Breathe & Stretch 〜マインドフルネストレーナーのメモ帳〜

縁あって辿りついたマインドフルネストレーナーの仕事。悩みは色々あれど、喜びや楽しみが増えていきますように。

父のみやげ

2006-04-02 21:09:49 | 家族とのかかわり
今日は朝から、社外の勉強会のため表参道、渋谷とはしごをし、夕方から、上京してきた父に会うために新宿に行った。

父は8年前に脳卒中で倒れてから、たびたび1人で金沢を離れることもあるが、やはり1人で来るのは心配である。

気がつけば70を過ぎ、久しぶりに金沢以外で会った今日は、私が世話を焼くことが多かったように思う。話したいことが多かったのだと思う。

切れた脳血管の部分が言語や記憶に関するあたりだったわりに言葉も記憶もしっかりしている。

年をとったなあと思うのは、昔の話が多く、話が堂々巡りするようになったこと。

多少、いらっとすることもあるが、言葉を失った時期もあったことを思えば、じっくりと話を聴くことが親孝行なのかと思う。

孫も中学生になることを考えれば普通の「おじいちゃん」になったんだろうなぁ。娘としては、若いときの「父」でいてほしいのだろうけど、仕方がないことなのだろうと思う。

店を出ると、大雨になっていてホテルまで送っていくと、おみやげだと言って、金沢の銘菓「小出の芝舟」と「円八のあんころ」(どちらも加賀の古典的なみやげ菓子)がかばんの中から出てきた。

他に荷物らしい荷物は入っておらず、これだけを持ってきたのかと思うと「じーん」としてしまった。

話の中で、東京で1人で暮らしていけるのか、金沢には戻ってこないのかと、他の言葉に混じって特段強調されることもない言葉が何度かあった。

ずっと私のことは、心配などしていないのだと思っていたが、父ならではのメッセージだったと思う。

年寄り扱いして、いろいろ世話を焼いてしまったこともあり、父は「いろいろ格好悪かったけど、またな」と言って、部屋に向かっていった。

年に数回しか会わないこと、父の年齢のことも考えると、「あの時、あぁしておけばよかった」と後悔することなく、小さな親孝行はしておきたいと思った。

帰り道、両親に心配をかけている自分のことを省みて、自然と涙がこぼれてきた。
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2 コメント

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Unknown (hana)
2006-04-04 16:25:32
あたたかいですね。

ご両親のきもちが、心にしみますね。



わたしも自然に親孝行できるようになりたいと思いつつ、そうできるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

素直じゃないのかもしれません。
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老いる (はる)
2006-04-04 22:50:11
hanaさん

こんにちは。結果的に親孝行できるかはわかりませんが、年老いていく姿を見るとやはりしみじみしますよ。離れていると何もできないから余計でしょうね。

「できることをやろう」と思うようになってきました。多分、そう考える余裕が出てきたのだと思います。自分のことで精一杯という時期が長かったので。

hanaさんにも、時間はかかってもその日は来るように感じます。

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