私が支援する自閉症の方、また仲間として活動している自閉症の方に
どのように生活の広がりを支援できるだろうか?ということをよく考えます。
また、ネット仲間の(自閉症児・者の)お母さん達が普段苦労していることとして、
新しい場所に連れて行くことの困難を挙げられる。
どうにか、こうにか連れて行ったら、次から拒否がでる。
私の考えを少しまとめます。
自閉症の方は、見通しが持てない環境に不安を感じます。
しかし、これは自閉症のだけでなく、もちろん我々も同じことも言えます。
例えば、海外旅行に出た時など。
しかし、我々は辞書を使ったり、質問をして聞いたりして、現状を探り
ああ、大丈夫なんだ!!と(概念・意味として)理解するわけです。
ところが自閉症の方の多くは、視覚的に状況を掴むので、
その状況の変化が理解できなくなることがあるのです。
(我々は不安になると様々な情報を探ります。しかし、自閉症の方は
例えば何かにこだわりが強くなったり、細部を探ったりいく。)
我々サポーターは、「般化」といってるのですが、
自閉症の方は視覚的な状況を強く理解します。
言い換えればそれをヒントに理解し・行動する。
(コレをパターンで動くと言ってらっしゃる方もいるかも知れません。)
しかし、それでは状況が変わると、同じ活動でも
出来なくなってしまったり、抵抗をしてしまう。
そこで、重要なことは、活動を状況理解で動くのではなく、
様々な視覚的な手立て、つまりスケジュールなどの構造化で理解し行動することで、
同じような活動を他の場面でも同じシステムの構造化を使うことで、
見通しを持って行動できる。・・・というのを基本的な考えでもっています。
(ま、上手くいかないこともあります。)
外出や慣れない活動の時は、日ごろ慣れ親しんだ、生活の中の本人合った支援
(構造化された支援、特にスケジュール)を新しい活動、外での活動、
集団での活動は、本人にとって不安や見通しがもてないものを、
構造化を使うことで見通しをもって活動できる。安心できる。
苦手な活動で安心して行動できたことは、自信につながります。
無理につれていかれるのではなく、自分で気付いて活動するので、
自尊心が育ちます。
誤解をして欲しくないことは、「構造化を使ったら何処でも頑張らせることができる」
ということではないのです。本人の認知特性、社会性の特性を考慮も必要です。
| Trackback ( 0 )
|