に集中した。今回は昨年より東で、九州から中国、四国、近畿など広い範囲に大雨をもたらしている。>
これまた気象条件をある程度解説できているのかもしれませんが、こういった現象が一時的な異常現象なのか、今後も恒常的に起こるものかについては触れていません。
私は素人ですので、気象現象を理解できているわけではありませんが、昨今の気象は、異常事態が頻繁にどこでも起こる状態になりつつあるように思うのです。それは決して異常だとしても、どこでも起こりうる状況にあるのではと思うのです。それはわが国でM6程度の地震がどこでも起こる可能性があるのと同じようなことではないかと思うのです。
その場合、従来の様々な防災のための基準、たとえば宅地開発の開発許可基準の時間降雨量や、河川の治水対策の基準なども、当然対応できないおそれが高いと思われるのです。建築物や宅地開発などの耐震基準については、地震災害が起こるたびに強化されてきましたが、水害については、昨今の異常豪雨に対応すべくどのような検討がされているのでしょう。
また、ハザードマップづくりという、地道な作業が何年か前から全国的に進められていますが、その内容は必ずしも実効性の高いものとまでいえないものと思っています。ハザードマップが実用性のあるものであれば、それに応じて様々な対策も講じる必要があると思われますが、具体的な運用はまだまだかと思われます。
そろそろ時間となりました。今日も尻切れトンボとなりましたが、また明日。