今は練習はできていませんが、再開できた時のためにトレーニングの理論を学びましょう。
練習をやっていてもそのトレーニングをやっている理由がきちんとわかっているかどうかで練習効果に差が出ます。
まずは「筋肉の性質」です。
筋肉は大きく分けて2種類あり、それは「速筋」と「遅筋」です。
「速筋」は白い色をしており、大きな力を短時間に発揮することができます。
「遅筋」は赤い色をしており、小さな力を持続して出すことができます。
魚でいうとタイやヒラメなどの白身魚とマグロやカツオのような赤み魚の違いです。
赤い色は血液中のヘモグロビンで、酸素を運搬する鉄が赤みを出しています。
「速筋」と「遅筋」の割合は生まれつき決まっており、「速筋」の割合が多い人は短距離選手に向いており、「遅筋」の割合が多い人は長距離選手に向いているというわけです。
トレーニングは「速筋」と「遅筋」のどちらの筋肉を鍛えるかでその内容が変わってきます。
そして自分の種目がどちらの筋肉をより必要としているかも知る必要があります。
トレーニングで変化をさせやすいのは、「速筋」の白い割合よりも「遅筋」の赤い割合を増やす方です。
つまり「白」→「ピンク」→「赤」は変化しやすいですが、その逆は難しいようです。
これはスピード能力よりも持久的能力を鍛える方がやりやすいということを示しています。
50・100mの選手は200・400mを鍛えて成果を出せるかもしれませんが、1500の選手を50・100mで成果を出すのは難しいかもしれません。
しかし、さぼっていると「赤色」は直ぐに失われ、「白色」の割合が増えてきます。
つまり持久力は失われやすく、自分ではそれを自覚しにくいのです。
今、長距離の選手で練習が出来ていない人は何とか工夫して持久力を保つするようにしなければなりません。
ちなみに「ピンク色」の筋肉は、スピードと持久力の両方の能力に長けていることになります。
基本的には「ピンク色」の筋肉を目指して頑張ることで色々な場面で対応できることが広がります。
竹村知洋