西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
本ブログ記事の無断転載および無断引用をお断りします。
 

RHLF

2009年01月19日 | 十九世紀の文学
REVUE D'HISTOIRE LITTÉRAIRE DE LA FRANCE, N° 4, 2008
PARUTION REVUE
Fabulaより

Information publiée le mercredi 15 octobre 2008 par Jean-Louis Jeannelle (source : Pierre-Louis Rey)

Articles
Pascale MOUNIER. L'héroïsme guerrier dans les cinq Livres : la fiction rabelaisienne au défi des genres.
Alain SANDRIER : Le théâtre de l'idéologie : deux pièces irréligieuses manuscrites du XVIIIe siècle.
Carole DORNIER : Montesquieu et la tradition des recueils de lieux communs.
Michel AUTRAND : Sur la légende du théâtre romantique.
Daniel GROJNOWSKI : J.-K. Huysmans et la nouvelle.
Denis PERNOT : Charles Du Bos : relations mondaines et relations critiques.
Adrien GUIGNARD : Les assis de Ramuz.
Luc FRAISSE : L'énigme des fins de récits chez Julien Gracq.
Alain TASSEL : Poétique du reportage dans Témoin parmi les hommes (1956-1969), de Joseph Kessel.
Notes et documents
Christophe BLANQUIE : L'Avant-propos de la Vie du duc d'Epernon par Scipion Dupleix.
Fernande BASSAN : Quatorze lettres autographes d'Alexandre Dumas père, et une lettre du marquis de Custine à Victor Hugo le concernant.

Comptes rendus et notes de lecture

In memoriam : Noémi Hepp.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フロラ・トリスタン Flora Tristan

2009年01月19日 | 女性文学・女性
大阪のフロラ・トリスタンとサンドに関するコロキアムは、1月10日、成功の裡に終えられました。
東京でも日仏女性研究学会の中に創設されている「女性作家を読む」研究会が、昨年の暮れにフロラ・トリスタンに関する研究会を開催しました。その報告が完成しましたので、以下に掲載いたします。

第7回「女性作家を読む」研究会・報告

開催日時 : 2008年12月19日
場所   : 恵比寿 イタリアン・カフェレストラン
発表者  : 佐藤浩子
テーマ  : フロラ・トリスタンと『ロンドン散策』
        ― フェミニズムと社会主義の結合―

フロラ・トリスタンが画家ゴーギャンの祖母であることや十九世紀のフェミニスト運動家であることはよく知られているが、波乱に富んだ人生の全容やとりわけその著作や思想については未知の部分が多く残されている。佐藤さんは、まず作家の生涯を年表に沿って解説された後、大著『ロンドン散策』の原書(François Bédarida 編)を丁寧に読み込まれ、同書とEdith ThomasのLes Femmes en 1848およびMartine Reid編纂の同書を対比しつつ、17の章から構成される原作のなかの「イギリスの貴族階級とプロレタリア」「階級闘争と連帯」「女性とプロレタリア」「社会主義と女性解放運動」をフロラ・トリスタンの思想を理解するうえで最も重要なトピックとして抽出し、これらの論点について的確な分析と論証を展開された。

資本主義と産業社会の落とし子である怪物都市ロンドンで農奴より悲惨な「恐るべき貧困」のうちに労働に従事する女性、男性や子供たちといった労働者や売春の実態のみならず、様々な工場、監獄、病院、幼稚園といった諸施設の実情をつぶさに観察した女性パリアにとって、イギリスは資本を所有する産業家が持たざる労働者を意のままに繰る嫌悪すべき資本主義国家であった。

佐藤さんが最も強調された点は、サン・シモン主義者フーリエ、ロバート・オーエン、ギュスターヴ・ド・ボーモン等の思想的影響を受けたフロラ・トリスタンが、マルクスの『共産党宣言』に先駆け、その8年前に出版した『ロンドン散策』(1840)の中ですでに階級闘争の概念を構想し、しかもプロレタリアと女性は同じ運命にあることを指摘していたという事実である。
また、フロラ・トリスタンの社会主義思想の根幹をなしていたものは解放と友愛であり、彼女の思想の独創性は、愛こそが最良の革命原理であるとし、階級闘争の問題を提起しながらも矛盾対立する階級間の利害の調和を図るという平和主義に立脚している点にあったことが指摘された。

参加者には前述したフロラ・トリスタンの生涯年表のほか、パリア思想に関する綿密な分析表や彼女が訪れた国々や各都市の旅程地図などの貴重な資料が配付された。フロラ・トリスタンの全容を網羅しようという意欲に満ちた発表であり、現代日本が直面している政治的社会病理を喚起しているという意味においても時宜を得て学ぶところの多い、極めて有意義な発表であった。
                                                
                                                

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする