西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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斎藤一郎(著/文)  『ゴンクール兄弟とその時代』 水声社 2021

2021年10月12日 | 覚え書き
斎藤一郎(著/文)
発行:水声社
A5判    588ページ
ISBN978-4-8010-0596-9    ISBN 139784801005969  
ISBN 10h4-8010-0596-9    ISBN 104801005969   

紹介

ベル・エポックに肉薄する!
爛熟を極めた19世紀パリの風俗を、鋭い観察眼と綿密な調査によって描き出した兄のエドモンと弟のジュール。文人たちとの交流、度重なる政治的動乱、娼婦の華々しい生活、ジャポニスムの隆盛……ゴンクール兄弟の生涯からあざやかに蘇る、フランスの真の姿。


目次

I  第二帝政 兄弟のデビューからジュールの死去まで
1   時代の空気
2   兄弟の出自
3   修行時代
4   ガヴァルニ そしてイタリアの頃
5   十八世紀に傾倒する
6   オテル・デ・アリコ(いんげん館)に服役
7   ローズ逝く
8   『文士たち』
9   ドイツ旅行
10   ゴンクール兄弟の幸福論
11  『ルネ・モープラン』
12  プランセス・マチルド
13  マニー亭晩餐会
14  外国文学
15  『アンリエット・マレシャル』騒動
16  ジュール死す

Ⅱ  普仏戦争
17  パリ攻囲とパリ・コミューン

Ⅲ 戦後の第三共和国
18  『ザンガノ兄弟』の頃
19  兄弟と女性
20  花ひらくロレット、ココット、クルティザーヌ
21 オッフェンバックの第二帝政
    一 ナポレオン三世の陽気政策
    二 『麗しのエレーヌ』
    三 『パリ生活』
    四 ゴンクール兄弟の不機嫌
    五 『ジェロールシュタイン女大公爵』
22 ジャポニスム
    一 ゴンクールの『忠臣蔵』
    二 ゴンクールと印象派
    三 歌麿と北斎
    四 ビングとの確執
23 ヴィクトル・ユゴー
24 『ラ・フォースタン』
25 進歩に反対
26 屋根裏部屋パーティー
27 音楽
28 フロベール
    一 フロベールのイメージ
    二 兄弟とフロベールの出会い
    三 兄弟とフロベールの交友
    四 トリオの文学論
    五 クロワッセ
    六 マニー亭のフロベール
    七 ジュール
    八 戦後の再会
    九 フロベールの座談
    一〇 『ブヴァールとペキュシェ』そして浮世絵版画帖
    一一 最後のクロワッセ
29 晩年の日々
30 ゾラ
31 アルフォンス・ドーデ
    一 話題のドーデ
    二 ドーデ夫人ジュリア
    三 『サフォー』
    四 晩年のエドモン・ド・ゴンクールとドーデ家
32 エドモンの逝去そしてアカデミー・ゴンクール
33 プルーストの『偽ゴンクール日記』

ゴンクール兄弟家系図
索引


著者プロフィール

斎藤一郎  (サイトウイチロウ)  (著/文)

1933年、大連に生まれる。東大仏文科卒、同修士。埼玉大助教授、東京芸大教授、同音楽学部長、同名誉教授。瑞宝中綬章。主な著書に、『幸福論――フランス式人生の楽しみ方』(平凡社新書、2001年)、主な訳書に、『ゴンクールの日記』(編訳、岩波書店、1995年、第四回日仏翻訳賞受賞/上・下巻、岩波文庫、2010年)などがある。


斎藤一郎先生
 先生のご見識あふれる大著『ゴンクール兄弟とその時代』をご恵贈賜りまして恐縮至極に存じ、温かいお気遣いに厚く御礼申し上げます。
 政権が目まぐるしく交替した激動の19世紀フランス、その時代を生き抜く女性たちや文壇を席巻する作家たちの諸相が、エドモンとジュールの視線を通して鮮やかに蘇って参ります。ゴンクール兄弟が必ずしも「女嫌い」ではなかった事実の検証、ジョルジュ・サンドが唯一の女性作家として招待されたマニー亭の晩餐会の詳述、さらには、ポリーヌ・ヴィアルド研究の関連で個人的に質問させて頂きました『ラ・フォースタン』についてもわざわざ章を設けて取り上げて下さいましたこと等、誠に有り難く深謝申し上げております。
 印象に残りましたのは、当時の娼婦の呼称や序列と類型です。また、ヴィクトル・ユゴー、プルースト、朋友フロベール、ドーデやサント・ブーヴ、、パリ万博、印象派絵画について浮世絵から忠臣蔵に到るまで、あるいはジャポニスム、オッフェンバックや日本女性に関する作家の視点について等々、ゴンクール兄弟が生きた時代の文学・芸術(絵画・音楽)・社会と政治についての興味そそる事象が網羅されているご高著です。仏文学の専門家のみならず、必ずや多くの一般読者の強い関心を引きよせることと拝察いたします。
 斎藤先生一流の、たおやかな流麗なる翻訳文体も堪能させて頂いております。ご厚情にあらためて感謝申し上げたいと存じます。
 誠に有難うございました。
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