「学校水泳」の特色として、チーム意識の高さがあげられます。
この意識の高さは、同じ目標に向かって組織で切磋琢磨しているということから自然と生まれてくるものです。
本校には体育クラスがあり、3年間同じメンバーで過ごします。
クラブ活動で練習をしている仲間と、勉強も共にし、合宿所の生徒は日常生活まで一緒です。
教員との結びつきも強くなります。
このような人間関係の結びつきは、チーム意識が高まることにつながります。
その意識は、学校対抗で行われる東京都大会、関東大会、インターハイで発揮されることになります。
特にリレー競技においては得点が二倍になるということもあり、リレーで勝利することが大切な価値を持つことになります。
水泳は基本的に個人競技ですが、団体としての意識が高まることで自分の力をより発揮することができるわけです。
練習では皆で声を出し合うことで、一人では乗り切れない練習にも挑戦することができます。
大会でチームの仲間が良い成果を出せば、チーム全体の雰囲気も高まります。
チーム意識は、Aチームの水泳に対する意識だけでなく、Bチームの学習に対する意識にも影響しています。
学習成績を大幅に上げて、一般入試で難関私大に合格した生徒がいれば、そのノウハウを後輩につなげていくことができます。
かつて、中学校時代に学年でビリの成績だった生徒が一般入試でGMARCHクラスの大学に合格した時は、お手本として大変良い影響を後輩に与えてくれたものです。
同じクラブで培った人間関係は、卒業後にもつながっていくこととなります。
水泳部OB会の存在がそれを示しています。
卒業後は泳力や学力などは関係なく、大人として仕事等の面でつながりをもつことになります。
それは同学年だけでなく、上下の関係にも及びますから学校のクラブ活動のつながりというのは人生にとって大切なものとなります。
本校は男子校ですから、男どうしのつながりとして生涯続いていくことになります。
学校水泳の特色である「チーム意識」は、生涯の宝となるのです。
竹村知洋