書店に行くと、田中角栄本が多く並んでいるのに気づきます。
最近は何回目かの角栄ブームだということです。
田中角栄に関しては、ロッキード事件などお金にまつわることも多く、金権政治などとも言われているため嫌いという人も多いようです。角栄さんが今の時代に生きていたら、即刻クビ、のようなことになっていたかもしれません。
でも、昨今は上っ面ばかりで真に国家、国民のことを考えるような政治家は全くいないように思え、角栄さんのような政治家って、もう出てこないだろうなとは常々思っていました。
ですから、今のような角栄ブームをいいじゃない、という感じです。
昨年は、
田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得
という単行本が発売され、若い人を中心にかなり売れたようです。
また今年は
天才
| 天才 |
石原 慎太郎 |
幻冬舎 |
という、石原慎太郎さんが角栄さんになりきって書いている本がまた売れているようです。
角栄本を全部読んでいるわけではありませんが、私の印象に残っている角栄本は、少し古いですが2002年発売の津本陽さんの
異形の将軍 田中角栄の生涯
です。
いわゆる伝記ものですが、非常にわかりやすく書かれてあります。ドキュメントですね。 v
角栄さんの生涯の中で特に印象に残っていることが二つあります。それは
角栄さんは字がうまかった
土方のおじさんの言葉が日本列島改造論に影響を与えた
ということです。
まず、小学校しか卒業していないのに履歴書の字がとても綺麗だったという理由で、柏崎の県の土木派遣所に採用されます。そこから発展の糸口を掴み、東京に行くことが可能になるわけです。
そして15歳の時に一緒に働いていた土方のおじさんが
「
土方はいちばんでかい芸術家だ。土方は地球の彫刻家だ。」
というのです。おじさんのこの言葉が15歳の少年の心に響くんですね。
また最初の就職先が土木に関係するところだったというのがミソ。この時からもうすでに将来は決まっている、としか言いようのない人生の転機。戦争でも怪我して帰ってきちゃうし。もう、なるべくしてああいう総理になったというしか言いようのない角栄さんの人生です。字が綺麗だった、土方のおじさんと知り合ったという、普通に考えたら大したことにも思えないことが、人生の転機につなっがていくとという。。
なんか不思議ですね。.,
お金に関しては、現在とは比較にならないほど大きなお金を動かしていたようですが、それも当時としては必要悪だったのでしょう。そうしなければたちまち権力の座から引きづりおろされてしまうような、政治の世界。
そういうダークな面も随分と目だってしまう角栄さんの人生ですが、それなのになぜ、何回も角栄ブームが起きてしまうのでしょう。
それは角栄さんの日本の国、国民に対する情熱というものが、人々の心に響くのかもしれません。
最近の形ばかりの代議士先生たちにはない魅力です。
お金のことは別にして、情熱とパワーに溢れた角栄さんのような政治家の登壇を、庶民は期待しているのかもしれません。
今、日本に必要なのは田中角栄だとはiRONNAでの言葉。
本当にそうかもしれませんね。日本という国を愛し、情熱を実行力を持った政治家、田中角栄。
角栄さんのこと、知ってみませんか。