ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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妖怪しるこの怪

2006-11-30 11:28:54 | 食べる・食べる時・食べれば・食べれ
10月に鳥取へ鬼太郎達に会いに行った時に、その後すぐに会う数人の友達へのお土産に『妖怪しるこ』なるものを購入した。6個入りのその汁粉をバラして5人にあげた。1個あまったので、それは自分で食べてみたのだ。

妖怪しるこには妖怪が封じ込められている。
いただき方は以下の通り。

1.火の玉マークを上にして、お椀に設置。(トップ写真参照)
2.熱湯を注ぐ。
 
 するとなにやらプカーっと浮いてくる。
3.ゆるゆるとかき混ぜる。
 
 2Dな感じの目玉のオヤジがぷかぷかと、お椀の中でうろうろ。。。


お味はフツーに即席汁粉のお味。
思ったより、封じ込められていた妖怪は地味だった

紅葉狩り

2006-11-29 14:16:07 | 呟き
ここ数年、特に「行こう!」って気合を入れている訳ではないけれど、なんとなく紅葉狩りをしている。
去年は観劇帰りに高校の時の友達のU子さんと貴船さんに行った。すごーく寒かった。

今年も観劇帰りに高校の時の友達のU子と知恩院さんへ行った。暖かかった。

観劇は京都劇場で『クレイジー・フォー・ユー』を。賑やかで楽しくって心が浮き立つホワホワなハッピーエンド。大好きな作品。
観劇後、ウキウキ気分でどこへ紅葉狩りに行くか決める。
一番近いトコロで清水さんとか高台寺さんとか候補もあったけれど、実は個人的には日吉大社へ行きたかった。でも、ここは遠すぎるので却下された。んで、決定したのが知恩院さん。以前、狂言とバンドネオンのコラボの時に、知恩院さんっていいなぁって思ったのを思い出したのでね。

行き場所を決定したらば、腹ごしらえだ。
観劇後の時間からなので、夜間拝観になるからね~。クリスマスツリーが飾られた京都駅を通り過ぎ、地下へと潜る。


京都駅地下街のポルタにある、百年洋食 カフェグリル 東洋亭にてハンバーグセットを頂く。パン食べ放題とトマトのサラダが付いているセットである。パンもサラダも美味しかった~♪トマトサラダに掛かっているトマトドレッシングがGooである。

メインのハンバーグはアルミに包まれて登場。開けてみると・・・デカイ!
グツグツソースが煮えている~ ほっかほかのおじゃがも付いてるでよ


マンプクリンになった。あまりにも満腹すぎるので、カロリー消費。。。って訳ではないけれど、ブラブラと五条を目指して歩き出す。
同じ歩くなら、楽しい通りを歩きましょうってことで、京都駅から先ずは清水に向かう茶碗坂を上ってみる。いや~、かなりの急勾配だね。
清水には出ずに、そのまま産寧坂を円山公園に向けて歩き出す。
人人人!!!すごい人の波。流石は観光シーズンの京都である。高台寺の拝観の列を横目に見つつ、平ちゃんの居た御陵衛士の碑の前を通り過ぎ、円山公園へ。円山公園を抜けると知恩院さんである。(トップ写真参照)
昼間に来たらば、山門の上にも登れるんだってね。
拝観料800円(ちょっと高い!)を払い、いざお参りに。
山門のすぐ脇にある友禅苑には、高村光雲作の観音様がいらっしゃる池があった。見事に紅葉していて、ホクホク

案外広い苑内を散策。お茶室があったり、白砂があったり。昼間に見ても美しかろう、と思えるところだった。
次に御影堂へ。

お坊さんはいらっしゃらなかったけれど、堂内にはお念仏が流れていた。やっぱりこの空気好きだなぁ。
軒裏にある、左甚五郎の置いたといわれる傘も見て、大満足。
更に奥の御廟所へと進む。途中、ご出勤ですか?と聞きたくなるほど真面目に勤務するゴイサギ君がいた。人気の的だった。

華々しいお庭ではないし演出もしっとりとしていたが、個人的には非常に好みのライトアップだった。
真っ赤に燃えた紅葉も美しいだろうけれど、個人的には錦織り成す風合いが好きなので、知恩院さんはグッドチョイスだったと自画自賛。


帰りは更に足を延ばして、三条から帰ったわしら二人。
ぐでんぐでんに疲れた事は伏せておく事にする。

虹をかける王妃

2006-11-27 16:04:13 | 呟き
私は歴史が好きである。
広く薄く浅く、ではあるが。

先日フジテレビのドラマスペシャルで『虹をかける王妃』をしていた。
愛新覚羅浩様よりも20年程も前に、やはり政略結婚として、朝鮮の李王朝に嫁がれた方子様のお話である。浩様同様、流転の王妃である。このお話を見るまで、まったく知らない方だった。

方子は昭和天皇のお妃候補の筆頭であった。しかし皇太子妃とはならずに、11歳から日本に留学されていた朝鮮の李王家の第七皇子(後に立太子される)李垠の妃となる。

方子が女学校を卒業した後結婚。慎ましやかに幸せな家庭を築いていた。

太平洋戦争を挟み、大きく世界情勢が変わる。
お二人を取り巻く環境も大きく変わる。

臣籍降下により李垠は王族としての身分が無くなり、在日韓国人として登録される。
また終戦後、朝鮮に戻りたくとも排日政策などのため、長い間帰国することもできなかった。
11歳で来日して以来、56年ぶりに故国に戻ることになった李垠とともに、韓国国籍を取得した方子も韓国へと渡る。
李垠は脳血栓で倒れていたため、故国に戻るも意識は無く、終に祖国の地を踏むことなく永眠。
方子は李垠の意思を継ぎ、障害児の教育に従事する。多くの障害を持つ子供の為に尽くした方子は後に、『韓国障害児の母』として多くの国民に敬愛される存在となる。
1989年に87歳で逝去。

日朝の架け橋として嫁がれた方子様であったけれど、お二人は愛をはぐくまれ、最後まで朝鮮のために尽くされたとても素敵なお話だった。

終始「殿下・・・」と語りかける仕種も素敵だったけれど、ラストの年老いた方子様が李垠に話かけるシーンはとても心に残った。

今もお二人は李王家の土饅頭の下に仲良く眠っていらっしゃる。


見る切っ掛けは、『脚本:マキノノゾミ(もちろん、鈴木哲也さんのお名前も有!)』だったからなんだけど、本当に見てよかったなぁ~って思えるお話だった。
菅野ちゃんも良かったし、岡田君もよかった。言葉遣いも美しいし、なによりストーリーが美しかったと思う。方子様の幼少から晩年まで、駆け足で走り抜けるストーリーではあったけれど、その中心にあるものが綺麗だな、と思った。


またこの時代も、ちょっと調べてみなきゃ・・・なんて思っている。

幸村様に会いに行く in 九度山

2006-11-24 13:06:05 | ぶらり・・・旅
今年の夏にsasukeの舞台を観た時、レポを書くために登場人物を調べた。
時代は戦国末期。関が原の合戦の頃。真田幸村が活躍した時代。
幸村といえば、真田十勇士。sasukeの登場人物を調べると、必然的にこの場所に行き当たったのだ。
その場所とは、『九度山』。幸村親子が蟄居していた庵があった場所である。現在、その場所は『真田庵』として残っている。

この話を観劇友達の空くんにしたところ、「九度山ってウチのちかくだよー」との事。
以前から、空くんがよく行くと言っていた足湯に行きたいと訴えていた事もあり、この度、『幸村様に会いに行く in 九度山』が実現した訳である。

待ち合わせは『林間田園都市駅』。なんだかスゴイ名前の駅だな、なんて思いつつ待ち合わせ場所へ。
車で迎えに来てもらい、先ずは腹ごしらえの為、空くんオススメのランチのお店へGo

しなしな茄子のミラノ風パスタ(←はっきり名前を覚えていない)をランチセット(プラス¥300-)にして。フワフワのパンとサラダとドリンクが着いている。ただ今歯の治療中の為、二日前に歯を抜いたオイラでも美味しくいただけましたぞえ

お腹がくちくなったら、早速、真田庵を目指す。
個人的に、「庵」って付くくらいだから、かなり山奥を想像していたオイラ。すっごい街中にあってビックリでした。
鄙びた佇まいと、雑然とした雰囲気とが混在している不思議空間。
真田祭りの頃には多くのファンで賑わうらしいが、牡丹の時期でもなんでもないこの日はひっそりとしてましたな。
一応、社務所みたいなトコロでグッズも売っているらしいが、商売っ気は無いらしく、誰も売り場にいなかった。
真田縁の展示室(¥200)もあるが、自分で電気をつけ心づけも勝手に入れておくシステム。オイラが心無い人ならば、タダ見したい放題な状況であった。しかしオイラは心ある人なので、ちゃんと心づけ入れましたよ。
昌幸・幸村親子のお墓があるトコロにお社を建てて祀っている。その向に、このお寺のご本尊様がいる。幸村様を拝むとご本尊様にお尻を向け、ご本尊様を拝むと幸村様にお尻を向けることになり、ちょっと困惑してしまった(笑)
幸村様が雷を封じ込めた井戸なんかもあって、個人的にはごっつ楽しかった。

街中には、真田の抜け穴なるものもあるらしい!コレは次回散策した時に見つける予定。(←今回は発見できず。)

九度山の街中には楽しいものもイッパイ。
  
幸村様を筆頭に十勇士が電柱に勢ぞろい。赤書きしている人はsasukeに登場した人。イメージがまったく違うのが笑える^^(あ、ごろーは出てないね。ごめんやっしゃ。)

このアタリは冨有柿(こんな字か?)特産物なので、街中の電灯も柿♪かわいいねぇ~

結構急勾配の街中の散策の後、慈尊院へ。
弘法大師縁のお寺。
高野山開山にあたり、表玄関として設けた云々のお寺がこの慈尊院なのだとか。
女人禁制の高野山においては弘法大師の母も立ち入ることができず、この場所に迎え入れられた。大師が月に9回母に会いにこの場所へ来られたことから、『九度山』の地名が着いたとの事。
本堂に祀られているのは、弥勒菩薩様。慈尊とは弥勒の別名。

写真は、慈尊院の奥にある丹生神社への階段。登ってお参りしましたよ~

足湯に行く前に、もう一箇所。慈尊院の更に上にある勝利寺へ。
紙すきで有名な場所らしく、体験もできるとの事。今回は体験はせずにお参りのみ。
朱塗りの山門が非常に美しいが、殺人的な階段を登らないといけない。体の不自由な方のためにスロープの道路もちゃんとありますが、スリルを味わうためにも一度階段をチャレンジする事をオススメする(笑)


程よく足も疲れてきたので、足湯にGO
足湯の写真を撮り忘れたオマヌケさんはだぁれ?・・・・はい。オイラでやんす。
小一時間(正確には45分)温かいお湯に足を浸していると、体中ポッカポカに。
21人だか22人だかの団体さんが途中からワラワラと入ってきたので、本当はもう少しゆっくりしたかったんだけどねぇ
ま、こんにゃくも買いたかったので次の場所へ移動。

足湯に来る途中で目を付けていたお店で、茹でたてのこんにゃくと焼もち、アンポ柿、むかごをGET
まだ夕刻までには少し時間があったので、空くんも初めて行くという『野半の里』へ。
これが、なかなか楽しい施設で、空くんとキャッキャ言いながら特産物を見て回る。そして二人揃って蒸したての酒饅頭をGET
雨が降っていたけれど、心の中はホクホクだったのだ。


空くんのお母様が、オイラの為に夕食のお好み焼きを用意してくださっているとの情報が入ったので、早速夕食をいただきに空邸へ。
チャキチャキのお母様とご挨拶をし、応接間でさっそく夕食をいただく。
材料はそんなに違いは無いと思うんだけど、やっぱり家々でお味が違うんですな。美味しくお好み焼きを完食 とぉ~っても美味しかったです


朝から晩まで、ゆっくり九度山を堪能させていただきました。
再度、林間田園都市駅まで送ってもらい、帰路に着いた。一日ありがとね~

次回は竜神温泉まで足を延ばしてみませんか?珠肌の美人になるのじゃ

「ズビズビ。」 -第2幕-

2006-11-20 11:48:11 | 舞台関係
さてさて、長々と続く「ズビズビ。」レポ、第二幕編でする。
再度申し上げます。この記事もネタバレとなっておりますので、くれぐれも、これからご観劇される方は読まないようにお願い致します!

では、続きをGo!


■ずいぶんな話
とある旅公演の最終日の楽屋。カーテンコールも間近でバタバタしている。
舞台監督を目指して20年この世界にいる山ちゃんは、今回の旅公演で学生の頃の初恋の人と再会。そして密かに愛を育んでいた。
カテコ間近であるのに、役者の1人が衣装を脱いでしまっている。自分などカテコに出なくても大丈夫だと豪語するしろがねに、衣装を着ける様に怒る山ちゃん。そこへ恋人の草野がやってくる。仲間が気を利かせ、二人だけを楽屋に残して立ち去る。役者をしている彼は、すれ違いの多いこの世界から身を引いて、自分の帰りを待っていてほしいらしいが、山ちゃんは自分の夢を諦め切れないで心が揺れていた。
そこへしろがねが本番で壊した舞台装置の修理中に怪我をしたスタッフの代わりに、山ちゃんにラストの風船振り落としする指示が来る。
なんとなく上手く行きかけていた二人であったが、カテコ直前に、草野を捨てた妻が舞い戻ってくる。
このドタバタで山ちゃんは草野をカテコに送り出すこともできず、自分は頼まれた風船振り落としをすることも出来ず・・・更にはカテコ上がりのしろがねは、昭和初期の設定の舞台にも関わらず、フリースに羽織姿だった。最悪の千秋楽を迎えた。
妻登場で、山ちゃんと暮らす決心をしていた草野であったが、妻の泣き落としでモト鞘方向へ流される。
撤収作業で誰もいなくなった楽屋で山ちゃんがタバコを噴かす。「全館禁煙ですよ~。わかってますよぉ~。。。」
舞台監督が山ちゃんが犯した一連の手違いを叱る。「そろそろ次の公演はお前に任せてみるかと思っていたが・・・。舞台を舐めるな。イチからやり直せ。」
1人になった山ちゃんのいる楽屋に老夫婦が入ってくる。
「ココだな。」「私は初めから解っていましたよ」そんな会話をしている夫婦は、山ちゃんにお世話になった、今後もよろしくと挨拶をする。
山ちゃん「南さんの演技大好きです。」
南「山ちゃんは昔私が国王役のハムレットに出演した時にいた山ちゃんか?」
山ちゃん「はい。そうです」
南「あの頃は人間がまだまだだったが・・・(微笑む)」
山ちゃん「今もまだまだです。」
老夫婦は仲睦まじく楽屋を後にする。山ちゃんは気を取り直して仕事を続ける。

◆一番笑いがあって、一番アクロバティック(笑)で、一番ほっこりできたお話。
初めはこの話が一番面白いと思った。間を置いてパンチの利いた台詞で笑わせてくれる、マキノさんお得意の演出。
小市マンの老役者の演技が、ねばねばの時のルオ君の演じた役者に重なって、ちょっとフフフと笑えた。しかし、老人らしさは扉に軍配が上がるかな(笑)なんつって。
一話で出て来た駆け出しの山ちゃんが、再度南が出ている旅公演に着いている。そして、その旅公演にはしろがね一座のちゃらんぽらんなマサルも出演しているらしい。そしてその演目がかつてのM.O.P.の上演作品『青猫物語』。
物語とM.O.P.の歴史とが絡まりあったこの第3話。やはり山ちゃんの人生の分岐点である。


■ビタースイーツ
昭和初期。雨のそぼ降る夕暮れ。ビタースーツというJAZZバンドの楽屋。旅公演の途中であるらしい。
少しの雑談の後、本番前にシーメーに行こうとするメンバー。バンマスのシンちゃんがサックスのケンちゃんに言う。「ケンちゃんがそうしたいなら、俺はいいよ。」皆は何の事かは解らなかったが、問いただす前にあゆみが遅れて到着した。
あゆみは天真爛漫な、根っからのJAZZ好きのシンガーだった。そしてケンちゃんの内縁の妻だった。実はあゆみは妊娠をしていた。
あゆみに憧れを抱いていたバンドのボーヤの大ちゃんは、バンドとあゆみを置いてニューヨークに渡ろうとしているケンタが許せなかった。そう、シンちゃんの話していた「いいよ」はこの事だったのだ。
「音楽は誰かに頼まれてするもんじゃない」シンちゃんの台詞通り、あゆみとビタースイーツを賭けた大ちゃんの一世一代の賭けは、ケンちゃんの勝ちであっけなく終わった。ケンちゃんがいかさまをした事を、大ちゃんは知らない。
「あっちへ行ったらクスリはやめなよ」「あっちならクスリが無くてもエキサイトできらぁ」シンジとケンタの会話の後、あゆみはお腹の子供をいなくしてしまった事を大ちゃんに告げ、大ちゃんにさよならのキスをした。
楽屋に残ったケンちゃんとあゆみ。二人で神経衰弱をはじめる。
「ニューヨークはどうだった?」あゆみが聞く。
「スゲェ所だよ。2年くらいは夢中だった。でも、壁にぶつかった。ビビっちまった俺は、俺の音が出せなくなった。」ケンタが答える。
「どう?リハーサル聞いたでしょ?」あゆみが聞く。
「(目をつぶり)あぁ、悪くない。悪くないバンドだ。」
そこへシンちゃんが戻ってくる。楽屋を見て、少し驚く。あゆみとケンタが話しかける。
「ケンちゃんが悪くないって」微笑むあゆみ。「ニューヨーク帰りにそういってもらえると嬉しいねぇ」シンジが答える。
「少し疲れたから眠るよ。」シンジが机に突っ伏した。
そしてモノクローム。
バンドのメンバーが戻ってくる。「南大作がウチのボーヤだったって?」「そうだよ」・・・口々にスターの大作の話をしている。そこへ訃報が届けられる。
「ケンちゃんが死んだって。」
小さな記事を読むメンバー。シンちゃんは相変らず眠っている。訃報を知らせようとしたマツダをマネージャーの朝ちゃんが止める。「シンちゃんはきっと知ってたよ。朝から様子がおかしかった」
メンバーがシンちゃんを残してシーメーに出かける。シンちゃんの机にあるあゆみの写真を見て朝ちゃんが呟いた。「こんな日に・・・あゆみの命日に解るなんてな。」記事を机に置いて朝ちゃんもそっと出て行く。
「よぅ!シンちゃん、あゆみは何で死んだんだ?」ケンタの問いかけにシンジが目をこすって起きて答える。「戦争中、結婚してたのは嘘で、広島にいたんだと。白血病で死んだんだ」。「ケンちゃんの子供欲しかったんだけどねー。原爆症って遺伝するんだって」
少しの沈黙の後、三人が呟いた。「どうしようもねぇなぁ・・・JAZZ何か好きになっちまって」
「シンちゃんも一緒にやろー」あゆみがシンジを呼んだ。「なんだ、神経衰弱じゃねえかよ」笑うシンジに「いいんだよー。あたしたち二人にはたっぷり時間があるんだからさぁ」
神経衰弱をしながら大作の話に興じる。
「でも、よかったよねー。大ちゃん」なんて微笑みながら。

◆一番しっとりとした展開の第4話。初めはモノトーンな悲しげな雰囲気に近寄りがたさを感じていたが、3回見て受け止め方が変わった。このお話が、一番マキノカラーが強い作品。このバンドのメンバーをもっともっと見ていたいって思った。ケンちゃんがニューヨークに行く前のシーンのメンバーのやり取りが一番好き。強くは引き止めない。お互いを認め合って、距離を置き合って、そして一番近くにいる。少し、ピスケンや虚飾の時の男たちの繋がりに似た匂いがした。
いつものような、わーっと来る泣きは無く、でも、一つ一つの言葉に、目線に涙がこぼれるお話だった。


4話全てが繋がり合い、絡み合って紡がれた4っつのお話。一つ一つにストーリーがあり、でも、四つ全てを貫くもの。それが楽屋であり、楽屋が見続けた分岐点だったのかな、と思う。
4話目の大作が1話目の大作に繋がり3話目へと流れる。1話目の山ちゃんが3話目の山ちゃんに繋がり、2話目のマサルが3話目のじっちゃんに繋がる。4話目の安田は2話目の目の安田と同じ人で。
季節もまた、春から夏へ。秋を経て冬で4話なのかなと思った。
そして全ては同じ楽屋で起きたことなんだろう。全てが旅公演。少しずつズレて語られた時代。楽屋は見てきたのだと思う。沢山の出来事を。分岐点を。そこにいた人々の物語が「ズビズビ。」
カテコの生演奏も素敵だったし、観れば解るのタイトル「ズビズビ。」の謎。オイラ最後の最期まですっかり忘れてたんだけど^^;ちゃんと解りましたよ。最後の○は、英世さんにこっそり教えてもらったんだけどね~

この作品は、多分どんどん変化するんじゃないかな。と思う。
大阪公演をご覧になった方の感想も、東京公演をご覧になった方の感想も、是非是非聞いてみたいです!

最後に、舞台の傾斜もかなりありますし、激しい動きの方も多いですし、お怪我の無いように気をつけて舞台を勤めて下い。大阪公演では約一名の負傷兵が・・・流血状態でちとビビリましたぞえ。(笑)
あ、写真は、会場内に貼っていたお願い。赤のラインのお願いに笑いました。そうです!皆様、上演中はM.O.P.に限らず気をつけて下さいね。

「ズビズビ。」 -第1幕-

2006-11-20 01:19:03 | 舞台関係
オイラにとって、絶対に外せない舞台ってのが幾つかある。
年に平均2回ある扉座の公演と、夏の定番M.O.P.の舞台である。
年イチになってからはずっと夏公演だったM.O.P.であるが、今年のM.O.P.はどう言う事情かは解らないが、珍しく冬の公演。
いつもなら熱い暑い公演となるトコロが、今回は熱い熱い公演となった訳だ。外が寒い分、舞台の上の熱さがより感じられる・・なんてね。

本来ならば、公演途中でネタバレレポは書かない主義なのだが、今回は特別気分なので、書いちゃうのだ。
ココからはネタバレでございますから、まだ公演をご覧になっていらっしゃらない方は、決して覗かないで下さい!!!


前回の『水平線ホテル』はマキノ作品の集大成って感じのお話だった。
これでもか!これでもか!!と言うくらいマキノカラーが押し出された作品。
「燃えて泣けて決まる!」っていう、熱い熱い舞台がマキノさんの特徴なんでね。
しかし、今回の『「ズビズビ。」』はガラリと感触が違う作品。
4本のオムニバス形式で綴られたお話は、個々としては確かにマキノカラーがあるものの、何て言うのかな~、全面に熱さを感じないって言うか、熱さが内に秘められているって感じ。
今回はその1本1本についての感想でいってみよう!


■ずっと貴方を・・・
妻を亡くしたばかりのかつての大物スター南大作の旅公演の楽屋。大作はイラついていた。自分の酷評を書かれた記事を廊下に貼り出されてしまったからだ。それはかつての大スターに対する冒涜であり、また、今の自分を再認識する事でもあったから。
そこへ地方新聞の記者がインタビューにやって来る。南は初めインタビューを断るが、女性記者が自分の大ファンである事に気を良くしてインタビューを受ける事を承諾する。
自分の酷評に対する意見を記者に聞いた時、記者は自分も同じ意見だと答えた。自分への賛辞を期待していた南は記者を問いつめる。
演目はハムレット。南の役はクロ-ディアスであった。ただの悪役を演じる南に記者は言う。
「クローディアスは悪役だとは思いません。愛する女の為に人殺しをしてしまうほど、弱い人間なのです。」と。
南にはこの演技が出来るはずだと、過去にあったひき逃げ事件の話を持ち出す。実はそのひき逃げ犯は南であったが、証拠隠蔽で容疑者は捕まらず時効となっていた事件である。
死んだ被害者はどうしようも無い人間であったが、記者の「被害者の娘にあったかもしれない父の良い記憶」を奪い去る権利は誰にも無い。。。という説得に、本当の事を話し、被害者の娘に対し詫びの言葉を口にする。
記事を売るのでも、記事を書くのでも無く、ただその一言を聞きたかったと記者は号泣する。実はその被害者の娘こそ、この記者なのであった。
南を好きだった娘は犯人の名を世に告げる事無く、今、ここで打ち明けたのだった。
そして、ソワレの舞台の幕が開く。南の演じるクローディアスの姿には、単なる悪役では無く、一人の人間としてのクローディアスがいた。

◆軽快なテンポの滑り出しから、ミステリーの謎解きの様な中盤を経て、ラストのクローディアスを演じる南の姿まで。緊迫したやり取りに目が放せない。記者を演じるドリさんが号泣する時に一緒に涙がこぼれ落ちる。そして鏡を使ったクローディアスの演出。
南大作の二つの人生の分岐点を描き、また、記者の二つの人生の分岐点も描いているのだと思った。
個人的には、オクチンさんの「大ちゃぁ~ん」ってセリフが大好きだった。
扉座と四季でハムレットを観ていたので、ホレイショーもクローディアスもちゃんと解って良かった♪


■ビッグな男
♪そっらには太陽!レッツゴー!ゴーゴー!!
   キッミとふたぁりで!レッツゴー!ゴーゴー!!♪
70年代。夏のとある楽屋。
ヤッちゃんの工藤が刀を片手にキレている。キレられているのは「しろがね菊次郎一座」という大衆演劇の一座。題目の森の石松を演じる役者がドロンしてしまい、上演が出来ない状況になっていた。
興業元のヤクザの親分が三度の飯より石好きって事で、しろがね一座を呼び興業する事にしたのに、題目を変える事は許さないと言う工藤。
急遽代役を捜す事にしたが、団員の中には上がり性と言葉が聞き取れない訛しかいない。会館の安田に頼んでみたが、セリフを教えた工藤の方が上手ときた。工藤に石をやってくれないかと頼んだが、題目を帰るなら指の一本覚悟しろと言い捨てて去って行く。
小便に行った菊次郎が「血尿が出た」と戻って来る。おかみさんに「それはストレスだに」と言われしょんぼりと寝転ぶ。菊次郎が一人でどうしようか思いあぐねている所に、グループサウンドをすると言ってドロンをしていた座長の弟マサルが帰って来る。実はマサルのバンドのレコードでビューの条件が、ボーカルのマサルと事務所で用意した男前とにすげ変える事だった。マサルはGSを飛び出し、また一座に戻りたかったのだ。
題目を変えずに石松ができると喜んだ一座であったが、頑固者の菊次郎がマサルを許す事が出来ず交渉決裂。菊次郎は指を詰め一座を解散する覚悟を決める。
そこへ、衆議院議員海老沢の秘書・加賀見がやって来て「海老沢が親分さんに交渉して、題目はなんでもよい事になった」と告げる。一同ほっと胸をなで下ろし加賀見に礼を言うが、この公演を海老沢が観ない事が発覚した途端、菊次郎のへそが曲った。
「その施しは頂きたくござんせん。どなたさんも、真っ平ごめんなすっておくんなせぇ!」
啖呵を切った。
加賀見が去った後菊次郎が言った。「マサルのやつを呼んで来い。このオレが、菊次郎がおめぇの石松を見たいと、土下座して頼んでるって言いな!」
団員は嬉しそうに返事をし、マサルを捜しに行く。菊次郎は小便をしに立つ。おかみさんも小便に血が混じって無いかを確認に覗き込みに行く。
誰もいない楽屋に工藤が石の格好でやって来る。
「どちらさんも、ごめんなすって・・・」森の石松、金比羅代参の有名なセリフが響く。

◆イキナリのGSにビビル客を取り残し、ノリノリで歌いまくる木下さんが素敵すぎ(笑)衣装も髪型も忘れられませぬ。
最近、酒井のオヤジさんの演技がごっつう好きなオイラ。掛川の遠州弁って言うんですか?コレがすごく美しい芝居なんですよ。第2話の見どころはきっぷの良さとこの方言でしょうな。
今年はなんだか方言が綺麗だなって思っていた所。夏に見たsasukeの後、津本陽の真田忍法記を途中まで読んで、その方言の持つ豊かさに感動したんだな。読破して無いけれど。地の言葉ってのはそれだけで独特の勢いがある。言葉って生きてるなぁって思ってたので、この掛川弁(?)は非常にタイムリーにオイラの中にスルリと入った。
2話目もしろがね一座の分岐点を描いている。チャキチャキのセリフの裏に、沢山の思いや迷いや怒りや優しさが詰まっている。言葉っていいなぁと思った作品。
森の石松も、扉座の『語り継ぐ者たち』のお陰でちゃんと遅れを取ること無く着いて行けました♪石松を演じる三上さんに犬飼さんが被ったことはナイショにしておこう・・・


うーーーん。長くなって来たので、2幕と最終感想はタイトルを改めて・・・・
そんな訳で、続く。

遊んでいるにはいるんだが・・・^^;

2006-11-15 21:17:21 | 呟き
先週末から急に忙しくなりまして
書こうと目論んでいた観劇(長々)レポが書けません。多分、このままお蔵入りです、る~るるる・・・

一応、何をしてたか書いておくべ。


■11月3日 扉座公演 『ご長寿ねばねばランド』
  これはレポアップ致しましたので♪このレポ書いてる頃は、逆に仕事が無くってささくれてたのになぁ(笑)

■11月7日 ペテン師と詐欺師
  以前、奥菜ちゃんが出た舞台を観た時、ちょっと期待はずれ・・・と思ったんだけど、この舞台の奥菜ちゃんは最高に素敵でした!
そしてそんな奥菜ちゃんより燦然と輝いていたのは、鹿賀丈史さん いやはや素敵過ぎてくーらくら・・・でした。
他にも、レミ組も沢山でてらして大満足。唯一の残念は、高田さん・・・二幕はほとんど見せ場もなく・・・(一幕で十分見せ場はあったんですが。)そこが残念だったぁ。

■11月11日 涌泉能
  毎年、春夏二回父に来るご招待に、金魚の糞のごとく母と共にくっついて行くのだ。
今回は『殺生石』『清経』『因幡堂』『融』でございました。昌司くんも大きくなって、可愛い!から、素敵になりつつあります。この日は脇正面に座ったんだけど、うつら~っとすると、真正面にいるシテツレとかワキの視線が・・・ 見られてる訳ないけど、申し訳なかった。。。(反省)
そして観劇後は、いつもは『かつくら』にカツを食べに行くのに、この日は一歩手前の『三嶋亭』にてスキヤキを・・・うまかったぁ~
その上、食後は清水さんへ。この日から夜の拝観始まったんだよね。でも、帰る頃には父は膝が痛くってよれよれになってました(←年寄りなのに、頑張りすぎ^^;)

■11月14日 北海道メンバーとお写真交換会
  北海道へ一緒に行った人で飲み会。異常な枚数の写真を渡すオイラと空くんに対し、まみこちゃんは旅の間、不納得写真をじゃんじゃん消してたので、少ない(笑)
料理もなかなか美味しかったし、満足じゃ。


ま、こんな感じの11月前半。後半も予定がちゃんと詰まっているのだ♪
しかし、昨日手元に来た、大学の時の先生の個展は観に行けないの。ごめんねぇ。

涙が出るほど嬉しいこと。

2006-11-07 13:27:48 | 好き・応援
最近やたらと、杉山さんの名前が出てくる気がする。
岡森さんのブログ・ごぶもり日記とかそういったところにちょくちょくと。
ファンとしては、いろんな杉山さんを知れて嬉しい限り

そんなホクホクの気分の中、扉座の座長の日記の『打ち上げ』にも杉山さんが登場した。
一番近くで、一番長い間杉山さんを見てきた横内さんの言葉に涙が出た。

くも膜下をしてから、杉山さんの劇中における動きは激減した。
台詞だって、昔のように朗々と語る事はない。
主役格の役はなくなった。
でも、その物語のキーワード的な役が多くなった。
一つ一つの動きにちゃんと意味がある。
大きな身振りやすばやい動きはない代わり、一つの動きの持つ意味が深い。
沢山の長い台詞がない代わり、その一言への凝縮が凄い。

もともと、『どんな状況の人にも解る台詞』を心がけていた杉山さん。
「目の悪い人にだって、創られた物語の風景が解る台詞を言うようにしている」と、倒れる前に言っていた。

くも膜下で言語の部分に障害が残った今の杉山さんには、台詞を覚えるという作業が大変時間がかかるのだ。しかし、必要な事が伝わらなければ台詞は口から発せられても台詞として成立しないだろう。

座長の杉山さんへの言葉はこうである。
「稽古が進むうちに、杉山がその存在にリアリティを生み出していったので、余分な言葉の説明がいらなくなったのである。」

横内さんが、そぎ落とし、そぎ落とし、最後に残った言葉を杉山さんへ渡す。
杉山さんはその言葉に命を吹き込み私たちに伝える。

横内さんの創り出した物語に、リアリティを与えそこに存在させるのは、演じる人たちである。
創り出し、立体にするって凄い作業だよなぁって思う。


杉山さんは演劇バカだから、演じる事を止めたらきっとそこで終わっちゃうんだろうなぁ。(←杉山さんを知っている人はみんなそう言う。)
ついでに酒飲みだから、お酒を取り上げても止まっちゃうんだろうなぁ。(←昔の杉山さんを知っている人はみんなそう言う。)でも、お酒は程々にしないとね。うんうん。
横内さんの心配が良く解る気がするよ

でもね、これからも応援しているので、もっともっといい芝居を見せていただきたい。

青潮

2006-11-06 16:06:06 | 呟き
チャングムを見た後、ダラダラと深夜の番組を渡り歩いていた時の事。その番組と遭遇した。

何気なく止めたその番組で、この日取り上げられていたのが『青潮』である。
なんとなく、青→ブルーって感じで綺麗な印象をもったこの言葉の本当の姿は、赤潮をしのぐ死の潮だったのだ。
貧酸素状態の潮のことで、打ち寄せられた海域の生き物を殺してしまう、まさに死の水なのである。

青潮とは、生活廃水や工業排水などが海底で淀み、その場所で発生した微生が硫化水素を作り出し水中の酸素が貧酸素化してしまうこと。これが台風などで強風が吹くと海面に浮き上がってくる。硫化物水素は酸素と反応しイオウとなり、水は白濁し青っぽく見えるのである。(参考:EICネット

東京湾での固有の現象と思われていた青潮が、名古屋や大阪湾でも観測されている。
その原因として、埋立地増設のための海底土砂の採掘が上げられている。
人為的に採掘された海底には、大きな穴ぼこが出来ている状態で、ここに赤潮で発生した大量のプランクトンの屍骸が蓄積され、それを分解する微生物が大量発生→貧酸素水塊の出来上がりといった具合。
実際、採掘跡と青潮発生の場所が重なることからも、その因果関係は「無い」とはいえないものとなっている。

この番組では、実際に大阪湾にダイバーが潜り、その穴ぼこの中を撮影している。
10mで視界がほぼ無い状態。25mの穴の底で水を採取。持ち帰ったこの水は、「なんじゃこりゃ」とコメントが出るほど臭いものであった。実際にこの穴の中の水には、硫化水素などが含まれているため、人間でも少量摂取すると死に至る場合があるとか。
多少薄まるにしろ、こんな水が海底から浮き上がってきては、周りの生物たちはたまったもんではない。
実際に、アサリの死滅や、大量の魚が死んでいる。

採掘だけが原因ではなく、埋め立てによって変わってしまった潮の流れにも問題があるらしい。
本来、大阪湾に入った潮は、約1ヶ月をかけて湾の外に出て行くらしい。しかし、自然の海岸を4%しか持たない埋立地の多い現在の大阪湾では、潮は約2ヶ月を掛けなければ湾から出てゆかないらしい。
海流が淀みやすい環境を自然と作り出していたのである。

三河湾では、穴の埋め戻し作業が行われている。しかし、完全に埋め戻されるまでに後5年はかかるのだそうだ。
その三河湾の穴の何倍もの大きさの穴がある大阪湾。予算強化などの対策は立てられているものの、具体的な対策案はまだ無いとか。。。早くしないと手遅れになっちゃうよ。

夜中に見た、ゾッとしたテレビ。NWSEゆう

ご長寿ねばねばランド

2006-11-06 11:23:01 | 舞台関係
今年ラストの扉座公演は、座長の書き下ろし作品である。最近の扉座では、座長公演が年に1回の割合になっているので、扉座ファンとしては見逃す訳には行かないのだな。

『ご長寿ねばねばランド』
11月3日の文化の日に、まさしく文化に触れに行ったといっても過言ではないだろう。
ちなみにこの日、巷では祝日であったらしいが、ウチの会社のへんなカレンダーでは出勤日になていた
そしてオイラはそんな事はすっかり忘れてこの日にチケを取ったのだ
この日、オイラは病欠・・・となっている。

ま、そんなプチ情報なぞ、どーでもええワナ。

今回のねばねば。公演パンフレットは販売しておらず、代わりにねばランドのホテルのリーフレットが無料配布されていた。ねばランドの簡単な地図と各場所の写真。登場人物の相関図などなどが、リーフレットに掲載されている。
こういった小さな心遣いがイキだよね。こういう演出、大好き

このお話、『ご長寿』と銘打っているだけに、お年寄りのお話である。
登場人物も、アグネスというフィリピン人が最年少の70代でそれ以外は全員80歳以上の設定。約2名は100歳越えなんだから。(そして年齢不詳も1名いる)
ピーターパンのネバーランドは皆様ご存知ですな。それのお年寄りバージョンというのが一番近い位置づけである。ただし、何でも叶う魔法の空間ではなく、お年寄りが楽しく生きていける空間。

人というのは、誰かに必要とされなくては生きていけない。お年よりはお年よりであるが為に、社会の歯車から外れてしまう。しかし、このねばランドは、「お年寄りの、お年寄りによる、お年寄りのための施設」なのである。従業員からお客まで、全員が年寄りなのだ。
耳が遠く、斑な記憶力を抱え、膝や節々が上手く動かず、尿漏れに悩み、孤独と隣り合わせ。みんな大変なことばかり。しかし働く彼らは生き生きとしている。生き生き働く年寄りに感化されてお客もキラキラを取り戻す。ある人は娘の頃のピュア過ぎた恋を、ある人は花を盛りに生きた力強さを、またある人は本来生きたかった自分の姿を。
従業員の老人と客の老人とが、長らく心に溜めてきたいろんな事を、個々に解き放つシーンがある。その時の杉山さんの台詞。「今夜は、少し宇宙に近い気がするよ」。これは、80年以上も宇宙とは何かを研究し続けている100才を越えた老人の言葉である。何かを誰かと共有した時、そこには無限があるのかもしれないなぁなどと思った。

このお話に出てくる登場人物は、横内さんが19役全員にアテ書きしたとか。
19人全員が主役な舞台。19人全員が脇役な舞台。
どのじーさんもばーさんもキラキラ輝きを持っている。

最終的に、ねばランドにあるホテルは現実のものなのか非現実のものなのか、私には解らなかった。
体が動かない、家族と共に暮らせない、寝たきりの入院患者の淋しい老人の夢の中の物語かもしれない。
それを消えたピアノが表しているのだろうかとも思う。(ピアノは、宇宙が近くなった夜に、みんなを繋いだ重要なアイテム)
でも、現実か非現実かは問題ではないのかもしれない。現実に住まおうと、夢の中に住まおうと、それ自体が本人にとっての「今」なのかもしれないから。

現実問題としては、ありえない「ランド」である。
年よりの体はやはり労働に適していないし、気持ちが若くチャキチャキであればあるほど、強情にもなる。生きてきた経験の糧の分、他の事を取り入れなくなって行く傾向があるのが老人だから。
社会との繋がりが途絶えてしまうから、頑なになるのだろうか。このねばランドのように社会と繋がり続けていれば、助け合い、理解しあって生きていけるのだろうか。

この物語は、社会における老人の位置を描いたのではなく、心の内側に浮かぶ情景を描いているのではないかとオイラは思っている。


そうそう。
12月に六角さんのライブがあるそうですよ~
オイラはいけませんので、是非、参加された方は感想を教えてください!
大阪ライブプリーズとも六角さんに言ってみましたら、頑張れば実現も可能だとのお返事!六角ファンの関西人!!楽しみにしてましょうね~(って、このブログを何人の扉座ファンが読んでいるのだろうか^^;)