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北軽井沢番外編・61~ミヤマオトギリ

 “鬼押出し園”の岩場に生育する「ミヤマオトギリ(深山弟切)」。草丈は20~25センチで、葉の縁には黒点が多く見られる。長野県に多く自生することから「シナノオトギリ(信濃弟切)」とも呼ばれるが、同じ亜高山帯に生育するイワオトギリ(岩弟切)は葉の縁に黒点が見られない。ミヤマオトギリはオトギリソウ科(←フクギ科)オトギリソウ属の多年草。
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カイノキ・1~葉

 下柚木の“大学セミナーハウス”に植栽されている「カイノキ(楷樹)」。ウルシ科カイノキ属の落葉高木で中国や東南アジア原産。「ナンバンハゼ(南蛮櫨)」や「クシノキ(孔子の木)」の別名もある。

 吾十有五而志于学
 三十而立
 四十而不惑
 五十而知天命
 六十而耳順
 七十而従心所欲、不踰矩
(我、十五にして学に志し、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳したがう、七十にして心の欲するところに従っても矩(のり)をこえず(=道を踏み外すことは無い))

 『40にして惑わずサモンを飲む!』を思い出された方は、同世代(もしくはもう少し先輩?)かと思われるが、それはともかく、これは紀元前552年に生まれた孔子の言葉(論語)。その孔子の墓に弟子の子貢がこのカイノキを植えたという。そして中国では科挙(隋~清時代に行われた官僚登用試験)に合格した者に、カイノキから作った笏(しゃく=正装の際に右手に持つ細長い板)を授けたことから、カイノキは“学問の木”とされている。徳川綱吉によって建てられた孔子廟“湯島聖堂”は、後に幕府直轄の学問所となり、日本の学校教育発祥の地となったが、そこにも当然カイノキの大木がある。文字の書体の“楷書”は、カイノキの葉が対生で綺麗に揃っていること(偶数羽状複葉)に因んでいる。
 たっぷりと学問をしたところで息抜きにビールを一杯。そのおつまみにピスタチオを摘まんでみると、これがカイノキの近縁種の果実ということになる。カイノキの学名“Pistacia Chinensis Bunge”を見れば納得。
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