Full-Tone

女性建築士・ふるとちかこの徒然なるままに

窓のかたち

2010-07-25 23:15:47 | 家づくり

たまには、建築士らしい話題。

近頃・・・(といって良いかどうか)、サッシの形が様々になってきましたね。

丸窓、スクエア窓、タテスリット、ヨコスリット、三角窓、アール窓、上げ下げ窓・・・。

現在進行形で、工事監理をしている(始まったはかりも)住宅3軒。

いずれも、タテスベリ窓(開き窓)やヨコスベリ窓(下がスライドするタイプ)がほとんど。

引き違い窓は一軒の住宅で2~3窓、あるかなって感じです。

デザインはもちろんですが、気密性が高いと言う点で、

タテスベリ・ヨコスベリが主流になってきているのが事実。

引き違い窓、ガラス面の掃除は楽ちんですが、レールの掃除は、間違いなく煩わしい。

古臭いと言われたこともありますが、引き違いの欄間サッシはちょっとした換気にも重宝で、

室内で洗濯物を干すスペースに適しているんだけど、

ただ、高気密高断熱仕様だと、そうしたスキマを作ることがNGとも言われたり。

流し台の正面につけた窓が開き(スベリ)窓だったりすると使い勝手が悪いだろうし。

外を人がよく通るところに開きもどうかな・・・?

・・・要は、私が引き違い窓が結構好きってことなのですが(汗

引き違い窓(戸)は日本独特の物。

一般住宅では畳をはじめ『和』が廃れていく傾向で、引き違い窓も然りなのかな。

大きなガラス面は熱損失も大きいけれど、やっぱり自然の光にかなうものは無し。

結局は一長一短あるわけです。

熱量計算・・・確かに間違いなく数字で弾く性能は大事ですが、

見た目も大事、使い勝手も大事。

また、防犯性も考慮しなくてはいけないし。

そうそう、基本的なことになりますが、スリット窓や小さいスクエア窓だけでは、

建築基準法で言うところの『採光』をクリアできないこともあります。

また、一戸建て住宅の場合200㎡を境に、

換気か排煙(いわゆる)の開放面積も確保しなくてはいけないことになっています。

適材適所ならぬ、適窓適所。

以上、窓の形がいろいろと悩ましい、この頃の私でした。

ふるとちかこ建築設計室http://www.c-fulltone.e-arc.jp/

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