またまたテレビの話題でアレなんですが、昨晩のテレビで久しぶりに上杉鷹山の名前を聞きました。
ケネディ大統領が最も尊敬する日本人としても知られているこの方。でも、日本人にはあまり馴染みのないお方で、名前を知っている方も少ないようです。どういうわけか、私はこの方の名前を以前から知っていたし、ケネディ大統領の事も知っていたので、米沢まで足跡を訪ねた事もあります。
不思議なのは、日本人もあまり良く知らない上杉鷹山の事を、なぜケネディが知っていて、なぜそんなに尊敬していたのか、という事。
一説によると、内村鑑三の英文で書かれた「Representative Men of Japan」という本の中でこの上杉鷹山のことが紹介されていた、という事です。1908 年に出版された本だということで、ケネディ大統領はおそらくこの本を読んでいるのでは、と言う事らしい。
ですが、この一連のことが本当なのかどうなのかは良く分かってはいないようです。ケネディは本当にそう言ったのかどうか、言ったとしても単なるリップサービスとかなのか。。
ところで、ケネディも数ある演説を行って来ましたが、有名なのは
And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you―ask what you can do for your country.「ですから、アメリカ国民の皆さん、国があなたに何をするかを問うのではなく、あなたが国に何ができるかを自問してください。」
という就任演説の一節。
また、私が最も好きな演説はアメリカン大学での演説です。
What kind of peace do I mean?私が心に描く平和とはどんなものでしょうか。
What kind of peace do we seek?私たちが追い求めている平和とはどんなものでしょうか。
Not a Pax Americana enforced on the world by American weapons of war.アメリカの戦争兵器によって世界に強要されるパックス・アメリカーナ(アメリカの安定;特に20世紀以降のアメリカの支配下での平和と安定)ではありません。
Not the peace of the grave or the security of the slave.それは墓場による平和でも、奴隷の安全でもありません。
I am talking about genuine peace, the kind of peace that makes life on earth worth living, the kind that enables men and nations to grow and to hope and to build a better life for their children--not merely peace for Americans but peace for all men and women--not merely peace in our time but peace for all time.私は、真の平和について述べています。それは地球上の人生を生きるに値するものにし、また人々や国家が成長し、更に希望を抱いて、その子供たちのためによりよい生活を築くようにすることを可能にする平和です。--それは単にアメリカにおける平和ではなく、全ての男性、女性たちの平和であり、--単に私たちの世代のみならず、全ての時代における平和です。
と言っています。
感動的な内容の演説ですが、この時代に、peace、peace って一体何回言ってるの、と驚いてしまうような内容です。これが、暗殺にあう五ヶ月前のこと。この内容の演説では武器商人とかに殺されても不思議ではないかも、と思ってしまいます。時代が悪かった。が、この時代に、こういうような内容の演説をケネディ大統領が行ったということは、もしかしたら上杉鷹山の影響もあるのか、と考えたら、歴史の不思議を感じてしまう。
上杉鷹山は35才という年齢で家督を上杉冶広に譲り隠居します。その際に「伝国の辞」を残しています。
「伝国の辞」
一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候
一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候
この通りの事をして来た鷹山。そして、どういうような事をして来たかが具体的に内村鑑三の本にも書かれています。そこに、ケネディは感銘を受け、影響を受けたのでしょうか。
アメリカン大学での演説を聞く限りでは、ケネディももっと生まれるのが遅かったら暗殺されなかったのではないのかとも思えてしまいます。
というのは余談ですが、時空を超えて、内村鑑三、上杉鷹山そしてケネディを絡ませた内容のドラマって面白いかも、と想像してしまいます。そうでなくても、大河ドラマ候補に上杉鷹山をあげる人もいるので。
が、ケネディの言葉も本当かどうかはっきりはしてないので、その辺りが問題になってくるかもしれません。
でも、こういう内容だったら、全ての年代の視聴者が楽しめるかもしれないですね。
今こそ、国家というものをみんなで考えよう、とか言って。
内村鑑三さんの鷹山のパートの最後に、鷹山のお葬式の事が引用で書かれていますが、多くの人が悲しみ、山も川も植物も一緒になって悲しんだ、というように書かれていますが、ケネディもそうなりたい、と思ったのかもしれません。