きみと出会ったのはもう30年も前のこと。
同じクラスだったきみの異変にはみな気づいていた。
あれは薬の副作用だったんだね。
病名は脳腫瘍。
幼すぎる私たちにはどれほと重い病なのか知る余地もなかった。
ただ懸命に病魔と闘うきみにエールを送る機会を担任の先生が
与えてくれていた。
退院を祝う会だったり、励ます会だったりね。
あれは迎えたのか見送ったのか…、
授業中に運動場をお母さんと歩くきみにみんなが窓から
身を乗り出して手を振ったことを覚えているよ。
それから参加できなかった運動会ではカメラマンをまかされていたね。
私のことも撮ってくれてた?
きみは毎日つけていた日記を先生に渡していたんだね。
「今日も元気だ」から始まる日記。
「元気」がどれほど尊いことなのか、今ならよく分かるよ。
小さな小さな身体で耐えた痛みの日々のことも、
辛い治療のことも綴っていたね。
そして、もう一人の戦友である彼が亡くなってから
日記をやめたね。
きみにとっても辛い夏の終わりのできごと。
私たちにとっても。
11月7日。
きみが息を引き取った。
信じがたいできごとだった。
みんなできみの家に行くと黒い服を着た大人がたくさんいて、
これはきみのお葬式なのだと思ったよ。
最後のお別れできみに歌を贈ったね。
あのとき私はどんな気持ちで歌ったのだろう。
悔しくて悲しい気持ちだったと思う。
私たちは二人のクラスメイトを見送った。
あのときからずっとこの日は生きることを考える日です。
きみが生きたことを忘れまい。
そして私もちゃんと生きていこうと胸に刻む日なのです。
きみに会えて良かった。
ありがとうね。
cocchiy
同じクラスだったきみの異変にはみな気づいていた。
あれは薬の副作用だったんだね。
病名は脳腫瘍。
幼すぎる私たちにはどれほと重い病なのか知る余地もなかった。
ただ懸命に病魔と闘うきみにエールを送る機会を担任の先生が
与えてくれていた。
退院を祝う会だったり、励ます会だったりね。
あれは迎えたのか見送ったのか…、
授業中に運動場をお母さんと歩くきみにみんなが窓から
身を乗り出して手を振ったことを覚えているよ。
それから参加できなかった運動会ではカメラマンをまかされていたね。
私のことも撮ってくれてた?
きみは毎日つけていた日記を先生に渡していたんだね。
「今日も元気だ」から始まる日記。
「元気」がどれほど尊いことなのか、今ならよく分かるよ。
小さな小さな身体で耐えた痛みの日々のことも、
辛い治療のことも綴っていたね。
そして、もう一人の戦友である彼が亡くなってから
日記をやめたね。
きみにとっても辛い夏の終わりのできごと。
私たちにとっても。
11月7日。
きみが息を引き取った。
信じがたいできごとだった。
みんなできみの家に行くと黒い服を着た大人がたくさんいて、
これはきみのお葬式なのだと思ったよ。
最後のお別れできみに歌を贈ったね。
あのとき私はどんな気持ちで歌ったのだろう。
悔しくて悲しい気持ちだったと思う。
私たちは二人のクラスメイトを見送った。
あのときからずっとこの日は生きることを考える日です。
きみが生きたことを忘れまい。
そして私もちゃんと生きていこうと胸に刻む日なのです。
きみに会えて良かった。
ありがとうね。
cocchiy