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灰その3

2010年05月05日 | 茶の話
灰匙を使って、

まるで天女の羽衣で岩を撫でるかごとく
何度も何度も繰り返し、

この峰の一本の線を出していきます。


一度で作ろうと思わず、
何度も”何度も”繰り返すわけですが、

確かに、前回書きました自然の風や波の浸食で、砂浜が形作られてきたかのように・・・

自我を無にして、
灰と一体化していく作業の繰り返しのように感じてきます。


灰を作ったり、炭を切り、洗うということを水屋勉強会で皆さまとご一緒させていただいたことがございましたが、

「この時間をかけてつくった灰や炭は、たった一回、湯を沸かしたら(濃い茶一服)、終わり。炭は消えてなくなり、灰もまた改めなくてはならない」

それが茶の良いところです
~そう、塾長が言われてました。

また、茶道塾のメーリングリストで、茶事の御客様を迎えるために灰を押された方がこのようなお話を書いてくださいました。

灰を押していて、「悟った」ことがあったそうです。

「この長い長い時間は、自分を見つめるために必要な時間。

そして、それはお客様がいらしてくださるからこそ、ある時間」

茶道では、一人での修業ではなく、客がいらしてくださる。

客を迎えるために灰を整えさせていただく時間が持てる。

これは、実際に灰を押さえないと分らない、
言葉では伝えられないものかと思います。



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