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絵画鑑賞記「第55回光陽展・広島展」(13)

2007-07-12 23:58:45 | 怒素人的美術蘊蓄録
<添付画像>:第55回光陽会出展作品、『独亀』・・


<作品の紹介>

作品番号: 88
作者氏名: 池 田 篤 彦 (一般)
作品題名: 『独 亀』
受賞名:  新人奨励賞
住  所:  広 島


 浮かび上がるのか?
    はたまた沈もうとしているのか?

 ミナモ(水面)ぎりぎりの水面下を、ゆっくりと遊泳する「巨大な亀」を真上から眺め、描写した! 題して「独亀」、、、。

 この作品の展示位置は、ちょうど館内証明の直接反射する場所、且つ作品表面には(作品保護のため?)透明アクリル版貼り付けてあり、よく観れば「撮影に挑んでいる不肖エセ男爵メ」の立ち姿あり、まことに恥ずかしき次第なり、、、。 この際、敢えてアクリル板からの反射を無視して頂き、作品の上部をしかとご覧頂きたい。

 ちから強くもゆったりと水を掻いている大亀の左前鰭(ヒレ)は、わずかに水面(ミナモ)にふれ、鏡の如く波立たない水面に、力強くも流麗な波紋湧き立った様子、みごとに描かれているから恐れ入った。 水面と水面下あるからこそ、この巨大亀の描写に躍動感吹き込まれるか。 微細な躍動感の表現により、静寂と長寿を連想させる「亀のイメージ」を、よりいっそう際立たせるは、これぞ画家の感性と技量であるか、、、。

 この作品も写真映像に不向きな、難しい被写体である。 かくなる場合、おおよそ偏光フィルターを駆使し、水面下の生物や植物の撮影に挑むのであるけれど、何十年探しても待ってみても、この絵画に描かれたカメと水面の情景とを撮影可能とする場所と位置は見付け難く、この絵画と同じ瞬間をカメラで切り取るは、不可能である。 画家の場合、これまた頭脳記憶による美感的昇華を促し、もって絵描き的頭脳の脳内解析フィルターを通し、ようやく描写可能となるか。
                これまた絵画芸術の成せる技か!

 この作品も、2度鑑賞した。

 一度目は、あまりにもリアル過ぎて、あまり爬虫類や両生類を好まぬ我輩にとって恐ろしき巨大亀であり、今にも画面から浮かび上がり、展示会場空間を遊泳するかに思えた。(画像下部の「作品紹介カード」は、ほとんど葉書大の大きさであるから、この作品の大きさとご比較いただきたい・・・)

 二度目は、この作品の「ミナモの描き方」のみごとさに目を奪われ、心奪われ、第55回光陽展広島展出展118作品の中、印象に残る忘れがたい作品の一つとなった、、、。


  <・続く・・

PS:絶滅種続出する「カメ」のこと、我輩はほとんど知っていない。詳しくは『爬虫綱カメ目』(ウイキペディア百科事典)をご参照下さい・・・


* 連載中「第55回・光陽展」出展絵画鑑賞感想記事の(前回掲載記事)は、こちらから戻れます・・

* 「光陽会」公式ホームページは、こちらから・・