“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

“離乳食の悩み“を解決!

2025年01月08日 07時26分14秒 | 子どもの心の問題
乳幼児健診では離乳食の悩みを訴える親御さんがたくさんいます。
しかし小児科の教科書には主に病気のことしか書いてないので、
実は小児科医はお母さん・お父さん方の悩みに十分対応できないのが現状です。

YouTubeで「離乳食の悩み解決」という動画集を見つけました。
小児科の教科書に載っていないことを勉強するため、視聴してみました。
解説は子育て経験あり女性小児科医(提供:the kindest channel)です。

すると、単なる好き嫌いのレベルではなく、
その拝啓には発達レベルの理解や食事環境の調整など、
スキルとして身につける必要のあることがわかりました。

▶ 離乳食の悩みベスト3
1.作るのが大変
2.丸呑みをする・噛まない
3.食べない

▶ 離乳食の悩み解決に向けてのキーワード
1.姿勢
2.生活リズム
3.母の圧
4.口の中の発達と味覚
5.筋トレ
6.むせ込み対策
7.手づかみ食べ
8.作らなくていい?



▶ 食べるときの姿勢が大事
・テーブルと椅子の位置:
 ✓ テーブルに手が乗る(肘の角度は90度)
 ✓ 足が床につく(膝の角度は90度)
 ✓ 背筋を真っ直ぐ〜やや前傾(後ろに反り返ると誤嚥の原因になる)
 ✓ 体が椅子に密着するように調整する:椅子と体の間にすき間ができてしまうときはクッションやタオルですき間を埋める。立ち上がるクセのある子どもはテーブルと足(大腿部)の間にクッションを入れる、など。
※ 膝を立てて食べる子ども:テーブルと足(大腿部)のすき間が大きくて食べづらいためにできたクセ
・バウンサーは揺れるため食事には不向き。
姿勢が安定すると噛む力が5倍に、噛む回数が4倍に増える。噛む回数が増えることであごの発達も促される、唾液もしっかり出る。

▢ 離乳食の悩み #2生活リズムを見直そう

・早く寝る・早く起きる習慣をつける。
 ✓ ちゃんと寝る → ちゃんと食べる
 ✓ お風呂の時間が遅くなると夜型生活になりがち
 → お風呂の時間を早くする
・・・(お父さんがお風呂担当の場合)お風呂の時間が遅れると寝る時間も遅くなり、離乳食を食べる時間も遅れがちになる。
 ✓ お風呂はぬるめにして体を温めすぎない(湯船の適温は38-39℃、5分程度がベスト)
・・・温まりすぎると深部体温が下がるまで時間がかかり寝付きが悪くなる
・夜帰宅が遅いお父さんとの時間を確保するには「朝に時間を作る」「週末に時間を作る」がお勧め。
 ✓ 朝シャワー
 ✓ その日の1回目の離乳食(授乳)をお父さんが担当、など。


・離乳食を食べさせるときのお母さんの表情・態度が威圧感を与えがち・・・お母さんは一生懸命&真剣、でもそれが赤ちゃんにとっては“恐い”?
 → 赤ちゃんがリラックスできる環境作り&ご飯を食べさせる側も楽しく過ごせることが必要。
(例)
 ✓ お母さんではないヒト(兄姉とか)がご飯を食べさせる。
 ✓ 場所を変える(※)とリラックスして食べられることがある。
 ✓ 周りが食べていると食べてくれることもある。
 ✓ 食卓を楽しく囲むことで圧を感じにくくなる。
※ )食事にふさわしい場所がオススメ、汚れを気にしてお風呂場にするのはNG。


・口の中の発達と味覚
 → 何度もあげましょう。
・離乳食開始の目安
 ✓ 首がしっかり据わっている
 ✓ 座ることができる
 ✓ 食べ物に興味を示す
・口の発達具合の確認
 ✓ スプーンを口に入れてた際、押し出してくるかどうか
 ✓ 食べる練習を始め出すと哺乳反射がなくなってくる(4〜5か月頃)が、その頃はまだ口周囲が過敏になっていて、ミルク以外のものは吐き出そうとする。
 → 過敏な状態を軽減する方法として、お母さんの指(抵抗があれば清潔なガーゼで指を覆って)で歯ぐきを刺激する、頬の内側を刺激する。
・新規恐怖:食べたことのない味を拒否する反応
・基本味覚:
 ✓ 甘み ・・・受け入れられやすい
 ✓ うま味・・・受け入れられやすい
 ✓ 塩味
 ✓ 酸味 ・・・腐
 ✓ 苦味 ・・・毒
 → 酸味・苦味を吐き出す・拒否するのは自然の反応
・8〜12回食べると新規恐怖が軽減してくるので、嫌がっていてもまずは慣れるまであきらめずに食べさせてみる。


・口の周りの筋肉や体幹も離乳食には重要。
・姿勢がしっかりすると、噛む力が5倍、噛む回数が4倍になる(前出)。
・遊びを取り入れて筋肉を鍛えよう。

▶ 体幹を鍛える方法
・おもちゃやボール遊びで体幹を鍛える。向かい合って座っている赤ちゃんに向けてボールを転がすと、それを受け止めようとして少し前傾になる。
・抱っこ(しっかりしがみつく)や肩車(しっかりしがみつく)でもトレーニング可能。

▶ 口周りを鍛える方法
・ティッシュを吹く遊び(フーフー、ブーブー)で口周りのトレーニング。


▶ 4つのポイント(奈良栄養士会);
① 環境:映像、椅子、スピード
② 口腔機能:とろみ、フーフー、声がけ
③ 感覚:遊び、マッサージ
④ 認知:会話

<説明>
① 環境:映像、椅子、スピード
・食べている時に集中できていない
 ✓ 映像を見せながらだと「食べる」ことに集中できない
 ✓ 周りに好きなおもちゃがあると集中できない
・椅子が体に合っていないとむせやすい
・スプーンを口に運ぶスピードが速すぎると、まだ飲み込めていないのに食べさせることになりむせてしまう。

② 口腔機能:とろみ、フーフー声がけ
・食べ物を飲み込むとき、ヒトは一つのかたまりにして飲み込んでいる
 → かたまりになりにくい食べ物は赤ちゃんにとって飲み込みにくい。
(例)そうめんなどは口の中でバラバラになって飲み込めない。
・とろみをつけて飲み込みやすい状態にするとよい。
・舌がうまく動いていない場合もむせ込む
 → 舌を動かす訓練:ティッシュをフーフー吹いて遊ぶ、歯ぐきを刺激する、など。
・赤ちゃんは飲み込むタイミングがわからないことがある
 → 「アムアムアム・・・はい、ゴックン!」と声がけをして飲み込むタイミングを教える。

③ 感覚:遊び、マッサージ
・口周りの感覚が過敏だとチクチクしたものを嫌がって吐き出したりしがち。
・逆に口の中にたくさん入れて強い刺激を好む子もいる。
 → 口の中に入れても安全なおもちゃで存分に遊ばせる。
 → お母さんの指で口周り・歯ぐき・ほっぺの内側をマッサージで刺激するのも有効。

④ 認知:会話
・食べる・飲み込むというイメージができないため、飲み込むことができない。
 → 一緒に食事をして食べるイメージを教えてあげる。
・手づかみ食べで口に詰め込むスピードが速い場合は、会話をはさんでスピード調節をする。

▶ むせてしまったときの対処法
・(飲める状態なら)水を飲ませる。
・それでものどに詰まって顔色が悪くなるようなら救急車を呼ぶ。


・手づかみ食べを始める時期は育児書には「9ヶ月頃」と書いてあるが、
実際に9ヶ月齢で手づかみ食べができる赤ちゃんはほとんどおらず、
平均で1歳頃にできるようになる。
・手づかみ食べをすると、それ以降の食具への移行がスムーズに進むようになる。自分の“ひとくち”の量を学んでくれる。それがわからないと食具をうまく使えず、丸呑みや“むせ込み”につながる。

▶ 手づかみ食べをするための4つのポイント(奈良栄養士会)
① 環境:汚れるのが苦手(親・子)
② 運動機能:ビリビリ遊び、積み木
③ 感覚:砂、粘土、食具の素材
④ 認知:ほめる、まねる

<説明>
① 環境:汚れるのが苦手(親・子)
(汚れが苦手な親)
・汚れてしまうことで煩わしさを感じてきてしまう。
・汚れたてを毎回ふき取ると「手についちゃいけないんだ」というイメージをすり込んでしまい、
手づかみ食べをやめてしまう。
 → そういうもの、と寛容に受け止めましょう。
・床汚れ対策はレジャーシートを敷く、などで対応。
(汚れが苦手な赤ちゃん)
・サラサラして手につきにくい食べ物を選ぶ。汚れにくく持ちやすいクッキーなどがオススメ。

② 運動機能:ビリビリ遊び、積み木
・モノを三本指でつかめるようになるのは9〜10ヶ月頃(下図)。

・指先の運動をする遊びで食べ物をつかめるように練習する。
(例)紙をビリビリ破く、積み木

③ 感覚:砂、粘土、食具の素材
・食べ物が手につくことを嫌がる赤ちゃんは、遊びでその感覚に慣れさせる。
(例)屋内用の砂、粘土
・ステンレス製の食具のカチッとした感覚を嫌がる赤ちゃんもいる。
 → 他の素材のものに替える(木製など)。

④ 認知:ほめる、まねる
・食べられたらポジティブな反応(やった〜食べられたね、おいしいね、など)で安心させる。
・お母さんが食べる様子を見せてまねをさせると覚えやすくなる。

・市販のベビーフードの活用を活用すべし。
・お母さんの体と心が一番疲れているときに離乳食が始まる。
・品数・栄養バランス・食材の安全性・作る手間など、数ある問題点も市販のものであれば解決しやすい。
・手作り料理でもベビーフード活用でも、どちらも子どものためにという愛情であることには変わりない。


<参考>
・「離乳食は作らなくていいんです」(工藤紀子 著、時事通信社、2019年発行)


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