〈あらすじ〉
突然倒れたドンジュを心配するウリ。
彼に抱きしめられ、握られた手も苦しくて。
そこへヨンギュがやってきて、ふたりは彼をベッドへ寝かせる。
ジュナからの電話に出たウリは事情を説明するが、
「話しかけないで休ませて」とジュナに念を押された。
ベッドに寝ているドンジュの隣で、ヨンギュがじっと手を握っている。
ヘルメットのライトは点けたままだ。
ドンジュが暗闇を怖がるから。
ミスクさんも暗闇が怖かったけれど、手を握ってあげれば大丈夫だった。
ミスクと同じ目をした青年に優しく接するヨンギュ。
「マルじゃない、チャ・ドンジュさんはこんな顔なんだな……。
うちのマルはこんな顔じゃないのに……」
駆けつけたジュナは、ヨンギュと顔を合わせないよう、口実をつけてふたりを帰そうとする。
「あの人、どこが悪いんですか?」
「子どもも頃、頭を打ちました」
「私、子どもの頃彼と会ったのに、覚えてないって……」
「仕方がない。事故の前の記憶がないんです」
ウリは、それを聞いてショックを受ける。
「そんな……」
ヨンギュは後ろ髪を引かれながら、ウリに連れられて帰って行った。
その後ろ姿をこっそり見送るジュナ。
ドンジュのベッドのかたわらには、点灯したままのヘルメットライトが置かれていた。
「兄さんは、発表会がすんだらアメリカへ帰るんだろ?」
ドンジュの表情を見て、ジュナは言う。
「残ろうか?」
「行けよ。兄さんと母さんには、もう抜けてほしい」
複雑なドンジュの想い。
翌日、ヨンギュはおいしく炊いたごはんをドンジュに届けにいく。
鍵のかかった家の前にあったのは、バケツに隠されたヘルメット。
メモがついているけれど、ヨンギュには読めない。
慌ててウリに電話をした。
ウリはウリで、ドンジュが心配で彼の家の周りをうろうろしていたのだ。
「ポン・ヨンギュさんへ、チャ・ドンジュです。
毎日おいしい魚のごはんをどうぞお願いします。
これはポン・ヨンギュの帽子。
チャ・ドンジュの懐中電灯。
どういう意味?」
「あ、あ、僕わかる、僕わかるよ」
ヨンギュはとても嬉しそうだ。
ドンジュとジュナが新しいオフィスに行くと、母と秘書シネが訪ねてきていた。
嬉しげに振る舞う母に、冷たい態度のドンジュ。
そこへジンチョルも陣中見舞いに現れた。
息子の新事業を応援しようという父だが……。
実は裏で手をまわし、エナジーセルへの妨害工作を行っていたのだ。
しかも表向きはライバル会社が圧力をかけたように見せかけている。
商品生産の工場がこれ以上確保できないとなると、問題だ。
ピンチはチャンス、とばかりに、
ドンジュは「品薄になるほどの人気」「予約生産」のブランドイメージを確立しようとする。
ヒョンスクは心配するが、ドンジュはもう母の手を借りたくはないのだ。
ヨンギュは、魚の餌やりの仕事でドンジュの家に通っている。
魚の世話をするヨンギュが読み書きできないのを知ったドンジュは、
魚の学校ごっこで彼に字を教えてゆく。
ふたりの間の、穏やかで楽しい時間。
様子が気になるウリは、ドンジュの家をこっそりのぞいている。
頭を打って記憶を失ったというのは、本当なのだろうか?
彼の記憶がないのをいいことに、
ウリはでたらめな嘘をついてドンジュを責める。
「お手玉返してよ、私の手垢がついてるからって欲しがってたけど……」
「あれなら最近捨てたよ」
「捨てた?!一番大事なものをあげたのにひどいわ!」
「ん?僕が盗んだって言わなかったっけ?」
話している最中に、ヨンギュがドンジュを呼ぶ声がした。
ドンジュはまったく気付かない。
「ねえ、パパが呼んでるわ」
ドンジュはハッとして、ウリを冷たく追い払った。
ドンジュの家を訪ねてきたジュナは、ウリを誘って話をする。
ジュナと一緒に自分をだましたことに腹を立てているウリ。
だけど、ジュナの方がドンジュよりちょっとだけマシ。
お医者さんだから。兄も、医者になりたがっていたから。
マルのことを思い出して、ウリは涙目になってしまう。
「嘘をついたのはお互い様でしょう。兄さんに会いたいなんて」
「それは嘘じゃないわ」
ジュナは、ウリが言った言葉を正確に復唱してみせた。
あんたなんて兄さんじゃない、そう言ったけど、でも憎いわけじゃない。
「何にも知らないくせに!」ウリはそう言って走って行った。
「何もしらないくせに」ジュナはつぶやいて、彼女の後ろ姿を見つめている。
ドンジュはジュナに、お手玉の手術を頼んだ。
今まで何度も頼んできたように。
大事な大事な自分のお守りだから……。
翌日、ドンジュは、ヨンギュと植物園の所長がもめている現場に出くわす。
そしてヒョンスクが決定したヨンギュのクビを撤回させた。
「これからは僕が指示を出します」
一緒にいたヒョンスクは、怒りを隠せない。
それはドンジュも同じだ。
資金集めのため、ジュナと共に行動する母を憎々しげに見つめている。
エナジーセルの化粧品を唯一生産している工場の名義人は、ジュナだった。
ヒョンスクが名義変更をしてあったのだ。
それがジンチョルの知るところとなり、対決は必至。
ヒョンスクはジュナに警告する。
「そのことを、ドンジュは知っていますか?」
「いいえ。信じられるのはあならだけ。ドンジュにジンチョルの相手は無理よ」
ヒョンスクはそういうが、本心は別にある。
自分の息子の手を汚させはしない。
ジンチョルは、実の息子とあらそえばいいのだ。
その頃おばあさんは、病院へ検査にきていた。
ウリに迷惑をかけたくなくて送りをシネに頼んだが、薄情な娘はさっさと自分を置いていってしまった。
老人性痴呆症に静脈瘤。思わぬ結果に、気が滅入る。
「年をとればどこかしこがおかしくなるもんさね」
そんな祖母の姿を、ジュナが見ていた。
我慢をしていたが、字の読めない祖母が薬の袋を間違えて持って行ったのをみて、
ついに声をかけてしまう。
「ファン・スングムさんですよね、お薬を間違えていますよ」
「あら、ありがとうよ。よく名前を知ってたね」
スングムは、ハッとしてジュナの顔を見る。
あまりのことに、声も出ない。
すがるように追いかけながら、嗚咽が止まらない。
ジュナは人混みの中に、どんどん遠ざかってゆく。
「マル……マル……やっと帰ってきたんだね……」
ドンジュは家に帰り、魚の世話をしているヨンギュと仲良くしている。
そこへ怒ったヒョンスクが乗り込んできて、ドンジュを責めた。
「なぜあんな人を家にあげるの?顔も見たくないのよ!」
「僕たちに会いたくないのはあの人たちの方だよ。
ジュナ兄さんは家族のところへいけないのに、あんまりだ。
いっそ兄さんを、家族のもとへ帰そう。
僕が返してやる」
ヒョンスクは激昂し、ドンジュの頬を平手で打った。
その様子を、ウリがそっとのぞいていた。
(つづく)
記憶を失ったふりをするドンジュ、つらいところですね。
無邪気だった少年時代、最後の思い出をともにした少女ウリ。
話をしたいし、謝りたい。
でも、彼が復讐のために嘘をついていきてゆく限り、それはゆるされないことなのです。
ほんと、彼にとってのウリやヨンギュは、ピュアな心の象徴。
人を憎む気持ちを捨てないと、本当の意味で彼らには近づけないのよ……。
わかっているからこそ、つらいドンジュ。
彼はお母さんのこともやっぱり愛しているからね。
マルじゃないのに……といいながら、
ヨンギュはついついドンジュにくっついていってしまう。
それは、ドンジュがミスクさんと同じ目をしているから。
口元を読もうとして、じーっと見つめるあの目のことを言っているわけよね。
「なぜそんな目で睨むの?」って言われちゃって、ウリにはぜんぜんわかってもらえてないですけど。
それと同時に、マルと兄弟のようにして育ったドンジュには、
マルのにおいがついているんだと思う。
どこかにマルの面影が映っているから、ヨンギュもあれほど気になるんだと思うんだ。
15年も互いを杖にしあって支え合ってきたふたりだから、
きっと本当の兄弟のように、似ていたり、違っているところがあるんだと思う。
マル、油断したねぇ。
さすがにちょっと声かけただけでは、ハルモニはわからないと思ったのかい?
字もろくに読めないハルモニが、薬を飲み間違っては可哀想だと思ったの?
いやいや、油断しすぎですよ。
あの口の悪い意地悪ばあさんが、どんだけあんたのことを愛していたか。
ヨンギュに負けないくらい、あんたのことを愛していたんだよ。
このシーンのハルモニの演技は圧巻。
うう、思わずもらい泣きしそう。
このままハルモニはマルを見失ってしまうのか?
みんなに報告しても、痴呆症だと一蹴されてしまいそうだし、どうなるかね?
死ぬまでに、ちゃんとマルに再会させてあげたいなぁ。
ドンジュは、自分の母親と一緒にいるジュナに、嫉妬してる。
というか、母親に怒ってるんだよね。
自分を評価してくれない母親に。
出来のいい兄ばかり頼りにしてかわいがる母親に。
実はその母の態度も演技で、実際心から愛しているのはドンジュだけなんだけど、
そういうのは複雑すぎて、彼にはわかんない。
実際どこまでが「演技」なのか、ヒョンスク自身にもわかってない感じだし、仕方ないかな。
でもさ、ドンジュはお母さんを取られた、と感じているかもしれないけどさ、
ジュナだって、お父さんをドンジュに取られたも同然じゃん。
字を教えてあげたりさぁ。
今のマルが、してあげたいことをドンジュがやってんじゃん。
おあいこだよ、と私は思います。
お?しかし複雑だよね。
ヨンギュとウリは、血のつながりは皆無。
ヨンギュとマルだって、実は皆無なんだよ。
だってヨンギュ自身が、ハルモニの実の息子じゃないんだもん。
彼はいったい、どんな身分の人なんだろう?
実はヒョンスクの兄だったりして。
あ、でもそうなるとハルモニがウギョンを憎むのがおかしいか。
う~ん、韓ドラ的に、あっと驚く展開が用意されているのか、
それとも、血のつながりを越えた家族の愛を描くための布石なのか……。
ジュナが、元の家族に愛と軽蔑を同時に感じているのと同様に、
ヒョンスクも、ジュナに対して愛と憎しみを同時に抱いているんだと思う。
ドンジュもきっと、そういう相反する気持ちを抱えているんじゃないかな。
兄に対しても、母に対しても。
もしかしたら父に対しても?
人間の心って本当に複雑。
だからこそ、ずっとまっすぐなヨンギュとウリの純粋さがすがすがしく輝くのです。
突然倒れたドンジュを心配するウリ。
彼に抱きしめられ、握られた手も苦しくて。
そこへヨンギュがやってきて、ふたりは彼をベッドへ寝かせる。
ジュナからの電話に出たウリは事情を説明するが、
「話しかけないで休ませて」とジュナに念を押された。
ベッドに寝ているドンジュの隣で、ヨンギュがじっと手を握っている。
ヘルメットのライトは点けたままだ。
ドンジュが暗闇を怖がるから。
ミスクさんも暗闇が怖かったけれど、手を握ってあげれば大丈夫だった。
ミスクと同じ目をした青年に優しく接するヨンギュ。
「マルじゃない、チャ・ドンジュさんはこんな顔なんだな……。
うちのマルはこんな顔じゃないのに……」
駆けつけたジュナは、ヨンギュと顔を合わせないよう、口実をつけてふたりを帰そうとする。
「あの人、どこが悪いんですか?」
「子どもも頃、頭を打ちました」
「私、子どもの頃彼と会ったのに、覚えてないって……」
「仕方がない。事故の前の記憶がないんです」
ウリは、それを聞いてショックを受ける。
「そんな……」
ヨンギュは後ろ髪を引かれながら、ウリに連れられて帰って行った。
その後ろ姿をこっそり見送るジュナ。
ドンジュのベッドのかたわらには、点灯したままのヘルメットライトが置かれていた。
「兄さんは、発表会がすんだらアメリカへ帰るんだろ?」
ドンジュの表情を見て、ジュナは言う。
「残ろうか?」
「行けよ。兄さんと母さんには、もう抜けてほしい」
複雑なドンジュの想い。
翌日、ヨンギュはおいしく炊いたごはんをドンジュに届けにいく。
鍵のかかった家の前にあったのは、バケツに隠されたヘルメット。
メモがついているけれど、ヨンギュには読めない。
慌ててウリに電話をした。
ウリはウリで、ドンジュが心配で彼の家の周りをうろうろしていたのだ。
「ポン・ヨンギュさんへ、チャ・ドンジュです。
毎日おいしい魚のごはんをどうぞお願いします。
これはポン・ヨンギュの帽子。
チャ・ドンジュの懐中電灯。
どういう意味?」
「あ、あ、僕わかる、僕わかるよ」
ヨンギュはとても嬉しそうだ。
ドンジュとジュナが新しいオフィスに行くと、母と秘書シネが訪ねてきていた。
嬉しげに振る舞う母に、冷たい態度のドンジュ。
そこへジンチョルも陣中見舞いに現れた。
息子の新事業を応援しようという父だが……。
実は裏で手をまわし、エナジーセルへの妨害工作を行っていたのだ。
しかも表向きはライバル会社が圧力をかけたように見せかけている。
商品生産の工場がこれ以上確保できないとなると、問題だ。
ピンチはチャンス、とばかりに、
ドンジュは「品薄になるほどの人気」「予約生産」のブランドイメージを確立しようとする。
ヒョンスクは心配するが、ドンジュはもう母の手を借りたくはないのだ。
ヨンギュは、魚の餌やりの仕事でドンジュの家に通っている。
魚の世話をするヨンギュが読み書きできないのを知ったドンジュは、
魚の学校ごっこで彼に字を教えてゆく。
ふたりの間の、穏やかで楽しい時間。
様子が気になるウリは、ドンジュの家をこっそりのぞいている。
頭を打って記憶を失ったというのは、本当なのだろうか?
彼の記憶がないのをいいことに、
ウリはでたらめな嘘をついてドンジュを責める。
「お手玉返してよ、私の手垢がついてるからって欲しがってたけど……」
「あれなら最近捨てたよ」
「捨てた?!一番大事なものをあげたのにひどいわ!」
「ん?僕が盗んだって言わなかったっけ?」
話している最中に、ヨンギュがドンジュを呼ぶ声がした。
ドンジュはまったく気付かない。
「ねえ、パパが呼んでるわ」
ドンジュはハッとして、ウリを冷たく追い払った。
ドンジュの家を訪ねてきたジュナは、ウリを誘って話をする。
ジュナと一緒に自分をだましたことに腹を立てているウリ。
だけど、ジュナの方がドンジュよりちょっとだけマシ。
お医者さんだから。兄も、医者になりたがっていたから。
マルのことを思い出して、ウリは涙目になってしまう。
「嘘をついたのはお互い様でしょう。兄さんに会いたいなんて」
「それは嘘じゃないわ」
ジュナは、ウリが言った言葉を正確に復唱してみせた。
あんたなんて兄さんじゃない、そう言ったけど、でも憎いわけじゃない。
「何にも知らないくせに!」ウリはそう言って走って行った。
「何もしらないくせに」ジュナはつぶやいて、彼女の後ろ姿を見つめている。
ドンジュはジュナに、お手玉の手術を頼んだ。
今まで何度も頼んできたように。
大事な大事な自分のお守りだから……。
翌日、ドンジュは、ヨンギュと植物園の所長がもめている現場に出くわす。
そしてヒョンスクが決定したヨンギュのクビを撤回させた。
「これからは僕が指示を出します」
一緒にいたヒョンスクは、怒りを隠せない。
それはドンジュも同じだ。
資金集めのため、ジュナと共に行動する母を憎々しげに見つめている。
エナジーセルの化粧品を唯一生産している工場の名義人は、ジュナだった。
ヒョンスクが名義変更をしてあったのだ。
それがジンチョルの知るところとなり、対決は必至。
ヒョンスクはジュナに警告する。
「そのことを、ドンジュは知っていますか?」
「いいえ。信じられるのはあならだけ。ドンジュにジンチョルの相手は無理よ」
ヒョンスクはそういうが、本心は別にある。
自分の息子の手を汚させはしない。
ジンチョルは、実の息子とあらそえばいいのだ。
その頃おばあさんは、病院へ検査にきていた。
ウリに迷惑をかけたくなくて送りをシネに頼んだが、薄情な娘はさっさと自分を置いていってしまった。
老人性痴呆症に静脈瘤。思わぬ結果に、気が滅入る。
「年をとればどこかしこがおかしくなるもんさね」
そんな祖母の姿を、ジュナが見ていた。
我慢をしていたが、字の読めない祖母が薬の袋を間違えて持って行ったのをみて、
ついに声をかけてしまう。
「ファン・スングムさんですよね、お薬を間違えていますよ」
「あら、ありがとうよ。よく名前を知ってたね」
スングムは、ハッとしてジュナの顔を見る。
あまりのことに、声も出ない。
すがるように追いかけながら、嗚咽が止まらない。
ジュナは人混みの中に、どんどん遠ざかってゆく。
「マル……マル……やっと帰ってきたんだね……」
ドンジュは家に帰り、魚の世話をしているヨンギュと仲良くしている。
そこへ怒ったヒョンスクが乗り込んできて、ドンジュを責めた。
「なぜあんな人を家にあげるの?顔も見たくないのよ!」
「僕たちに会いたくないのはあの人たちの方だよ。
ジュナ兄さんは家族のところへいけないのに、あんまりだ。
いっそ兄さんを、家族のもとへ帰そう。
僕が返してやる」
ヒョンスクは激昂し、ドンジュの頬を平手で打った。
その様子を、ウリがそっとのぞいていた。
(つづく)
記憶を失ったふりをするドンジュ、つらいところですね。
無邪気だった少年時代、最後の思い出をともにした少女ウリ。
話をしたいし、謝りたい。
でも、彼が復讐のために嘘をついていきてゆく限り、それはゆるされないことなのです。
ほんと、彼にとってのウリやヨンギュは、ピュアな心の象徴。
人を憎む気持ちを捨てないと、本当の意味で彼らには近づけないのよ……。
わかっているからこそ、つらいドンジュ。
彼はお母さんのこともやっぱり愛しているからね。
マルじゃないのに……といいながら、
ヨンギュはついついドンジュにくっついていってしまう。
それは、ドンジュがミスクさんと同じ目をしているから。
口元を読もうとして、じーっと見つめるあの目のことを言っているわけよね。
「なぜそんな目で睨むの?」って言われちゃって、ウリにはぜんぜんわかってもらえてないですけど。
それと同時に、マルと兄弟のようにして育ったドンジュには、
マルのにおいがついているんだと思う。
どこかにマルの面影が映っているから、ヨンギュもあれほど気になるんだと思うんだ。
15年も互いを杖にしあって支え合ってきたふたりだから、
きっと本当の兄弟のように、似ていたり、違っているところがあるんだと思う。
マル、油断したねぇ。
さすがにちょっと声かけただけでは、ハルモニはわからないと思ったのかい?
字もろくに読めないハルモニが、薬を飲み間違っては可哀想だと思ったの?
いやいや、油断しすぎですよ。
あの口の悪い意地悪ばあさんが、どんだけあんたのことを愛していたか。
ヨンギュに負けないくらい、あんたのことを愛していたんだよ。
このシーンのハルモニの演技は圧巻。
うう、思わずもらい泣きしそう。
このままハルモニはマルを見失ってしまうのか?
みんなに報告しても、痴呆症だと一蹴されてしまいそうだし、どうなるかね?
死ぬまでに、ちゃんとマルに再会させてあげたいなぁ。
ドンジュは、自分の母親と一緒にいるジュナに、嫉妬してる。
というか、母親に怒ってるんだよね。
自分を評価してくれない母親に。
出来のいい兄ばかり頼りにしてかわいがる母親に。
実はその母の態度も演技で、実際心から愛しているのはドンジュだけなんだけど、
そういうのは複雑すぎて、彼にはわかんない。
実際どこまでが「演技」なのか、ヒョンスク自身にもわかってない感じだし、仕方ないかな。
でもさ、ドンジュはお母さんを取られた、と感じているかもしれないけどさ、
ジュナだって、お父さんをドンジュに取られたも同然じゃん。
字を教えてあげたりさぁ。
今のマルが、してあげたいことをドンジュがやってんじゃん。
おあいこだよ、と私は思います。
お?しかし複雑だよね。
ヨンギュとウリは、血のつながりは皆無。
ヨンギュとマルだって、実は皆無なんだよ。
だってヨンギュ自身が、ハルモニの実の息子じゃないんだもん。
彼はいったい、どんな身分の人なんだろう?
実はヒョンスクの兄だったりして。
あ、でもそうなるとハルモニがウギョンを憎むのがおかしいか。
う~ん、韓ドラ的に、あっと驚く展開が用意されているのか、
それとも、血のつながりを越えた家族の愛を描くための布石なのか……。
ジュナが、元の家族に愛と軽蔑を同時に感じているのと同様に、
ヒョンスクも、ジュナに対して愛と憎しみを同時に抱いているんだと思う。
ドンジュもきっと、そういう相反する気持ちを抱えているんじゃないかな。
兄に対しても、母に対しても。
もしかしたら父に対しても?
人間の心って本当に複雑。
だからこそ、ずっとまっすぐなヨンギュとウリの純粋さがすがすがしく輝くのです。
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