いつも、いつもそうだ。
夫婦ゲンカのきっかけは些細なこと。
「お風呂のシャワー温、41度って熱くない?
今からこの温度じゃ、これからの季節どうするの?」
ほら、きた。ダンナさんのお小言だ。
私は熱いシャワーを浴びて、さっさと出たいタイプなのだ。
それに、今は10カ月の娘とお風呂に入っている。
湯船の温度は39度。
私には少しぬるくて、湯冷めしてしまう心配がある。
シャワーで首の後ろと腰を温めるといいと聞いたこともある。
ともかく、熱いシャワーが好き。
…と言っても、そんなに熱くはないでしょう?41度。
何となくイライラのスイッチが入ってしまい…。
「私の小さな幸せを奪う気?」
少し大きな声で言った。
私のお風呂はせいぜい15分。
その間、41度で何が悪い?
これからの季節41度で寒く感じりゃ、
温度をどんどん上げていくよ!
何が悪い?
風邪、ひかせたい?寒い思いさせたい?
トイレのウォシュレットのスイッチだってオンにしたよ。
冷たく感じたから。
私は冷え性、寒がり。男と女は体感温度だって違うよ!
もうイヤだ、全部全部イヤになった。
家事の手を止め二階の寝室でふて寝。
しばらくすると、足音が近づいてきた。
…娘が私にじゃれてきた。
ダンナさん、娘を使ったな…。
愛嬌たっぷりに笑いながら、私の背中にのる。
私も笑う。
ダンナさん
「よくやってくれてるよ」
ダンナさんが折れることは珍しい。
ダンナさんは41度を容認した。しめしめ。
食事後の後片付けも手伝ってくれたり、
美味しいコーヒーもいれてくれる。
しめしめ。
動きがいいぞ、ダンナさん。しめしめ。
ケンカの後は何もなかったかのように仲良し。