大学生Kさんについてです。
来年4月から院に上がります。
まず、Kさんの体験レッスンスコアと入会時アンケートコピーです。
「Kさんの体験レッスンの主なスコア17/10/8」たてサッケイド15 数字ランダム19・19 漢数字一行〇→209、三→106、一→97 たて一行ユニット34・38 スピードチェック29・31 ロジカルテストAタイプ22/23(3分)・27/27(3分) イメージ記憶26/40(2分)39/40(1分30秒)初速1,385字/分・理解度A-
「Kさんの体験レッスン(入会時)アンケート17/10/31」・「体験の感想」以前、このスクールが出している本を購入しトライしたことがあるので、どのようなものをやるのかは見当がついていたが、その教材をどのようにやるのかについてはレッスン前からワクワクしていた。教室での受講は、家よりも圧倒的に集中できた。あっという間に90分経っていて、びっくりした。・「受講の動機」頭の処理速度が遅く、あらゆるタスクで他の人に遅れをとっていた。BTRメソッドなら速読のみならず、頭の回転自体も速くなると思ったため。
以下は、Kさんの受講260回・280回目アンケートと最新スコアです。
190回~250回・270回はパスしています(受講100回以上アンケートは書きたいときだけ。また、マイナス/プラスとわけなくてもかまいません。なんでも)。
「Kさんの受講260回目アンケート21/10/24」・260回目アンケートとなります。久々の提出で恐れ入ります。時間が限られるなかで、1回1回の受講の質を上げるために文章を書くことが有効だと考えていることに加え、先日松田さんからリクエストいただいていた「ふだんの勉強や仕事に、クリエイトの各トレーニングをどのように活かしているか」という問いを踏まえ、あまり注目されないトレーニングをまとめ直しました。ご確認いただけますと幸いです。
ここ最近、これまで苦手意識があったり、できたと実感しづらかったり、実生活にどのように役立っているか疑問を持っていたトレーニングにも意味合いを見出すようになりました。いくつかピックアップします。
・たて一行ユニット 大量の本に目を通したいときに非常に有用であると感じました。精緻な議論を展開するのではなく、大風呂敷を広げて分野・領域の見取り図を描きたいときに特に有効活用しています。ペースを一定にして、とにかく目で認識する情報量を増やすことは、着想のヒントを得るのに最適です。たて一行ユニットでは、冊子を一周終わることに対して今や抵抗感をほとんど感じません。ことほどさように、本をもう一冊読もうとすることへの障壁も低くなりました。たとえば図書館で仕事をするとき、席に座ってしばらくは、歩いた直後からか体温が高く、そわそわしてなかなか集中に結び付きません。しかし、たて一行ユニットですぐに密度の高いトレーニングに入る経験を重ねていることで、2〜3冊をD読みの要領でパラパラとめくってすぐに頭を切り替え、知的作業に専念するスイッチを入れています(たて一行は2分×2回ですが、本はうまく選べば3分ほどでめくり終えることもできるので、負担感としてもそれほど変わらないのです)。
そこから3時間ほど没頭すると、しんどさを感じて疲れてきます。もう少し粘ったらいい分析が出そう、細部に疑問点が残っていてこのまま帰ると後悔しそうだという正念場で、改めてたて一行ユニットの要領で、D読みをします。再び、ゾーンに入る感覚です。このおかげで踏ん張りがきくようにもなりました。前半のトレーニングの中で、サッケイドシートと同様、最も実践的なトレーニングだと考えています。
・かなひろい しゃにむに○をつけていくトレーニングで、これまで260回の間で正確性はあまり意識していません。脳で認識した情報をどれだけ早く手元に落とし込めるかを心がけることで、脳と手をつなぐ反射神経が鍛えられているように感じるのですが、あながち的外れでもないのでしょうか。ホワイトボードにアイデアを書きなぐる際の頭と手の使い方に非常に近いとも思っています。
新しい示唆を出さなければならないシチュエーションでは、着想の数と幅広さに依存してアウトプットのクオリティが決まるため、短時間の間にマインドマップやそれに類するメモを描き出します。面白いことに、スピード感を意識すればするほど、固定観念や既存の発想の枠組みにとらわれず、豊かな分析が生まれやすいと感じます。頭の中にかすかに浮かんだイメージを文字に起こしながら、同時に広く周りを見つつ他の要素との関連を把握し、新しいシナジーを見出していそうと頭が動いている感覚が、トレーニングでも再現・強化できています。
逆に、議事録や稟議書の作成のように、一言一句を正確に書き取り、その場で構造化を意識しなければならない作業などでは、速度感と同時に一つも漏らさない正確さも重要であり、ランダムチェックのスコアを伸ばそうとする努力が必要だと捉えています。こちらはあまりスコアが改善していないので、そのあたりに適性としての傾向があるのかもしれません。
・イメージリスト 個人的にいま最も伸ばしたいトレーニングです。イメージリストのスコアを伸ばそうとすると、ある水準までは、考える時間を減らしたり書いている間に次のイメージを思い浮かべたりして、ペンが紙の上をさまよう時間を減らすことが大切です。しかし、その限界に近づくとひたすら書くだけとなり、取り組み方によっては退屈なトレーニングとなります。
発想の転換は、269回目のトレーニングの講師のアドバイスで訪れました。書く量をいかに減らすか、表現をいかに洗練させるかに認知リソースを割くことが、さらなるスコア向上の鍵だったのです。
文字量を減らしつつ同じ内容を伝えるには、エッジの効いた表現を蓄え、適切な場所でうまく引き出す工夫が必要です。この頭の使い方は、単に書くための練習にとどまりません。私は話し方に無頓着な人間で、緊張してしまった場合には回りくどい言い方が無意識のうちに出てしまい、その迂遠さがさらに話の収拾を困難にして周囲を困らせる自覚があります。先日のトレーニングでは、思い出すだけで赤面するあれやこれやの切羽詰まった状況を、頭の中にうまく再現できたように感じました。そのプレッシャーの中でも、程よく垢抜けた表現を並べることを、まずは少しずつ心がけてみようと思います。何回失敗しても大丈夫なので、コントロールのノウハウを試行錯誤の中で積み上げていけるのが、現場ではなくトレーニングで鍛えることの一つの醍醐味です。
・イメージ読み 以前は、できるだけ早く目を通そうと意識していましたが、ここ数回は、ページ全体をひと目で見て、制限時間内にじわりじわりと頭の中で追体験していく方法で挑戦しています。このトレーニングは、イメージ記憶の強化版だと理解しています。基本2つの単語からイメージを浮かべるイメージ記憶に対し、同時に十数個の単語を認識し同時に白いキャンバスに思い描くからです。自分が体験したような話であれば、油絵で描いたように残像が残る、あるいはバーチャル・リアリティのように立体的に質感が表される兆しがあります。
この方法のデメリットは、同時に情報を処理することで、時系列であらすじを捉えづらくなることです。しかし、季節や時間を示す単語を見た場合は、イメージ記憶同様なるべく具体的で面白いイメージに変換し、なんとか理解を補おうと試みています(6月→梅雨の中のあじさい、深夜→終電の様子)。
イメージ読みのトレーニングにより、倍速の速度と質がまたさらに上がった感覚を得ています。文章の流れが決定的な重要性を持つタイプの書籍でない限り、古典などでも目的によっては速読ができるようになってきました。大きく変わったのは250回目以降(9月の平日・土日朝トレ後)です。1回1回が濃いレッスンだったように思います。速読の裾が広がり、それに比例して精読や熟考にかける時間が安心して確保できるようになったことに、研究・仕事の両面で期待以上に助けられました。おかげで今月は予断を許さない窮地に陥っています(笑)。ありがたいことです。
「Kさんの受講280回目アンケート21/12/21」
マイナス・自分が困っている事象に対して、これまでは速読トレーニングを受けることが解決策だったのですが、課題の性質が変わったためか、トレーニングを受けることが最適な解決法ではなくなってきた場面があります(もっと人と会うなど)。しかし、自分の気持ちとしては、まだ果てしなく広がる中盤トレーニングを増強したい思いがあり、バランスのとり方が難しいところです。
プラス・「自分一人で受講しているような感覚」 平日5限のレッスンなど、外が物静かで人数が少ないコマは当たり前なのですが、大勢の受講生がいても自分一人の世界に入ったようなゾーンに入ることができています。先日の平日朝トレでは、隣にUさんが座っていても我関せず自分の課題に集中できました(隣でかなひろいの新記録が2回も出たときはさすがに動揺しましたが)。カウント呼吸で眠りそうなほど緊張状態をほぐせているかどうかが、鍵だと思います。
・「自分の軸をクリエイトする」 クリエイトに通って何をクリエイトしているのか?と心に問いかけながら受講しています。新聞記者Sさんが書いているように、「高めた速読力を、どうすれば仕事の成果、お金、地位、名誉につなげていけるか」もかなり気にしますが、自分の軸を創り上げることが目下の最大の関心事です。
・私は、クリエイトに通うことではじめて、自分が何を大切にするかを考えるようになりました。文章演習講座、倍速読書トレーニングを通して、読む行為の質・量が大きく上がったためです。文演は、表現者との出会いをもたらしてくれました。表現する者は形式にこだわります。その形を学ぶことで、様々なバックグラウンドを持つ書き手とコミュニケーションを取ることができるようになりました。倍速読書は、自分のコンフォート・ゾーンを飛び出し、異なるもののエネルギーを浴びる仕組みとして捉えています。多くの本に触れているなかで、どうしても自分に合わないもの、反対にときめくものが出てきます。その積み重ねにより、自分の価値観を認識できるようになりました。
・以前は文章の解釈に自信を持てなかったため、好き嫌いという感情すら他人に流されてしまいがちだったのですが、今では自分の感覚を大切にできるようになり、ウェルビーイングが高まりました。自立した価値観を持つことで、他者の価値観をより尊重できるようにもなったように思います。
・自分の軸を持つことは言うまでもなく大切なことです。しかし、私自身がそうであった経験から、なかなか簡単には実現できるものだとは思いません。様々な人との出会いや別れを通して、人によっては信仰によって獲得することもありますが、どの経路であっても確率論の話でしかありません。ただ、上述の理由により、クリエイトのプログラムの受講は、軸を育てていくプロセスとしては、比較的再現性の高い形ではないかと考察しています。
・「微分ではなく積分」 自分の軸を持てない以外にも、私には、腰が重くてなかなか変わらない人間であるという悩みがありました。転校しても変わらない、高校進学/大学進学しても変わらない、一人暮らしをしても変わらない、とにかく環境変化に対して脆弱であり、それが救いようのない悩みだと思い悩んだこともありました。
・しかし、クリエイトはそうした人でも諦めなければ続くうまい仕組みを持っていて、私ですらなんとか280回を超えるまでになりました。その結果、教室に通うことは習慣化しました。
・弱みであっても、捉えようによっては強みに転化します。クリエイトで頑張りきる習慣がついた私は、そう簡単にそのマインドセットを変えることはないと思います。スコアと倍速読書をエサに受講を繰り返してきましたが、クリエイトで享受した様々なメリットはどこにいっても、いつまでも失うことはないものだと感じるのです。
・クリエイトのブログの記事を見ていると、鋭いペースでスコアを上げていく方々をよく目にします。負けん気が強い私は、そうした方々を見ると羨ましいなと思ってしまう一方で、自分のように回数を積み上げることも悪くないと考え始めています。
・最近、バイト先のボスが無意識のうちにぽろっとこぼした「本質的な価値は微分ではなく積分から生まれる」という言葉が頭を離れません。ほぼ同じ言い回しは、数日前に研究室の指導教官からも耳にしています。2人は性格が真逆ではあるものの、今の自分と同じ歳にはすでに実績を出していて、その勢いは熾盛そのものでした。観念的なことは普段めったに口にしないだけに、数日間この言葉が頭の中をぐるぐると巡りました。
・2人の「師匠」は、ふたりとも主流派ではありません。ただし、変に逆張りしたわけでもないのです。目の前の現実を前にして、そこから生まれる疑問を必死に考え、新たな軸をクリエイトしました。その表現方法が、たまたま(少なくとも日本においては)新しいビジネスモデルの実践であり、(少なくとも日本語・英語圏においては)新しい理論枠組みを生み出すことでした。私は、そのような大きな夢を望むべくもないのですが、自分なりの価値基準をクリエイトし、それを育てていくことから始めていこうと思います。
「Kさんの受講284回目の主なスコア21/12/25」たてサッケイド123 数字ランダム393・481 数字BP251-4(2分)漢数字一行三→15,120、一→14,400、九→5,670 漢字二行口→2,520、夏→2,340、大→165 たて一行ユニット1,152・1,123 スピードチェック29/40(36秒)・27/40(35秒)ロジカルテストFタイプ29/30(2分47秒)・27/30(2分57秒)イメージ記憶13/40(20秒)26/40(20秒)倍速読書『花のれん』16,900字/分・理解度A-「クリスマスなのでスタバでコーヒーを買ってから来た! 前半では目を動かすことに意識を向けたところ、たて一行がとても楽に取り組めた。トレーニングとの距離感が最近馴染んできて、力がついてきていることを実感する④⑤⑥」※漢数字一行は、前回のスコアです。
きょうは久しぶりに、妹のSさんが受けにきていました。
人材、雲霞の如しの教室でありたいものと繰り返し書いてきていますが、その御旗をおろすつもりはありません。
規模などはこれからも変えませんが、次々に新しい才能が生まれる教室ではありたいものです。
Merry Christmas 真
※クリエイト速読スクールHP