アトリエ ここるぴあ

和紙作家 佐治直子のブログです。キンカチョウのことりたちと、工房『アトリエここるぴあ』での出来事を綴ります。

私のピアノ

2018年07月03日 | その他
今日、親戚のおばさんから連絡がきた。
「なおちゃんのピアノ、返そうか?」って。

数年前にいとこがピアノを始めるから譲ってと
言われたところ、どうしても愛着があったので、
貸すことにしていたものだった。でも、もう
使わなくなったって。

そのピアノは木目で少し背が低く、少し変わった
形をしていて、とても気に入っていた。

ピアノを習いたいと、自分でピアノ教室を見つけて
習い始めたが、どうせ続かないからと、なかなか
ピアノを買ってもらえず、何年かはお姉ちゃんの
エレクトーンで練習していた。

なんとか粘って買ってもらい、小学校6年生の時に、
修学旅行から帰ってきたらピアノがうちに来ていて
(たまたまそのタイミングだったんだけど)、
その日から毎日何時間もピアノを弾いていた。

そんなに上手くはならなかったんだけどね

子供の頃は、いつもおばあちゃんと二人で夕飯を食べ
おばあちゃんが片付けている時、私はピアノを
弾いていた。一番よく弾いていたのは練習曲でなく
「C調言葉に御用心」。弾き語っていたな
おばあちゃんも前奏の部分が気に入っていて
「いつものあれ弾いて!」って言っていた。

その後、私が家を出た時に、そのピアノは母が
経営していた会社の空き部屋でピアノ教室用の
ピアノとして、たくさんの子供たちに奏でられ、
その後、今のいとこのうちに移動していった。

だから、もう何年も私の手元にはなくて、
最後に触ったのはいつだろう?って感じなんだけど、
大学生の時、私個人の財産はピアノとバイクだけだって
思うくらい自分のモノだっていう思いがあったし、
毎日毎日いろんな思いで弾いていたから、今日、
その連絡を受けていろんな思いが込み上げてきた。

結局、そのピアノは処分してもらうことになった。
昔とは事情が変わって、返してもらっても
お世話をすることができないから。

考えたら写真が1枚もなかったね。

そして、じわじわと寂しい思いが込み上げてきた。

しかたないね。
こんな風な別れも、この先また何度もあるんだろうな。

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