昔、宝石

の営業をしていた時期がある。忘れもしない20代前半の、”働く青春”の日々。決してセールス向きではない性格の私が、自ら飛び込んで、世間の厳しさや温かさ、礼儀を学んだ3年間だった。そこでの毎日は、本一冊書けそうなくらい濃かった。若くて素直なうちに、あんな崖っぷち生活を経験しといて良かったなぁと思う。
・・・で、何故その話題かというと・・・出てきたのだ、存在を忘れていた指輪が!!
当時、自分が売る側なのだから、当然自分でも

何個か購入して身につけていたのだが、1つだけ会社からもらえる指輪があった。それは、売上目標額を達成した時にもらえる金の指輪。名誉な指輪なのだが、デザインがメンズ的で、いかにも成金ぽいのが嫌で、私は身につけなかった。
時は流れに流れ・・・今では指輪をすることなど、すっかり無くなってしまった。たま~に、フラメンコとは関係なく、ちょっとオシャレして出かける時ぐらいのもんだ。先日、その「たま~に」の機会があり、あれこれ指輪を取り出していたら、奥からその成金指輪が出てきた。まー、懐かし!
「こういうの、買い取りに出したりするんじゃないかなぁ?」と夫に持ちかけ、「3000円くらいになったらラッキーやね」と話していた。
昨日、夫が「良かったねー、臨時収入やん!!」と言って帰ってきた。なんと予想の6倍だった。
宝石や、ブランドの鞄や靴、全て若かりし会社員時代に購入した物。その時の私には必要だったのだろうが、今はシーン!と興味が無い。だけど買わなければ良かった、無駄だった、とも思わない。鞄や靴は棄ててしまったが、今もたま~に身を飾ってくれる指輪は、あの頃の深い思い出と共にある。