MOTHER ~君わらひたもうことなかれ~
これはいつ上演したんだったっけかな?ともかく、観に行けなかったんだ。もしくは観に行かなかったんだ。ともかく、観てないお話。
今回MOTHER ~君わらひたもうことなかれ~は『妻をめとらば ~晶子と鉄幹~』となり、オイラの前に現れた。2度も見逃してなるものか、とチケゲット。
藤山直美さんの舞台も初めて。っつーか、新歌舞伎座(新しくないけど・笑)自体が初めて。初めてづくしのこの芝居、6月24,25日と2回観劇であります。
さてさて、明治から大正に掛けての知識の薄いオイラでも、物語を追っかける事が出来たのであろうか。
役別レポ、敬称略でスタート♪
■与謝野晶子 ◆藤山直美
あまりにも有名な歌人・晶子を演じたのは藤山直美さん。晶子に対する知識はほとんどない私。気性が激しい、気ままな女性ってのが晶子に対して持っている印象。鉄幹を横恋慕したってイメージがきついんだよね。個人的に役者さんのイメージとしてはドリさんになっているので、直美さんの晶子ってどうだろう・・・ってのも感じつつの観劇であった。
直美さんの晶子は、肝っ玉かあちゃんちっく。関西弁でズバズバしゃべるその滑らかさに唖然。さらにもっとすごいのは、肝っ玉ちっくなのに、繊細なのだ。言葉遣いの美しさも時代を反映してる気がする。
喧嘩するほど仲がいい。そんな鉄幹との温かい暮らしを描いた物語だった気がする。この物語の中の晶子は、誰よりも鉄幹の才能を尊敬していたもの。
今回の物語では9人目を仕込んだところで終わりだったが、実際には12人も子供を生んだのね・・・晶子すご過ぎ
■与謝野鉄幹(寛) ◆香川照之
友達がファンなんだよね、香川さんの。私的には普通だったんだけど・・・いい感じの鉄幹を演じてましたねぇ。
鉄幹の隆盛に陰りが差しはじめたところから話が始まる。詩を詠むことに対しては、鉄幹は確かに過去の人となりつつあったが、文学の美を感じる力は衰えていなかった。そして、その美を認める潔さがあった。しかし、美を感じるが為に、鉄幹は自分の限界を感じて辛かったのだろうと思う。
一番好きな台詞はね、「君を妻としたことは、詩を妻にしたと同じなんだ」ってトコ。晶子の才能を誰よりも理解し尊敬していたのは鉄幹だったんだろうな。香川さんの演じる鉄幹には、脆さと強さとを感じた。
■平塚雷鳥(明子) ◆田中美里
「フンっ」ってキンキン声がかわいらしすぎ(笑)
・・・えと、晶子と恋の鞘当をした人・・・なんだよね?(←母談)一番有名なのは「原始、女性は太陽であった」なのだけど。言われたら、そうそうそう!って思うのだが、結局平塚雷鳥も名前以外全然知らなかった人である。
この物語では、晶子と討論を繰り返しながらも、晶子に対し、憧れのようなものを抱いているように感じた。
衣装がとても素敵でね。フレアースカートの裾がふんわり翻る様が、女性の地位向上に前向きな雷鳥の意気込みを感じさせる。色も華やかな青や赤にせず、ぐっと押さえた青とえんじなのが、時代から外れずいい感じ♪
■北原白秋 ◆太川陽介
白秋のイメージが・・・・ガラガラガラ(爆)
「きったはっらでーーーす!」と元気イッパイに登場する北原白秋・・・あたしのイメージを壊さないでーーーー・・・ってくらい、明るい白秋でした。間違いなく、マキノキャラですな。あれは。
でもね、そんな白秋のキャラでも、詩人である繊細さはちゃんと表現されていて、ニクイですなぁ。
■菅野須賀子 ◆匠ひびき
こちらもお名前のみは知っている・・・だったのだわよ。幸徳秋水の愛人?内縁の妻?だったのかな?ともかく、秋水との恋がこの物語ではクローズアップされており、それをべースに晶子との心の繋がりを描いている。
菅野須賀子を調べると、大杉栄も出てくるのね。アナキー繋がりで。ピスケンみたいなぁ。。。
一幕で早々に刑場の露と消えた須賀子であるが、二幕からは幽霊で復帰。晶子との心の交流がよかったなぁ。しかも幽霊姿の匠さんは美しかった(笑)
■石川啄木(一) ◆岡本健一
啄木もなぁ。名前以外、詩集だって読んだことないよ・・・まぁ、教科書に載ってるものは読んだけどさ。
でもね、函館で『啄木の涙』という白ワインがあることは知っている。(今でもあるのかどうかは知らないが)
鉄幹の創設した新詩社に出入りしていたらしい。
この物語中の啄木は、飄々としていて、一番詩人らしい感じ。最後は肺病で死んでしまうんだけど、その別れ際が儚く、でも鮮やかだったなぁ。「今宵会う人、皆、うつくし・・・うつくし・・・」と呟きながら花道を歩く姿。笑いありなんだけど。ちゃんと死を感じさせる演出。啄木への晶子の台詞がたまらない。「もうすっかり元気ですよ・・・って。最後までうそつきなんやから」
■佐藤春夫 ◆木下政治
佐藤春夫っちゅーたら、「さんまさんま、さんま苦いか、しょっぱいか」が有名ですよね。でも、オイラ的には小説智恵子抄なんだよね~。
まだ、書生時代の春夫がコミカルに生き生きと描かれてて・・・後に谷崎の妻に横恋慕して「さんまさんま・・・」と読むベースは、このドタバタ純情師匠(晶子や白秋etc・・・)の影響かぁ~とまったく違う見解をしてしまうくらいの役どころでした(笑)
この手の役をやらしたら、木下さんはピカイチですよね~
どうでもいいけど、佐藤春夫を調べたら、遠藤周作さんにまで辿りついた。びっくり。
■平野萬里 ◆山田純大
この顔どっかで見たなぁ~。結構好みだにゃ~・・・って思ってた平野君。杉さまの息子さんだったのね~(笑)
平野君はとっても真面目な役どころでした。鉄幹の下を去った白秋と対極に置かれた立場。この平野君の役があるからこそ、白秋や啄木の鉄幹への思いも際立った気がするなぁ。結局、白秋も啄木も鉄幹を敬っていたのだもの。鉄幹の下で敬うか、鉄幹から旅立ち敬うかの違いって感じかなぁ。
袴が非常に似合ってて、良かったです。でも、平野君は調べないと知らない人でした。。。ごめんなさい。
■石川カツ(啄木の母) ◆松金よね子
よね子さん好き~~~~♪ホールドミー・タッチミー以来ですが、やはり上手すぎです。
方言もバッチリ!でがんす。
啄木の家の貧窮の中のやり取り。よね子さんの演技が光りますねぇ。「生きることとはなんぞや。」生き抜くことこそが生きること、と啄木の母は言っているようでした。でも、息子の心をよく知っていて。
ちなみに美味しい姿は、平家の落ち武者(笑)似合ってました
■蕪木貫一郎 ◆横堀悦夫
国事犯を取り締まる警部。本来、もっとイヤミな味が出てもよさそうな気がするんだけど、まぁ、結構いい人感のぬぐえない印象が残りましたな。唯一笑顔のない役回り。最後のカテコでやっと笑顔(笑)晶子に「ご苦労様~」と言われてにっこり。横堀さん素敵でした。でも、もっとイヤミな役作りの方がオイラ好みでした。
■安土兵助 ◆小宮孝泰
蕪木の部下の密偵。初めは須賀子に張り付いていたが、後に与謝野家に張り付いていた。気付けば与謝野家のゴロゴロいる子供に慕われていたところを見ると、子煩悩なおちゃんなんだよね(笑)
完全なおとぼけお笑い役かと思いきや、案外警察としての武術を心得た役だった。さすが隠密。
■与謝野家の子供たち
ちびん子がワラワラ出てきて、おばちゃん嬉ぃ~
幕が下りるたびに、子供が一人生まれるんだもん
どの子も上手に演技して、ごっつ可愛かった~
今回の公演、パンフ売り切れにつき、アンサンブルさんの事がまったく書けない^^;
柏餅屋のおばちゃんとか、魚屋のおっさんとか、荒物屋のにーちゃんとか・・・役者さんがまったく解りません。
パンフ欲しかったよぅ。。。
全体的なストーリーの印象は、マキノさん・もぼさんテイストが満載に散りばめられているけど、新喜劇っぽいオチのある・・・そんな感じ。
号泣シーンはないけれど、ホロリと来るものは沢山あり。爆笑シーンも盛り沢山
今回は、母と一緒に観に行きました。
「笑い」は心に必要だと思うから。いい気分転換になってくれてたら嬉しい。
これはいつ上演したんだったっけかな?ともかく、観に行けなかったんだ。もしくは観に行かなかったんだ。ともかく、観てないお話。
今回MOTHER ~君わらひたもうことなかれ~は『妻をめとらば ~晶子と鉄幹~』となり、オイラの前に現れた。2度も見逃してなるものか、とチケゲット。
藤山直美さんの舞台も初めて。っつーか、新歌舞伎座(新しくないけど・笑)自体が初めて。初めてづくしのこの芝居、6月24,25日と2回観劇であります。
さてさて、明治から大正に掛けての知識の薄いオイラでも、物語を追っかける事が出来たのであろうか。
役別レポ、敬称略でスタート♪
■与謝野晶子 ◆藤山直美
あまりにも有名な歌人・晶子を演じたのは藤山直美さん。晶子に対する知識はほとんどない私。気性が激しい、気ままな女性ってのが晶子に対して持っている印象。鉄幹を横恋慕したってイメージがきついんだよね。個人的に役者さんのイメージとしてはドリさんになっているので、直美さんの晶子ってどうだろう・・・ってのも感じつつの観劇であった。
直美さんの晶子は、肝っ玉かあちゃんちっく。関西弁でズバズバしゃべるその滑らかさに唖然。さらにもっとすごいのは、肝っ玉ちっくなのに、繊細なのだ。言葉遣いの美しさも時代を反映してる気がする。
喧嘩するほど仲がいい。そんな鉄幹との温かい暮らしを描いた物語だった気がする。この物語の中の晶子は、誰よりも鉄幹の才能を尊敬していたもの。
今回の物語では9人目を仕込んだところで終わりだったが、実際には12人も子供を生んだのね・・・晶子すご過ぎ
■与謝野鉄幹(寛) ◆香川照之
友達がファンなんだよね、香川さんの。私的には普通だったんだけど・・・いい感じの鉄幹を演じてましたねぇ。
鉄幹の隆盛に陰りが差しはじめたところから話が始まる。詩を詠むことに対しては、鉄幹は確かに過去の人となりつつあったが、文学の美を感じる力は衰えていなかった。そして、その美を認める潔さがあった。しかし、美を感じるが為に、鉄幹は自分の限界を感じて辛かったのだろうと思う。
一番好きな台詞はね、「君を妻としたことは、詩を妻にしたと同じなんだ」ってトコ。晶子の才能を誰よりも理解し尊敬していたのは鉄幹だったんだろうな。香川さんの演じる鉄幹には、脆さと強さとを感じた。
■平塚雷鳥(明子) ◆田中美里
「フンっ」ってキンキン声がかわいらしすぎ(笑)
・・・えと、晶子と恋の鞘当をした人・・・なんだよね?(←母談)一番有名なのは「原始、女性は太陽であった」なのだけど。言われたら、そうそうそう!って思うのだが、結局平塚雷鳥も名前以外全然知らなかった人である。
この物語では、晶子と討論を繰り返しながらも、晶子に対し、憧れのようなものを抱いているように感じた。
衣装がとても素敵でね。フレアースカートの裾がふんわり翻る様が、女性の地位向上に前向きな雷鳥の意気込みを感じさせる。色も華やかな青や赤にせず、ぐっと押さえた青とえんじなのが、時代から外れずいい感じ♪
■北原白秋 ◆太川陽介
白秋のイメージが・・・・ガラガラガラ(爆)
「きったはっらでーーーす!」と元気イッパイに登場する北原白秋・・・あたしのイメージを壊さないでーーーー・・・ってくらい、明るい白秋でした。間違いなく、マキノキャラですな。あれは。
でもね、そんな白秋のキャラでも、詩人である繊細さはちゃんと表現されていて、ニクイですなぁ。
■菅野須賀子 ◆匠ひびき
こちらもお名前のみは知っている・・・だったのだわよ。幸徳秋水の愛人?内縁の妻?だったのかな?ともかく、秋水との恋がこの物語ではクローズアップされており、それをべースに晶子との心の繋がりを描いている。
菅野須賀子を調べると、大杉栄も出てくるのね。アナキー繋がりで。ピスケンみたいなぁ。。。
一幕で早々に刑場の露と消えた須賀子であるが、二幕からは幽霊で復帰。晶子との心の交流がよかったなぁ。しかも幽霊姿の匠さんは美しかった(笑)
■石川啄木(一) ◆岡本健一
啄木もなぁ。名前以外、詩集だって読んだことないよ・・・まぁ、教科書に載ってるものは読んだけどさ。
でもね、函館で『啄木の涙』という白ワインがあることは知っている。(今でもあるのかどうかは知らないが)
鉄幹の創設した新詩社に出入りしていたらしい。
この物語中の啄木は、飄々としていて、一番詩人らしい感じ。最後は肺病で死んでしまうんだけど、その別れ際が儚く、でも鮮やかだったなぁ。「今宵会う人、皆、うつくし・・・うつくし・・・」と呟きながら花道を歩く姿。笑いありなんだけど。ちゃんと死を感じさせる演出。啄木への晶子の台詞がたまらない。「もうすっかり元気ですよ・・・って。最後までうそつきなんやから」
■佐藤春夫 ◆木下政治
佐藤春夫っちゅーたら、「さんまさんま、さんま苦いか、しょっぱいか」が有名ですよね。でも、オイラ的には小説智恵子抄なんだよね~。
まだ、書生時代の春夫がコミカルに生き生きと描かれてて・・・後に谷崎の妻に横恋慕して「さんまさんま・・・」と読むベースは、このドタバタ純情師匠(晶子や白秋etc・・・)の影響かぁ~とまったく違う見解をしてしまうくらいの役どころでした(笑)
この手の役をやらしたら、木下さんはピカイチですよね~
どうでもいいけど、佐藤春夫を調べたら、遠藤周作さんにまで辿りついた。びっくり。
■平野萬里 ◆山田純大
この顔どっかで見たなぁ~。結構好みだにゃ~・・・って思ってた平野君。杉さまの息子さんだったのね~(笑)
平野君はとっても真面目な役どころでした。鉄幹の下を去った白秋と対極に置かれた立場。この平野君の役があるからこそ、白秋や啄木の鉄幹への思いも際立った気がするなぁ。結局、白秋も啄木も鉄幹を敬っていたのだもの。鉄幹の下で敬うか、鉄幹から旅立ち敬うかの違いって感じかなぁ。
袴が非常に似合ってて、良かったです。でも、平野君は調べないと知らない人でした。。。ごめんなさい。
■石川カツ(啄木の母) ◆松金よね子
よね子さん好き~~~~♪ホールドミー・タッチミー以来ですが、やはり上手すぎです。
方言もバッチリ!でがんす。
啄木の家の貧窮の中のやり取り。よね子さんの演技が光りますねぇ。「生きることとはなんぞや。」生き抜くことこそが生きること、と啄木の母は言っているようでした。でも、息子の心をよく知っていて。
ちなみに美味しい姿は、平家の落ち武者(笑)似合ってました
■蕪木貫一郎 ◆横堀悦夫
国事犯を取り締まる警部。本来、もっとイヤミな味が出てもよさそうな気がするんだけど、まぁ、結構いい人感のぬぐえない印象が残りましたな。唯一笑顔のない役回り。最後のカテコでやっと笑顔(笑)晶子に「ご苦労様~」と言われてにっこり。横堀さん素敵でした。でも、もっとイヤミな役作りの方がオイラ好みでした。
■安土兵助 ◆小宮孝泰
蕪木の部下の密偵。初めは須賀子に張り付いていたが、後に与謝野家に張り付いていた。気付けば与謝野家のゴロゴロいる子供に慕われていたところを見ると、子煩悩なおちゃんなんだよね(笑)
完全なおとぼけお笑い役かと思いきや、案外警察としての武術を心得た役だった。さすが隠密。
■与謝野家の子供たち
ちびん子がワラワラ出てきて、おばちゃん嬉ぃ~
幕が下りるたびに、子供が一人生まれるんだもん
どの子も上手に演技して、ごっつ可愛かった~
今回の公演、パンフ売り切れにつき、アンサンブルさんの事がまったく書けない^^;
柏餅屋のおばちゃんとか、魚屋のおっさんとか、荒物屋のにーちゃんとか・・・役者さんがまったく解りません。
パンフ欲しかったよぅ。。。
全体的なストーリーの印象は、マキノさん・もぼさんテイストが満載に散りばめられているけど、新喜劇っぽいオチのある・・・そんな感じ。
号泣シーンはないけれど、ホロリと来るものは沢山あり。爆笑シーンも盛り沢山
今回は、母と一緒に観に行きました。
「笑い」は心に必要だと思うから。いい気分転換になってくれてたら嬉しい。