現在、学校教育において部活動はあくまでも「生徒の自発的・自主的な活動」であって、必須のものとは位置づけられていません。
そのため、部活動は教員の仕事として生徒の課外活動を支援するというものにすぎません。
教員業務の中心は、担任業務・教科担当・校務分掌に定められた業務であって、部活動は本来の業務に含まれておりません。
そのため放課後は様々な会議や生徒指導などがあり、部活動の指導にあたることが難しいこともあります。
また自分の専門種目でもない運動部や文化部を担当している教員にとって、部活動は大変な重荷に感じられることもあるでしょう。
学校における部活動の立場があいまいであるにもかかわらず、部活動指導には大変な時間や労力がかかる上、生徒や保護者から要求されるものが非常に高いです。
リスクを負うばかりで過重な労働となっている部活動の現場では、教員にかかるストレスも相当なものがあるはずです。
さらに近年、政府が施策としてすすめている働き方改革では、労働時間を短縮するため有給休暇の取得を義務づけることになっており、現場の教員は本来の業務と部活動の狭間で悩まれているのではないでしょうか。
一方でスポーツに対する期待や活動は年々高まっており、水泳では2020年の東京オリンピックにむけて様々な事業計画が進められており、東京都水泳協会でも長期休みはすべて強化合宿が組まれています。
私もここ数年、長期休みでも連休どころか、休みが1ヶ月に1日あるかないかという日々を送っており、昼食を摂る暇もないという日もよくあります。
幸いなことに水泳部は、選手の頑張りやスタッフの協力により全国優勝という成果を収めることができていますが、もっと練習時間をのばして欲しいという強い要望を抱いている保護者のお話も聞きました。
水泳部スタッフが身心共に可能な限り対応したいとは考えていますが、選手や保護者のすべての要望にお応えするというのは時間や施設に限りがある以上不可能なこともあります。
現在、学生コーチは大学の授業の合間をぬって交代でBチームを見てくれており、専任教員・非常勤講師のスタッフはそれぞれの担当グループを責任をもって指導しております。
また竹原先生が大会関係の手続きや学校への申請、部費等資金面の管理など煩雑な事務的作業をすべて担当してくれていますので、私たちは水泳部員の指導に集中することができています。
恵まれたトレーニング環境と学校側の多大なるご支援、水泳部OB会のご協力の上に全国中学校・インターハイでの総合優勝を果たすことができたのですが、残念なことに心ない言葉で水泳部の実績を批判される方もいます。
私たちは教員という立場で、水泳を通した人間形成を図り、先人の築いてきた伝統を守りたいという気持ちで部活動に取り組んでいます。
決して金銭的利益や名誉というような私欲のためではなく、あくまでも公に関わる教育活動の一環としての部活動で人材育成に励んでいます。
至らぬ点は多々あるかとは思いますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
竹村知洋