LOVE - GOLDEN APPLE

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杉原千畝 スギハラチウネ

2015-12-05 20:42:24 | 映画



本日、初日に観に行ってきました。岡谷スカラ座です。結構お客さん入っていましたよ。

まず一言。これは、じっくり見る映画
杉原千畝さんが6000人以上の人にビザを発給しました、という内容だけではなく、杉原千畝さんを通して、あの時代のヨーロッパと日本と世界を描いた映画だと思います。そして、とっても丁寧に作られている印象。





最初¥に杉原さんの諜報活動の一部とし、て若き日の杉原さんが満州鉄道に絡んだ活動が描かれています。この場面に登場してくる列車など、場面場面のセットが本当にリアル。今までの日本映画にはない感じでした。

ほぼ全編がポーランドで撮影されたというこの映画。日本の場面もポーランドで、という事だそうです。奥さんの幸子の家の入り口は、戦前のごく普通の日本家屋で、今の時代から見れば本当に懐かしく思える風景ですが、これもポーランドで一からセットを作り撮影したという事。ポーランドで、って良くこれだけ日本を思い出させるセットを作れたものだ、と感心。




また、千畝さんと奥さんが結婚する前に良くデートした場面が連続で出てくるのですが、この場面もポーランドでのロケ。ポーランドなのに、戦前の美しい日本を良く現していたと思います。
そのほかのセットやドイツ軍、ロシア軍の部隊やユダヤ人が強制的に連れ去られるシーンなど、多くのエキストラさんを使い、今までの日本映画にはない迫力のある演出だったと思います。これも現地ロケ、の賜物でしょう。
ポーランドって、結構今回のような時代の映画が良く作られているという事です。あの「戦場のピアニスト」や「シンドラーのリスト」などもポーランドで撮影されたとか。郊外の町などは古い町並みがそのまま残っていて、この時代の撮影にはぴったりという事だそうです。





こういう演出の仕方って、この映画、世界公開も視野に入れているんでしょうか。それとも、もう既に決定?
今回のような内容の映画だったら、世界公開、絶対してください、と言いたいですね。

この映画を見終わって、これは唐沢寿明さんの代表作になるのではと思っていたら、プロデューサーの飯沼さんによると、唐沢寿明の映画の代表作を作りたかったという事でした。ただ、若干、ビザを発給するかしないかの時の、心の葛藤の描き方が弱かったかな、と感じました。
でも、あの時、もうちょっとでロシアに占領されてしまうリトアニアなので、そうなった場合、もうどこにも出国出来なくなってしまうユダヤ人の事を考えたら、やるしかないという状況だったとは思います。特に、領事館を取り囲んでユダヤ人の人々が朝に晩に立ち尽くしていた訳ですから、とても人間として見逃す事は出来なかったと思います。

また、今回の映画ではリトアニアを出国した後、杉原ビザを持ったユダヤ人はどうなったのかも描かれています。
多くの方は杉原千畝さんの事はご存知と思いますが、その後の事は良く知られてはいません。この映画にも描かれていたように、在ウラジオストック総領事代理の根井三郎さん、更にはJTBの大迫達夫さんの行動がユダヤ人達を日本に導くのです。
そして、「天草丸」は多くのユダヤ人を乗せ敦賀を目指しますが、映画に絵が描かれていた日本の風景を目前にしたこの「天草丸」の姿は、モーゼの時の「出エジプト」を彷彿するようなシーンに思えてしまいました。
今回、ここまで映画の中で描いてくれたのにびっくり。でも、杉原さんだけではなく、多くの日本人がこのユダヤ人を救うのに協力してくれたという事を知らしめてくれたので、良い演出だと思いました。

その後、日本についたユダヤ人の事も描くのかと思ったら、そうではありませんでした。そこまで描いたら、また別のストーリーになってしまうと思いますから。でも、そこには小辻節三さんというもう一人の日本人がいるんですね。(本当は、そこにもちょっと触れてほしかったですが。)

杉原さんの事は今では良く知られている事ですが、今回の映画は歴史的事実を背景に、当時の状況を良く描いていると思いました。
唐沢さん初め、日本の俳優さんたちも個性的であまり違和感ありませんでした。小雪もぶりっ子すぎると思いましたが、そういう事を払拭し、画面にとけ込んでいたと思います。
また、現地オーディションで参加しているポーランドの俳優さんたち。演技達者でそれぞれ個性的でした。特にペシュ役を演じたボリス・シッツさん、smileという言葉が印象的でしたね。







という事で、今回は

🍎🍎🍎

とさせて頂きました。



「杉原千畝 スギハラチウネ」予告2