人が生きていくうえで大切なのは、テストで良い点を取ることだけではないことはいうまでもありません。
何が大切かということは人それぞれかと思いますが、それらをまとめて「人間力」と呼ぶこととします。
部活動は総合的に「人間力」を高めるのにふさわしい活動といえます。
例えば、先輩や後輩との関係を通して人に対する「思いやり」を学んだり、大会に向けて自分の能力を限界まで引き出すことに挑戦することを通して「忍耐力」を養ったり、成功や失敗を経験することで「豊かな情緒」を育んだりすることです。
学校は成績によって序列があり、産業界もそれに従って人材を採用していることで、テストで点数をとる能力が高ければ、将来の選択肢が広がる可能性はあります。
経済的に安定することは生きていくうえで大切なことですが、それが人生の価値とイコールではありません。
むしろ将来を考えると、受験学力だけが高くて「人間力」を備えていない人の方が心配になります。
学校は人間を育成する場所であり、それは学力を高めることだけに限りません。
そして多くの生徒は、勉強のためだけに学校に来ているわけではないと思います。
私たちは部活動を大切な教育活動の一環であると考えています。
部活動に取り組むことによって、教室の授業だけでは養うことが難しい総合的な「人間力」を培うことができるからです。
「思いやり」や「忍耐力」は点数のように目に見える形で示すことはできませんが、そのような「人間力」を備えた人は将来、有意義な人生を歩むことができることでしょう。
昨今のニュースでは部活動が廃止や削減の流れにあることを報じていますが、一度やめたものはそう簡単には戻せません。
大切なものを失う前に、もう一度部活動の意義について考えてみる価値はあると思います。
毎朝、みんなで清掃しています。
竹村知洋