【日仏女性研究学会 2024年度 会員研究発表会】
日時:2024年10月5日(土) 14:00~16:10
場所:共立女子大学一ツ橋キャンパス本館1140教室(交通アクセス)& オンライン
お問合せ:cdfjf.info@gmail.com
総合司会・進行 辻山 ゆき子(共立女子大学教授)
14:00 - 14:30 研究発表① 中村 彩(立教大学兼任講師)
「女性作家のアンガジュマン――ボーヴォワールとその時代」
14:30 - 14:45 コメント 西尾治子(日仏女性研究学会代表)
14:45 - 15:15 研究発表② 谷 虹陽(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
「シモーヌ・ヴェイユにおける注意と共感 ケアの倫理から出発して」
15:15 - 15:30 コメント 今村純子(立教大学特任教授)
休憩(10分)
15:40 - 16:10 質疑応答
発表要旨
「女性作家のアンガジュマン――ボーヴォワールとその時代」 中村 彩
20世紀に入ると作家にも知識人としての政治参加が求められるようになり、とりわけ第二次大戦の前後にはいかなる文学活動も政治とは無関係ではいられない事態となったにもかかわらず、女性作家は歴史的にはその性別を理由に政治参加を阻まれてきた。こうした状況にあって彼女たちはどのように政治にかかわったのか。それにはどのような仕方で可能だったのか、あるいはその代償とは何だったのか。本発表では、ジェンダーの視点と文学社会学の視点を取り入れながらこれらの問いを検討することを目的とする。女性作家における文学と政治の結びつきについて、ボーヴォワールの事例をエルザ・トリオレ、エディット・トマ、ヴィオレット・ルデュック、ドミニク・オーリー、フランソワーズ・サガンといった同時代の他の女性作家と比較することで、ボーヴォワールがアンガジュマンの作家となりえたことの例外性を浮かび上がらせたい。
「シモーヌ・ヴェイユにおける注意と共感 ケアの倫理から出発して」
谷 虹陽
近年、哲学者シモーヌ・ヴェイユ(1909-1943)の思想とケアの倫理を架橋する試みが英語圏にとどまらずフランス語圏でも進んでおり、注意と聴くこと、不幸と傷つきやすさ、力と傷つきやすさといった様々なテーマが取り上げられている。本発表は、ヴェイユにおける注意と共感の違いに着目した読解を行うことで、その思想とケアの倫理にさらなる架け橋を築こうと試みるものである。共感の観念はケアの倫理とも深い結びつきがあるが、はたしてヴェイユはこの観念をいかにとらえていたのか。ある社会階層の人間がだれに対して注意や共感を向けるのか、あるいは逆に、だれに対してそれらを向けないのかを問うとき、ジェンダーや階級や民族とも結びついた社会的な力関係が問題となってくる。こうした観点から、ヴェイユのテクストの読解をつうじて、共感することの問題点と注意することの重要性を考えてみたい。
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フランス語圏の文学・芸術における女性の表象(表象の会)