たまには、建築士らしい話題。
近頃・・・(といって良いかどうか)、サッシの形が様々になってきましたね。
丸窓、スクエア窓、タテスリット、ヨコスリット、三角窓、アール窓、上げ下げ窓・・・。
現在進行形で、工事監理をしている(始まったはかりも)住宅3軒。
いずれも、タテスベリ窓(開き窓)やヨコスベリ窓(下がスライドするタイプ)がほとんど。
引き違い窓は一軒の住宅で2~3窓、あるかなって感じです。
デザインはもちろんですが、気密性が高いと言う点で、
タテスベリ・ヨコスベリが主流になってきているのが事実。
引き違い窓、ガラス面の掃除は楽ちんですが、レールの掃除は、間違いなく煩わしい。
古臭いと言われたこともありますが、引き違いの欄間サッシはちょっとした換気にも重宝で、
室内で洗濯物を干すスペースに適しているんだけど、
ただ、高気密高断熱仕様だと、そうしたスキマを作ることがNGとも言われたり。
流し台の正面につけた窓が開き(スベリ)窓だったりすると使い勝手が悪いだろうし。
外を人がよく通るところに開きもどうかな・・・?
・・・要は、私が引き違い窓が結構好きってことなのですが(汗
引き違い窓(戸)は日本独特の物。
一般住宅では畳をはじめ『和』が廃れていく傾向で、引き違い窓も然りなのかな。
大きなガラス面は熱損失も大きいけれど、やっぱり自然の光にかなうものは無し。
結局は一長一短あるわけです。
熱量計算・・・確かに間違いなく数字で弾く性能は大事ですが、
見た目も大事、使い勝手も大事。
また、防犯性も考慮しなくてはいけないし。
そうそう、基本的なことになりますが、スリット窓や小さいスクエア窓だけでは、
建築基準法で言うところの『採光』をクリアできないこともあります。
また、一戸建て住宅の場合200㎡を境に、
換気か排煙(いわゆる)の開放面積も確保しなくてはいけないことになっています。
適材適所ならぬ、適窓適所。
以上、窓の形がいろいろと悩ましい、この頃の私でした。
ふるとちかこ建築設計室http://www.c-fulltone.e-arc.jp/