《あらすじ》
「あなたは、僕の理想の教師だから。
あなたは、僕がなろうとしてもなれなかった、理想の教師だから」
セチャンが絞り出した言葉に、インジェはへたり込む。
「放してください。あなたにもできないことを私にやれと?
あなたも転んだままだったのに、私に走れと?
誰かが走ってくれれば、あなたの心が楽になるからじゃないですか?」
涙をためたインジェの言葉に、セチャンはそれ以上何も言うことはできず、
彼女は帰っていった。
残された生徒たちのイライラは、ジョンホに向けられた。
「あんたのせいよ!あんたが学校をやめたら?」
「なんだと?!」
一触即発の空気の中、ナムスンが怒鳴った。
「おい!オ・ジョンホ!」
何が起こるのか、ピリピリした空気の中、ナムスンが気の抜けた問いかけをして
場の空気は崩れた。
みんなはホッとして体の力を抜く。誰だって、角突き合うのはもうイヤなのだ。
翌日、インジェは学校へ来なかった。
生徒たちは心配するが、何ができるというわけでもない。
論述大会の件もケリはついていなかった。
ガンジュは出場を辞退し、セチャンはその理由を問いただしもしなかった。
その態度に失望したハギョン。セチャンはそれもわかっていたが、露悪的な態度しか取れなかった。
家にいるインジェのスマホには、ヨンウから「いつ来るのか」とラインが。
セチャンからはありとあらゆる質問が送られてきていた。
ナムスンからは「先生……」と一言だけ。
インジェはため息をついた。
セチャンはインジェに会いに来たが、うまく気持ちを伝えられなかった。
「僕の心が楽になるからではなく……ふたりでちからを合わせれば……」
インジェは彼の言いたいことがわからないでもなかったが、辞表を書いた。
そして生徒たちについてたくさんの申し送りをセチャンにあててしたためた。
オム先生も彼なりのやり方でインジェを引き止めようとしたが、
インジェの決心は固かった。
ただ、ジョンホのことが心配だ。
「やめなきゃいいんだ、俺でも通ってるのに」
ジョンホも彼なりの言い方で、インジェにやめてほしくないのだと伝えたつもりだった。
ナムスンは、インジェに学校をやめてほしくなかった。
みんなで話し合えば、いい方向に進むかも。
ミンギやガンジュに後押しを頼んで、クラスで話し合うことにする。
クラスでは、論述大会について口さがない女生徒が噂をしあっていた。
ピリピリしていたハギョンは、ガンジュに話しかけられてその手を振り払う。
たまたま握られていた定規がガンジュの手を切り裂き、血が吹き出た。
教室はパニックになりかけたが、
ナムスンが冷静に対処して、事なきを得た。
ガンジュは病院へ行き、ハギョンはスマホを持って悩んでいた。
フンスはハギョンに声をかける。
「さっさとメールしろ。事態の収拾は早いほうがいいんだ」
「なんて言えばいい?」
「知るか、自分で考えろ」
ガンジュはとっくにハギョンのことを許している。
彼女が好きだし、本当は彼女の気持ちを、ちゃんとわかっているから。
学校へ乗り込んできたハギョンの母は、ガンジュに謝るどころか、
このことを問題にしないように保護者に念押しをしようとやっきになった。
ガンジュもムッとしたが、ハギョンも耐えられなかった。
親友のガンジュに、なんてひどい侮辱を……。
ガンジュは平気だ。誓約書を書くくらい、なんてことない。
でもハギョンは、泣きながら母親に言ってくれた。
「こんなんじゃ、わたしたちいつまでたっても仲直りできないわ」
ふたりはインジェのはからいで、医務室で1時間横になって休ませてもらった。
ベッドに横になっていると、なぜか素直に言葉が出てくる。
「ごめんね」
今までのことをすべて、素直に謝れる。
ふたりは本当にお互いが大事で、すぐに仲直り。
ナムスンは食堂でフンスの前に陣取り、給食を食べ始めた。
このふたりも、仲直りだ。フンスは落ち着かないといい、照れくさいと言う。
ナムスンは平気だった。
そこへ、ジョンホがいきなり割り込んできた。
「これからは休まず通う。仲間になろうぜ」
あっけに取られるフンスとナムスンにおかずを分けて、がつがつを食事をとるジョンホ。
どうしたものやら……。
その後、クラスでは、ナムスンの提案でインジェの復帰を話し合った。
応援したミンギは、そこで思わぬ攻撃に遭う。
ミンギの母が、インジェ先生の退陣要求を根回ししたというのだ。
先生を辞めさせたのは、母だった。
皆に責められたミンギは、顔面蒼白だった。
家へ帰ると、ミンギの母は論述大会の模範解答を差し出した。
「いつもいつも、いったいどこで手に入れるの?」
ミンギはあきれた。母の干渉は度が過ぎている。
インジェの復帰を頼んでみたが、母の態度は変わらなかった。
教師を辞めるつもりでいたけれど、セチャンの態度はあまりにも冷たい。
生徒たちが傷つき、萎縮し、がっかりする姿を、インジェは見たくなかった。
もっと別のやり方があるはず。
「私への当てつけであんな態度を取るんですか?」
「僕が?まさか!」
セチャンの言葉は少々わざとらしかったが。
論述大会直前、ミンギの母は食事を差し入れ、模範解答を再度手渡した。
ミンギはあくまで抵抗しようとする。
「母さんの言うとおりにすれば、僕の将来は安泰だ。でもわかってほしい。
母さんが用意した未来を、僕は望んでいない。
母さんが与えてくれる答えは、本当に正解なのか?」
「10年後にわかるわ」
「その時まで、ずっとこうする気?」
ミンギは暗い顔で論述大会へ向かった。
大会の最中、生徒はみな携帯電話を預ける。
職員室に保管された電話を、ジョンホが狙っていた。
例の先輩たちに、金を返せと脅されているのだ。
たまたまその様子を見かけたフンスは、ジョンホを止めに学校までやってきた。
奉仕作業として論述大会を手伝っていたナムスンも巻き込んで、ジョンホを探す。
携帯電話は盗まれていた。
一方、ミンギは絶望し、模範解答を机上に残したまま教室を出た。
そしてエレベーターで屋上へ向かって行く。
残された生徒がめざとく解答を見つけ、セチャンに食ってかかった。
フンスとナムスンは職員室を出ようとして、警報を鳴らしてしまう。
学校中に鳴り響く、サイレン。
その中で、ミンギはひとり静かに屋上へ続く扉を開けた。
(つづく)
も~!一難さってまた一難だよ!
次から次へと問題を起こしまくりやがってジョンホ!バカチンが!
おまけに……おまけに……
チョン・インジェの頑固者~~~!
はー、スッキリした。
ほんと、本音はいつまでも胸にためずにさっさと吐き出した方がいいですね!
いや正直びっくりしたのよ。
だって前回の引きの場面覚えてる?
セチャン先生が必死にインジェを引き留めて、
渾身の思いで「あなたは僕の理想の教師だから!」と伝えて、
このまま涙の大感動場面じゃぁなくて?
ところがどっこい、インジェ先生は冷静なのであった。
「あなたの代わりに私が走り続けろと?」
いやいやいや、感動セオリーを予想していたわたしはビビりました。
そ、そんな反論する?そこは「先生……」っつって泣くとこじゃないの?
いやいやまったく一筋縄ではいかないやね~。
お手軽なお約束ドラマじゃあ、
問題提起にもならないし、第一面白くないやね。
ま、骨太でけっこう。
けっこう頑固なインジェ先生は、
セチャンの痛いところをズキュンと突いて、さっさとお家へ帰ってしまうのでした。
でもまぁ、いついつまでもそうしてはいられないのがこの人の良いところ。
大事な生徒のことを考えていたら、
きっと辞めるなんて言えなくなっちゃうと思うんだわ。
子どもたちもね、素直になって考えてみると、
やっぱりインジェ先生が大好きなんですもの。
ね、高校生なんて、まだまだ子どもですね。
ずっと引きずっていた、ガンジュとハギョンの喧嘩も今回で無事終わりました。
ハギョンが思わずガンジュを傷つけてしまう展開でドキリとしましたが、
うまくフンスがアシストしてくれて良かった~。
被害者と加害者になって友情が壊れていくところ、
もうみたくないもんね。
自分たちみたいになってほしくないもんね。
うんうん、フンス、いい働きだよ……。
フンスとナムスンの仲直りは、問題が長引いた分面倒くさかったものの、
男の子らしくバスケしたり、一緒に罰を受けたり、殴り合ったり、タバコ吸ったり、
もろもろのシチュエーションを駆使して達成されました。
その点、ガンジュとハギョンは女の子~。
一緒に寝ることで、きゃっきゃうふふと仲直り。
いいですよねー、女子ってこういうところがほんとにいい。
ええ、こじれる時は地獄のこじれ方をするってわかってますけどね……。
それでも女子らしいかわいらしい仲直りで、
みていてほんわかしました。
だって想像してみてよ。
ナムスンとフンスが一緒の布団で眠ってきゃっきゃうふふって……
あれ?いや、似たようなシーンなかった?
あ、中学時代、病院の親族控室であのふたり仲良く一緒に寝てたっけね……
何それ?
女子力高め?
あ、いや、韓国男子の友情表現って、よくわかんないんだよねー。
男同士でも(おっさん同士でも)躊躇なく手をつないだりするし、
よく談笑しながら太ももに手をやってなぜなぜしたりしてるし……。
う、でも医務室のベッドには一緒に寝ないだろう。
ふたりとも絶対足がはみ出るし。
あ、想像したらなんかそれはそれでカワイイような気が……。
いや!もうよそう!
だいたいカワイイっていったら、給食の時のふたりだよ~。
フンスの目の前に座るナムスン。
にっこにこじゃない。
んで、フンスも「照れくさいから」なんて言ってめちゃくちゃカワイイもん。
そのうえ、なぜかジョンホが参戦!
これには笑ったわー。
「仲間になろうぜ」とか言って、惜しそうに自分のトンカツをふたりにあげてます。
「俺が仲間になって嬉しくないのかよ?」って、
嬉しいわけねぇだろ!
しかし、そんな反論をしないナムスンとフンスは大人……。
そして勝手に仲間になってきやがったジョンホを心配して、
たいへんなことになっちゃうナムスンとフンス。
ジョンホは悪い先輩に借金して脅されて、
論述大会に出てる生徒の携帯電話を盗み出しちゃうんだよねー。
でも警報がなって、職員室から出てきてるのはナムスンとフンスなわけで。
すぐにセコムしなかったインジェ先生にも責任があるわけで。
オットッケ~!
ま、でもこっちの問題はなんとかなると思うのよ。
正直に話せばね、もしかしたらなんとかなるかと……。
今までの素行が悪すぎるからアレだけどさぁ。
一番の問題はミンギだよミンギ!
僕の人生のレールはお母さんに敷かれていて、
しかもむこう10年はお母さんの言いなりに生きなきゃいけないのか?
26とか27にもなって、ママにあったかいお弁当を持ってきて
お薬飲ませてもらって、正解を全部教えてもらって……。
「お母さんのいう答えって、全部正解なのか?」
このミンギの問いは、すごいですよね。
お母さんの言うなりに生きたくない!という、
思春期男子としては健全すぎる欲求の下に隠された、根源的な恐怖。
もしも、お母さんが間違っていたら?
もうそうしたら、ミンギの今まで生きてきた時間、
全部が間違いだったってことになっちゃうんだよね。
今までどころか、あと10年たたないと正解かどうかわかんないんだから、
へたすりゃ26歳になって、全部無駄でした、間違いでした、って言われる可能性があるわけだよね?
そんなん耐えられる?
自分の人生を生きられないまま四半世紀が過ぎ、
そのうえすべてが間違っていたとわかったら?
そうなったのが、ミンギのお兄さんでしょ?
彼の絶望はあまりにも深い。
「お母さんのいう答えって、全部正解なのか?」
悪夢の問いが心に浮かんだ途端、
彼は生きる希望をなくしてしまった。
ええ~ん!こっちは取り返しがつかないよぉ~。
オットッケ~!
学校中に鳴り響いた警報が、ミンギを発見する助けとなるのか?
お願い!安易な人死には反則だから!
ここまでちょいちょいセオリーを裏切ってくれた脚本家先生、
なんとかしておくれよ……。
絶対にミンギを死なせたりしないでよ!
え?ジョンホ?う、インジェ先生を引き止めようとしたり、
そこそこカワイイところもあったけど……。
う~ん、しゃあねえよ、フンスたちにまかすよ。
人生まっとうに生きようと思ったら、たちの悪い友人とは距離を置くことだね。
しかし、論述大会って弁論大会みたいなのじゃないんだ。
小論文を書く大会みたいな感じだね。
学校の授業が終わってから希望者だけでやるんだね。
韓国の受験は過酷だと言うけれど、本当にそのとおりだと思った。
朝早くから学校にきて、2食分の弁当を持って夜中まで勉強するんだなぁ。
そのへんのことを日本では中学受験の段階でやらすんだから、それもすごいよ。
開成受かった子、そうやって勉強してたもん。
むしろ小学校なんていきたくなかったんじゃない?時間の無駄じゃん。
こうして考えると、本当に、学校ってなんなんだろう?と思うよね。
残り数話だけど、インジェ先生と一緒に考えたいよ。
先生!やめないで!
「あなたは、僕の理想の教師だから。
あなたは、僕がなろうとしてもなれなかった、理想の教師だから」
セチャンが絞り出した言葉に、インジェはへたり込む。
「放してください。あなたにもできないことを私にやれと?
あなたも転んだままだったのに、私に走れと?
誰かが走ってくれれば、あなたの心が楽になるからじゃないですか?」
涙をためたインジェの言葉に、セチャンはそれ以上何も言うことはできず、
彼女は帰っていった。
残された生徒たちのイライラは、ジョンホに向けられた。
「あんたのせいよ!あんたが学校をやめたら?」
「なんだと?!」
一触即発の空気の中、ナムスンが怒鳴った。
「おい!オ・ジョンホ!」
何が起こるのか、ピリピリした空気の中、ナムスンが気の抜けた問いかけをして
場の空気は崩れた。
みんなはホッとして体の力を抜く。誰だって、角突き合うのはもうイヤなのだ。
翌日、インジェは学校へ来なかった。
生徒たちは心配するが、何ができるというわけでもない。
論述大会の件もケリはついていなかった。
ガンジュは出場を辞退し、セチャンはその理由を問いただしもしなかった。
その態度に失望したハギョン。セチャンはそれもわかっていたが、露悪的な態度しか取れなかった。
家にいるインジェのスマホには、ヨンウから「いつ来るのか」とラインが。
セチャンからはありとあらゆる質問が送られてきていた。
ナムスンからは「先生……」と一言だけ。
インジェはため息をついた。
セチャンはインジェに会いに来たが、うまく気持ちを伝えられなかった。
「僕の心が楽になるからではなく……ふたりでちからを合わせれば……」
インジェは彼の言いたいことがわからないでもなかったが、辞表を書いた。
そして生徒たちについてたくさんの申し送りをセチャンにあててしたためた。
オム先生も彼なりのやり方でインジェを引き止めようとしたが、
インジェの決心は固かった。
ただ、ジョンホのことが心配だ。
「やめなきゃいいんだ、俺でも通ってるのに」
ジョンホも彼なりの言い方で、インジェにやめてほしくないのだと伝えたつもりだった。
ナムスンは、インジェに学校をやめてほしくなかった。
みんなで話し合えば、いい方向に進むかも。
ミンギやガンジュに後押しを頼んで、クラスで話し合うことにする。
クラスでは、論述大会について口さがない女生徒が噂をしあっていた。
ピリピリしていたハギョンは、ガンジュに話しかけられてその手を振り払う。
たまたま握られていた定規がガンジュの手を切り裂き、血が吹き出た。
教室はパニックになりかけたが、
ナムスンが冷静に対処して、事なきを得た。
ガンジュは病院へ行き、ハギョンはスマホを持って悩んでいた。
フンスはハギョンに声をかける。
「さっさとメールしろ。事態の収拾は早いほうがいいんだ」
「なんて言えばいい?」
「知るか、自分で考えろ」
ガンジュはとっくにハギョンのことを許している。
彼女が好きだし、本当は彼女の気持ちを、ちゃんとわかっているから。
学校へ乗り込んできたハギョンの母は、ガンジュに謝るどころか、
このことを問題にしないように保護者に念押しをしようとやっきになった。
ガンジュもムッとしたが、ハギョンも耐えられなかった。
親友のガンジュに、なんてひどい侮辱を……。
ガンジュは平気だ。誓約書を書くくらい、なんてことない。
でもハギョンは、泣きながら母親に言ってくれた。
「こんなんじゃ、わたしたちいつまでたっても仲直りできないわ」
ふたりはインジェのはからいで、医務室で1時間横になって休ませてもらった。
ベッドに横になっていると、なぜか素直に言葉が出てくる。
「ごめんね」
今までのことをすべて、素直に謝れる。
ふたりは本当にお互いが大事で、すぐに仲直り。
ナムスンは食堂でフンスの前に陣取り、給食を食べ始めた。
このふたりも、仲直りだ。フンスは落ち着かないといい、照れくさいと言う。
ナムスンは平気だった。
そこへ、ジョンホがいきなり割り込んできた。
「これからは休まず通う。仲間になろうぜ」
あっけに取られるフンスとナムスンにおかずを分けて、がつがつを食事をとるジョンホ。
どうしたものやら……。
その後、クラスでは、ナムスンの提案でインジェの復帰を話し合った。
応援したミンギは、そこで思わぬ攻撃に遭う。
ミンギの母が、インジェ先生の退陣要求を根回ししたというのだ。
先生を辞めさせたのは、母だった。
皆に責められたミンギは、顔面蒼白だった。
家へ帰ると、ミンギの母は論述大会の模範解答を差し出した。
「いつもいつも、いったいどこで手に入れるの?」
ミンギはあきれた。母の干渉は度が過ぎている。
インジェの復帰を頼んでみたが、母の態度は変わらなかった。
教師を辞めるつもりでいたけれど、セチャンの態度はあまりにも冷たい。
生徒たちが傷つき、萎縮し、がっかりする姿を、インジェは見たくなかった。
もっと別のやり方があるはず。
「私への当てつけであんな態度を取るんですか?」
「僕が?まさか!」
セチャンの言葉は少々わざとらしかったが。
論述大会直前、ミンギの母は食事を差し入れ、模範解答を再度手渡した。
ミンギはあくまで抵抗しようとする。
「母さんの言うとおりにすれば、僕の将来は安泰だ。でもわかってほしい。
母さんが用意した未来を、僕は望んでいない。
母さんが与えてくれる答えは、本当に正解なのか?」
「10年後にわかるわ」
「その時まで、ずっとこうする気?」
ミンギは暗い顔で論述大会へ向かった。
大会の最中、生徒はみな携帯電話を預ける。
職員室に保管された電話を、ジョンホが狙っていた。
例の先輩たちに、金を返せと脅されているのだ。
たまたまその様子を見かけたフンスは、ジョンホを止めに学校までやってきた。
奉仕作業として論述大会を手伝っていたナムスンも巻き込んで、ジョンホを探す。
携帯電話は盗まれていた。
一方、ミンギは絶望し、模範解答を机上に残したまま教室を出た。
そしてエレベーターで屋上へ向かって行く。
残された生徒がめざとく解答を見つけ、セチャンに食ってかかった。
フンスとナムスンは職員室を出ようとして、警報を鳴らしてしまう。
学校中に鳴り響く、サイレン。
その中で、ミンギはひとり静かに屋上へ続く扉を開けた。
(つづく)
も~!一難さってまた一難だよ!
次から次へと問題を起こしまくりやがってジョンホ!バカチンが!
おまけに……おまけに……
チョン・インジェの頑固者~~~!
はー、スッキリした。
ほんと、本音はいつまでも胸にためずにさっさと吐き出した方がいいですね!
いや正直びっくりしたのよ。
だって前回の引きの場面覚えてる?
セチャン先生が必死にインジェを引き留めて、
渾身の思いで「あなたは僕の理想の教師だから!」と伝えて、
このまま涙の大感動場面じゃぁなくて?
ところがどっこい、インジェ先生は冷静なのであった。
「あなたの代わりに私が走り続けろと?」
いやいやいや、感動セオリーを予想していたわたしはビビりました。
そ、そんな反論する?そこは「先生……」っつって泣くとこじゃないの?
いやいやまったく一筋縄ではいかないやね~。
お手軽なお約束ドラマじゃあ、
問題提起にもならないし、第一面白くないやね。
ま、骨太でけっこう。
けっこう頑固なインジェ先生は、
セチャンの痛いところをズキュンと突いて、さっさとお家へ帰ってしまうのでした。
でもまぁ、いついつまでもそうしてはいられないのがこの人の良いところ。
大事な生徒のことを考えていたら、
きっと辞めるなんて言えなくなっちゃうと思うんだわ。
子どもたちもね、素直になって考えてみると、
やっぱりインジェ先生が大好きなんですもの。
ね、高校生なんて、まだまだ子どもですね。
ずっと引きずっていた、ガンジュとハギョンの喧嘩も今回で無事終わりました。
ハギョンが思わずガンジュを傷つけてしまう展開でドキリとしましたが、
うまくフンスがアシストしてくれて良かった~。
被害者と加害者になって友情が壊れていくところ、
もうみたくないもんね。
自分たちみたいになってほしくないもんね。
うんうん、フンス、いい働きだよ……。
フンスとナムスンの仲直りは、問題が長引いた分面倒くさかったものの、
男の子らしくバスケしたり、一緒に罰を受けたり、殴り合ったり、タバコ吸ったり、
もろもろのシチュエーションを駆使して達成されました。
その点、ガンジュとハギョンは女の子~。
一緒に寝ることで、きゃっきゃうふふと仲直り。
いいですよねー、女子ってこういうところがほんとにいい。
ええ、こじれる時は地獄のこじれ方をするってわかってますけどね……。
それでも女子らしいかわいらしい仲直りで、
みていてほんわかしました。
だって想像してみてよ。
ナムスンとフンスが一緒の布団で眠ってきゃっきゃうふふって……
あれ?いや、似たようなシーンなかった?
あ、中学時代、病院の親族控室であのふたり仲良く一緒に寝てたっけね……
何それ?
女子力高め?
あ、いや、韓国男子の友情表現って、よくわかんないんだよねー。
男同士でも(おっさん同士でも)躊躇なく手をつないだりするし、
よく談笑しながら太ももに手をやってなぜなぜしたりしてるし……。
う、でも医務室のベッドには一緒に寝ないだろう。
ふたりとも絶対足がはみ出るし。
あ、想像したらなんかそれはそれでカワイイような気が……。
いや!もうよそう!
だいたいカワイイっていったら、給食の時のふたりだよ~。
フンスの目の前に座るナムスン。
にっこにこじゃない。
んで、フンスも「照れくさいから」なんて言ってめちゃくちゃカワイイもん。
そのうえ、なぜかジョンホが参戦!
これには笑ったわー。
「仲間になろうぜ」とか言って、惜しそうに自分のトンカツをふたりにあげてます。
「俺が仲間になって嬉しくないのかよ?」って、
嬉しいわけねぇだろ!
しかし、そんな反論をしないナムスンとフンスは大人……。
そして勝手に仲間になってきやがったジョンホを心配して、
たいへんなことになっちゃうナムスンとフンス。
ジョンホは悪い先輩に借金して脅されて、
論述大会に出てる生徒の携帯電話を盗み出しちゃうんだよねー。
でも警報がなって、職員室から出てきてるのはナムスンとフンスなわけで。
すぐにセコムしなかったインジェ先生にも責任があるわけで。
オットッケ~!
ま、でもこっちの問題はなんとかなると思うのよ。
正直に話せばね、もしかしたらなんとかなるかと……。
今までの素行が悪すぎるからアレだけどさぁ。
一番の問題はミンギだよミンギ!
僕の人生のレールはお母さんに敷かれていて、
しかもむこう10年はお母さんの言いなりに生きなきゃいけないのか?
26とか27にもなって、ママにあったかいお弁当を持ってきて
お薬飲ませてもらって、正解を全部教えてもらって……。
「お母さんのいう答えって、全部正解なのか?」
このミンギの問いは、すごいですよね。
お母さんの言うなりに生きたくない!という、
思春期男子としては健全すぎる欲求の下に隠された、根源的な恐怖。
もしも、お母さんが間違っていたら?
もうそうしたら、ミンギの今まで生きてきた時間、
全部が間違いだったってことになっちゃうんだよね。
今までどころか、あと10年たたないと正解かどうかわかんないんだから、
へたすりゃ26歳になって、全部無駄でした、間違いでした、って言われる可能性があるわけだよね?
そんなん耐えられる?
自分の人生を生きられないまま四半世紀が過ぎ、
そのうえすべてが間違っていたとわかったら?
そうなったのが、ミンギのお兄さんでしょ?
彼の絶望はあまりにも深い。
「お母さんのいう答えって、全部正解なのか?」
悪夢の問いが心に浮かんだ途端、
彼は生きる希望をなくしてしまった。
ええ~ん!こっちは取り返しがつかないよぉ~。
オットッケ~!
学校中に鳴り響いた警報が、ミンギを発見する助けとなるのか?
お願い!安易な人死には反則だから!
ここまでちょいちょいセオリーを裏切ってくれた脚本家先生、
なんとかしておくれよ……。
絶対にミンギを死なせたりしないでよ!
え?ジョンホ?う、インジェ先生を引き止めようとしたり、
そこそこカワイイところもあったけど……。
う~ん、しゃあねえよ、フンスたちにまかすよ。
人生まっとうに生きようと思ったら、たちの悪い友人とは距離を置くことだね。
しかし、論述大会って弁論大会みたいなのじゃないんだ。
小論文を書く大会みたいな感じだね。
学校の授業が終わってから希望者だけでやるんだね。
韓国の受験は過酷だと言うけれど、本当にそのとおりだと思った。
朝早くから学校にきて、2食分の弁当を持って夜中まで勉強するんだなぁ。
そのへんのことを日本では中学受験の段階でやらすんだから、それもすごいよ。
開成受かった子、そうやって勉強してたもん。
むしろ小学校なんていきたくなかったんじゃない?時間の無駄じゃん。
こうして考えると、本当に、学校ってなんなんだろう?と思うよね。
残り数話だけど、インジェ先生と一緒に考えたいよ。
先生!やめないで!
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