アトリエ ここるぴあ

和紙作家 佐治直子のブログです。キンカチョウのことりたちと、工房『アトリエここるぴあ』での出来事を綴ります。

あれから半年、あれから10年、あれから100年以上経って

2011年09月11日 | 作る
本当は昨日から仙台に行くはずで、飛行機も予約をしていたんだけど
やむを得ない事情でキャンセルし、今週も名古屋にいます。

半年前は日本中・世界中の人と同じように自分も大きな揺れを感じつつ
テレビの映像に衝撃をうけ、常に体が揺れてめまいがしているような、
そして気持ちがざわざわして落ち着かない日々を過ごしていました。

その時の気持ちは「被災地に行きたい!」だったけど、なかなか行けず、
今回仙台空港に降り立つのを期待していたけど、また次の機会にという
ことになりました。みんなが思っていたと思う。自分に何ができるのか?

10年前のこの日は、やはりテレビで繰り返される映像に衝撃を受けていたけれど、
その時は私自身にも「ありえないこと」が起こって、気持ちの中で消化できずにいた
時期だったので(今も消化できてるとは言えないかしれないけど)、
「人生何がおこるかわからないけど、こんなことも起こってしまうのか」と
映画を観てるような気持ちでニュース映像を見ていました。


そして昨日、豊田市小原地区で農村舞台アートプロジェクト・リレー個展として、
私の師である加納恒・登茂美ご夫妻の展示が熊野神社の境内に現存している
農村舞台で開催され、わずかな時間でしたがおじゃましてきました。



じっくり撮影する時間がなかったので、あまりいい写真ではないですが、
舞台を観て観客が投げるおひねりをイメージした紙が、上から糸で吊るされて
風に揺れる様子がとても涼しげで、素敵でした。

昔、ここに村の人が集って演じられる舞台を楽しみにしていたんだろうなって感じて、
演じているの人の熱い気持ちや観ている人の高揚した気持ちなどが、まだこの空気の
中に漂っているような気がしました。

今回の震災のことへの想いもあって展示されたとのお話をうかがいましたが、
私はこの場所が大好きだった昔の人に対する鎮魂や敬意なども感じられ、
赤しそで染めたおひねりをひとついただき投げてきました。



舞台の梁に彫られた模様がかわいかったので1枚。

地元の方にぜんざいもいただきました、ありがとうございました

三河地区の里山の風景が大好きですが、いつまでも残ってほしいと
しみじみ感じながら小原をあとにしました




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