15年ほど前になると思うのだけど、
建築士会の全国大会で出会って購入した本。
何気なく買ったのだけど、表紙に使われているステンドグラスの写真は、
「青森県・宮越家」と記載されていました。
巻頭にもカラー写真が載っていて、一瞬で虜になってしまう美しさ。
ステンドグラスの概念を変えてしまうくらいの設えが写真から伺えます。
筆者が、記録からここを探し出して、
訪ねて行くまでのストーリーにも、心打たれました。
当時、知ってそうな人に聞いても手掛かりがありませんでした。
けれど、去年・一昨年あたりから、
公開に向けての調査修復がされていると、
県内ニュースで報道されて、心待ちにしていました。
今年の年末には一般公開が始まるらしいのですが、
先駆けて、ヘリテージマネージャーフォローアップ講習が、
こちらの建物で開催されました。
北津軽まで、片道2時間半の結構な距離でしたが、
かねてより、見学したいと思っていた建物だったので、
テンションが上げ上げの道中となりました。
さて。
「いつかきっと!」の念願かなって、実際に足を運んでの感想です。
外観は奇抜な造りではありませんが、
使われている材料が一つひとつ吟味されたもので、
ひと目で違いを感じる、そんな建物でした。
ステンドグラスだけでなく、襖絵や境欄間の彫刻、
お風呂や便所にも拘った造作が為されていました。
何処も此処も惚れ惚れしてしまう、いつまでも飽きずに居られる、
残暑の中でも心地よい風が吹き抜けて、
そして、何よりも品格のある建物でした。
残念ながら、公開前の物件なので、撮影した写真は個人で楽しむのみ。
斜陽館もそうですが、「どうしてこんなところに、こんな建物が!!」
公開されると、ガイドブックなんかも発行されるのかな。
楽しみ、楽しみ・・・。
肝心の講習会ですが、実際に調査修復に携わった方の説明を聞き、
小さな根拠が、創建時の推測、改修の経過、色々考察することに
つながることを改めて実感。
繊細さが必要ですね。
あと、風流な感覚とか、美術工芸の知識とか、根気も!!
私もこんなお仕事に携わりたいと、思う一日でもありました。
@ふると